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大作RPGに割とある過去編⑪

一緒に帰る、とは言ったものの教室を出てから校門を出るまで横に並んで歩いていただけで、二人の間に会話は一言も無かった。


何か喋ろうという気持ちと、学校内では誰かに話を聞かれるとまずいという気持ちがぶつかりあって、結局言葉は一言も口を出なかった。多分田村君も同じようなことを考えていたんだろうと思う。


校門を出てしばらく歩いたところで、ふいに田村君の方から口を開いた。


「どうやら俺完全に終わりみたいだ」


「終わり? 終わりってどういうこと?」


「君も知っているんだろう? もう気を使わなくていいよ。


……カンニングが完全にばれたってことさ。あーあこれからどうしよう。ふふふっ」


田村君は口では笑い声を出しているけれども、目は全く笑っておらず、血走った眼で恐怖すら感じられるものだった。


「終わりじゃなくて始まりだろ?


カンニングなんて後味の悪い物からは卒業して、新しい気持ちでこれからのことを考えようぜ!」


俺は努めて明るく田村君に提案した。


「そんな風に言葉を取り繕っても状況は変わらないよ。


今日中島先生に呼ばれたんだ。君も知っているんだろ?


先生言ってたよ、斎藤も心配してるって。だから今日に限って遅くまで残って僕が教室に戻ってくるのを待っていたんだろ?


 何? カンニングがばれた僕のことをざまあみろって嘲りたいの? 気持ちいいだろうね! もっと笑えよ! 斎藤君!」


充血した目に涙を溜めながら徐々に語気を強くして語る田村君を前に、圧倒され反応する言葉が出てこない。

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