爆弾トゥモロー⑪
何も報酬が出ないのは物足りないが、経験値を少しは稼げたんじゃないか。この状況から抜け出すために必要な経験値。
そんな自虐的なことを考えながら、俺は現状に意識を戻すことにした。
今分かっていることをもう一度整理してみよう。さっきやってた探偵ゲームの経験が役に立つじゃないか。ゲームもたまには役に立つもんだ。
まず、今の電話とやり取りで分かったのは父さんは会社に行っていないってこと。
会社に行かずに今も部屋に鍵を掛けた状態でいる、即ち今の電話のやり取りもある程度の事は把握しているはずだ。
にもかかわらず一度も部屋から出てきて居ないところをみると、かなり事態は深刻なようだ。
昨日言っていた発言は何かの間違いではないみたいだ。
そして、もう一つの問題が母さんと恵のことだ。
これだけの騒動(電話だけだが)があっても姿を現さないところを見ると、こちらも何かあったと考えた方がいいだろう。
そう、きっと何かが……
そうだ。
手紙が電話の横に置いてあったはずだ。
あれは母さんの字だ。きっと何か重大な答えがあの中には記されているはずだ。
電話の対応に夢中ですっかり忘れていたことを思い出し、部屋に帰りかけていた身を翻して再び電話の前に戻る。
手紙には確かに母さんの字で「一真へ」と書いてあった。俺は今度こそ躊躇することなく手紙を開けた。




