大作RPGに割とある過去編⑮
後はまた、風呂に入ったという事実を作りにバスルームに行って入浴した。
明日に備えてもう眠ろう。
せっかく俺のために色々用意してくれたのにごめんなさい、母さん。
俺達のために一生懸命働いてくれているのにこんな過ごし方しかできなくてごめんなさい、父さん。
懺悔の気持ちが心の奥底からふつふつと湧き上がっては消えていく。きっと人生は、生きていくということは罪を重ねるということの相似形なのだろう。
『命は命であるというだけで罪なのです』
昔そんなことを言ったRPGゲームのボスキャラのことを思い出す。
様々な物思いに耽り俺は罪悪感を抱いたまま目を閉じるのだった。
翌日は大雨の一日だった。雨の音で目を覚ますと、昨日の出来事が夢だったらいいのにと一瞬考えたが、鮮明な記憶は消え去らず、現実そのものへと昇華される。
そして、いつもの習慣から学校へ行く準備を始める。
雨がひどいから、気分が乗らないから、風邪気味だから、昨日の出来事が尾を引いているから、いくらでも欠席する理由は見つかるのだが、俺も田村君と同じように親を心配させたくないという気持ちが優先され、欠席するという選択肢は排除されるのだった。
無理やり自分を鼓舞して着替え、食事をし、「今日はきっと昨日の反動でいい日になるはずだ」などと、根拠はないのに出来るだけ明るい気持ちで家を後にした。
本当は死ぬほど行きたくないし、できることならずっと家に居たい気持ちでいっぱいだったけど、何も知らずに俺のために色々世話を焼いてくれる家族の優しさを無駄にしたくはなかった。




