英雄の薬⑤
「そう……そういうことになります。数時間前までは……
でも今は……フリーターですかね?」
俺は今置かれた状況を加味した上で説明した。
…
あははははっ
朝霧さんが唐突に、可笑しそうに声を出して笑いだしたので、少しびっくりした。
「何それ。どうゆうこと?
ニートなのフリーターなの? どっちよ。
斎藤課長といい、一真君といい面白い人達ね。
一体君達に何が起こっているの?」
朝霧さんは可笑しそうに笑いをこらえながら問いかける。
「それが僕にもよく分からないんです。
父さんはネトゲ廃人になるって言うし、母さんと妹は居なくなるし、コンビニに行ったら採用されるしで、本当に何が何か頭が回らないんです。
朝霧さん! 助けて下さい!」
俺は今まで溜まりに溜まっていた鬱憤を全てぶちまけるように、一気にまくし立てて言った。
朝霧さんにも俺の必死さが伝わったのか、真面目な顔に戻り、
「分かったわ。
話は良く分からないけど、今一真君の身に大変なことが起こっていて、
困っているようね。
私にできることなら力になるから、一から順を追って話してみて」
俺は半泣きになりながら、昨日から今日にかけて自分に起ったことを、さっき店長に説明したようにゆっくりと説明した。
さすがに2回目ということもあり、さっきよりも上手に説明ができたように思う。
朝霧さんは説明を聞くに従って、もともと大きかった目を更に大きくさせて、驚きの表情を見せながら
「うん、それで?」
など相槌を打ってくれた。
途中で質問なども挟まずに、とても話しやすかった。




