大作RPGに割とある過去編②
初めは俺の気のせいだろうと思いもしたが、やっぱり気になって注意深く見ると、何度かしているのを目撃できた。おそらく常習なのだろう。
それが分かると俺は本当に思い悩んだ。
このまま何も言わないべきなのだろうか。
それとも本人に注意してやめさせるべきなのだろうか。
それでもやめなかったら先生に言うべきなのだろうか。
何度も何度も考えて自問自答して、いっぱいいっぱい悩んだ。人間こんなに考えられるのかってくらい悩んださ。
そして出した結論は本人と対話をすることだった。
父さんや母さんに相談することも考えないでは無かったが、本人を知らない人が何かを言ったところで参考にはならないだろう。無責任な発言をいくら聞いた所で何の足しにもならない。
ある日の放課後、俺は田村君に話があると告げ、教室に残るように言った。
授業が終わり、一人、また一人と教室をあとにしていく中、俺と田村君は離れた席でお互いのことに干渉し合うことなく黙々と教科書を開いて自主勉強を続けていた。
最後の一人が教室を後にするのを確認して、俺は教科書を閉じ、田村君の席まで行って前の席に座った。
田村君は俺が来たことが分かったようだが、顔は伏したままで俺の顔を見ようとはしなかった。
おそらく俺のここ最近の言動の異変からカンニングのことを知られたことを感づいているのだろう。
「知ってしまったんだね」
田村君は顔を伏し、教科書を凝視したまま
の姿勢でそう言った。
「あーあ。ばれちゃったか。
もう少し上手くできてるつもりだったんだけどなぁ」




