大作RPGに割とある過去編⑭
母さんが去った後もフラフラした頭でベッドで過ごしていると、いつの間にか寝てしまった。
ふと目を覚ます。気がつくと時計の針は10時を回っていた。
「とりあえずご飯食べなきゃな。母さんが心配するだろうし」
俺はベッドから這い出して、こそこそと階段を軋ませないように注意して2階から降り、1階のダイニングへと向かった。
1階に降りると、予想通り周りの部屋は全て薄暗闇に包まれていた。
父さんは今日も仕事遅いみたいだし、母さんはもうお風呂から出て、寝室で寝る前の韓流ドラマをまったりとみているだろうし、恵はどうせ自分の部屋で携帯で友達と電話でもしているのだろう。
まさに現代の個別主義の家庭だ。俺は一人でゆっくりと食事できることにほっとしながらも、こんな家庭に少し寂しさを感じていた。
本当は鬱陶しくても、もっと色々と何があったのか聞いてきて欲しいのかもしれない。そして、もっと俺に関心を持って欲しいのかもしれない。
ダイニングで一人寂しく残しておいてもらった夕食に手をつける。メインのコロッケがちゃんとカバーを掛けて置いてくれてある。きっとこのコロッケも母さんは俺が勉強を頑張れるように、栄養のバランスを考えて作ってくれたのだろう。
そんな夕食を俺はレンジで温めることなく、冷めた状態のままで口の中に掻き込んだ。
こんな暗い気持ちで食べる夕食は味も何もあったものでは無かった。
そんなことより、母さんが食事に手をつけなかったと心配することが無いように、ただ食べたという事実を作ったに過ぎない。
せっかく愛情を込めて作ってくれたはずのご飯が、こんな風に消化されていると考えると切なくって、また涙が出そうになる。




