表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/62

大作RPGに割とある過去編①

あれは高校2年の時、俺は人生の価値観を見失っていた。きっかけは些細なことで、ただ、正しいことをしただけだった。


 当時17才の俺は父さんや母さんの言い付け通り勉強をして良い大学に入り、良い会社に入ることを人生の成功だと信じていた。


 これでも当時は自分で言うのもなんだが、かなり頭の良い方だったと思う。


東大は無理でも、このまま勉強を続ければ旧帝大クラス、少なくとも有名私大には入れる学力をもっていた。


俺もそのつもりでただひたすらに勉強することに疑問を持たず、学校や塾の先生が教える知識をただひたすらに頭に詰め込んでいった。


元来勉強をすることは嫌いではなかった。


勉強をすると疲れるが、知識が増えることはレベルアップしているみたいで楽しかったし、ペーパーテストで点数化される数字が周りのクラスメートに勝っていることは、アクションゲームで雑魚を蹴散らしているみたいで爽快だった。


もちろん俺より上のランクの連中がいる事実も知っていたが、それでも、上位クラスに位置することが優越感をもたらしてくれた。


あんなことになるまでは……


 俺にも少なかったが何人か友達がいた。


中でも田村君とは中学の時からずっと一緒のクラスで、勉強もかなりでき、なんとなく馬があった。小柄な体格で、自分で切ったように切りそろえられた前髪やつぶらな瞳が愛嬌があって好きだった。


話す内容は勉強のこと、授業のこと、塾のこと、親のこと、たわいのないことがほとんどだったが、同じような苦労をしていることを共有できてうれしかった。


でも俺はある時気づいてしまった。田村君がテスト中にカンニングをしていることに。


俺は思い悩んだ。カンニングをすることはそれまでの俺の中で万引きをすることや、暴行をすることと同じくらいの悪だった。


完璧主義者に教育された俺はもちろんそんなことしたことないし、話に聞くのも嫌なくらいに嫌悪の対象だった。そのカンニングをこともあろうに俺の一番仲の良い田村君がしているなんて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ