爆弾トゥモロー⑨
「分かったわ……」
良かった。不承不承という感じだが、どうにか納得してくれたようだ。電話の相手は何か考えるように少し間を開けた。
「あたしは朝霧。朝霧祥子っていうの。
事務の仕事を主にしていて、斎藤課長とも付き合いは長い方だから、また緊急の連絡とかがある場合にはあたしから連絡することになると思う。
よろしくね。
他の家族の方にも伝えておいてくれると助かるんだけど、いいかしら。
一真君だっけ? 君も何かあった時にはあたしに連絡してね。
番号は会社でもいいし、掛けにくかったら携帯の方でも構わないから。番号は……」
会社の番号と朝霧さんの携帯の番号を聞き、俺は電話を切った。
切り際に朝霧さんは
「まったく、こういうことがあるから、斎藤課長も頑固にならずに携帯を持てばいいって言ってるのに。もう」
とぼやいていたので、代わりに俺が謝っておいた。朝霧さんも俺とは違う意味で大変な立場に立たされているようだ。本当に気の毒に思う。
長かった。
それにしても長かった。
時間にすれば5分程度のやり取りだったのだろうが、俺にしてみれば二時間くらい話した疲労感だ。辛い時間は長く感じるって言うけどあれ本当だな。
疑われている感じもあったけど、途中から俺が話やすいように砕けた話し方をしてくれてたし、朝霧さんは多分良い人なんだろう。
だから見透かされている気もするけど、頼りにしていい、そんな印象を短い会話の中で受けた。
まぁなんにしても長かったお使いクエストも終了だ。




