大作RPGに割とある過去編⑫
背中に何か熱い物が走るのを感じる。
「何も言えないのかい斎藤君。先生が君の名前を出したってことは、もしかして君が今回の呼び出しの原因をつくったんじゃないのか?
この前話した時に、先生には言わないでねっていったのに!」
「ち、ちが……」
違うと言いかけて言葉を飲み込む。
昨日の出来事を思い出していた。
確かに田村君のカンニングのことは先生が元々知っていたことだから告げ口はしていないが、確証を持たせるきっかけになったのはやはり昨日の俺の発言が原因なのだろう。とすれば田村君の言うように原因を作ったのは俺なのだろうか?
やはりあの時、田村君のカンニングなんか知らないと言い張って、友達を守るべきだったんだろうか?
「そういうことかい。
やっぱり君が告げ口したんだね。最低だよ。斎藤君」
俺が否定出来ずに、田村君から目を逸らして考えあぐねているところへ、更に田村君が追い打ちをかけてくる。
否定したいけれども否定できない自分が居ることに気づき、言葉の代わりに涙がこぼれ落ちる。
「君のこと友達だと思って信頼していたのにがっかりだよ。僕はもう本当に全て終わりみたいだね」
カンニングという悪いことをしたのは田村君の方なのに、まるで俺が悪いことをして責められているかのように追い詰められる。
「ごめん田村君、俺本当にそんなつもりじゃなくて、田村君のこと……」
「じゃあどんなつもりだったっていうんだい! どうせどんなつもりだって、君のせいで僕が破滅するという事実には変わりはないんだろう!」




