大作RPGに割とある過去編⑱
「まあとりあえず掛けてくれ」
昨日と同じように昨日よりも緊張して椅子に座ると、中島先生も昨日より緊張した面持ちで同じように座った。
「実はな、田村のことなんだけどな……」
しばらく間が開く、いつも言いたいことを言う先生がずいぶん歯切れが悪い分、余計に嫌な予感が顔を擡げる。
「何かあったんですか?」
俺は我慢できずに続きを促した。
「死んだんだ」
……
「はっ!? えっ? 誰がですか?」
「田村だ……
今朝首を吊って冷たくなっているのが見つかって、さっき学校の方に連絡があった。
昨日の今日のことだから先生達も混乱していてな。とりあえず他の生徒には伏せてあるが、一番仲が良かったお前にだけは知らせておこうと思ってな。
もしかしたら警察から事情聴取の依頼があるかもしれんが、そのときは頼むな」
田村君が死んだ?
あまりの出来事に思考が追いつかなくてしばらくぼーっとしてしまう。
その間中島先生は何も言わずにじっと俺の目を見て俺の言葉を待っている。
「ちょっと待って下さい。事故じゃないんですよね?自殺ってことですか?
それって昨日のことが原因ってことですか?」
しばらくして我に返り、状況を整理しようと質問を矢継ぎ早にぶつける。
「そうだ。自殺に間違いない。遺書も見つかっているからな。
ただ、昨日のことが原因かどうかと聞かれると正直分からない。
遺書にには、ただ『勉強に疲れた』といった内容のことが書いてあったとしか聞いていない。直接見たわけではないが、ご両親の電話での説明では、どうもカンニングとかそういったことに関しては一切書かれていなかったみたいだな。
だからご両親も勉強に疲れただけで自殺するなんて、とすごく困惑されているご様子だった。
だが、書かれてはいなかったがタイミングがタイミングなだけに全く関係が無いとも言い切れないだろうな。今はご両親も困惑しているだろうから、その可能性があることについてはご両親には伏せてある。
だけど、先生としては昨日の今日の出来事だから、田村を支えることができなかった、自殺を止めることが出来なかったってすごく無念に思うよ」
先生は沈痛な面持ちで顔を背ける。




