異世界に来てしまった夢じゃない
充実していた現代社会から
ふとした瞬間に異世界に
彼の新たなる生活が はじまる
どうしよう 心の整理
頭がついていかない パニックでもないが
どうして僕がここに来たのか
何かの試練 何かの罰
なんかした? 人生やらかしてたの
わからん 他人に迷惑をかけることなんて
…してるの?僕の知らないところで
誰かを傷つけていたのかも
だとしたら だとしても
罰すぎない?異世界って 異世界?
異世界じゃないんじゃね
そうだよ ここは日本 日本ののどかな田舎だよ
それでも転移? 移動したことに鳥肌なんだが
転移してるなら 異世界でもどちらでも良いが …よくなーい
食事はどうする あー冷蔵庫
食材どうしよー 録画予約したのに
もう無いの お漬物も食べれないのかぁー
こんな事だったら食べておきたかった
最後の晩餐
白いおにぎりに たくあん
目をつぶれば蘇る
ホクホク ムシャムシャ そして
パリポリ
もう食べれないんだなー
はぁー ん?
(下を見ると点滅を見付ける)
何だこれ?光ってるけど 触れるの
指を近づけてふれる 光が
(指で触ると転移前の空間に)
「今回 貴方は私達の手違いで
空間の歪みを修正しているのですが
その修正中に貴方の波長と共鳴したのか
貴方を引き寄せてしまいまして」
「貴方が望む道を歩ませてあげたいのですが
少し複雑に絡み合ってしまいまして
解くには一方の問題を解決する方が
やりやすく 貴方にお願いするのは申し訳ないのですが
聞いて頂けましたら 聞いてくださいますか」
「一つはですね 異世界に行って頂き
魔王を討伐して頂く道」
「もう一つは 情勢が安定しない世界で
国の争いをおさめ 平和をもたらす」
「最後に 三つ目は 暗黒ではないが
平穏でもなく 人は希望を失いかけている そんな世界」
「私としては魔王討伐や情勢安定を選んでくださると
とても絡み合ったものも 解きやすいのですが
選ぶのは貴方ですから 私は言える立場ではないのですが」
魔王討伐?情勢安定? 現代社会で 平和の世界で
生きてきた僕が勇者的な事をするの
勇者的な存在でもないし えっなに いきなり魔王
徐々クリ魔王?絶対経験を積み魔王に挑むために 長い道のりを得て な が 無理無理 無理無理 無理だって
ひ弱な僕が勇者なんて とんでもない
平凡が好きな僕はモブですよ 主役なんて
もう一つの国間の争い 戦争ですか 戦争ですね
無理無理 無理無理 人と争うなんて
目立ちたくも 嫉妬や嫉みなんて もたれたくないし
もちたくない平和に生きたい 生きたかったのに
とんでもないことになったなぁ
んー3番目が良いかなぁ のんびり世界をゆっくり進んで
世界の縺れを解いてくれれば …それで良いのか
僕の道は待っているだけの そんな人間でいいのか
いや 良いはずそれで良いのだ僕は平凡に暮らして
生きていこうよ 人の生き死にを 人の人生を左右するなんて出来ないよ
「あのー3番目でお願いします」
「… わかりました貴方の意見承りました 貴方の選択を尊重します」
「…貴方がお持ちになっている その そちらから不思議な匂いがしますが」
ん? あれ?
お弁当も転移してるの どういうシステムなんだ
何でもありだな
他にも何かあったでしょ なぜにこれが?
「あのーこれは お弁当です」
「…お弁当とな 見せてくださいますか?」
見たい?見たいのか?人の食べ物なんて興味があるのか?
あーでも日本では お供え物もあるし そういう感じか?
「あーはい わかりました どうぞご覧ください
おむすびにからあげ 卵焼き タコさんウィンナーです」
「ほーこれは食べ物かな?」
「はぁー はい 食べ物です お食べになりますか?」
てか賞味期限って今いつなんだろ 腐ってはなさそうだけど
毒味ではないが 味見しておいた方が良さそうだけど
「責任は取れませんが お食べになりたいのであれば
どうぞ召しあがりくださいませ」
「…美味しい 人はこのようなものを食しているのですね
なんとも羨ましい」
なんだか気に入って頂けたようで 腐ってはいないようだ
「お弁当の代わりというのもなんですが 貴方にいくつかプレゼントを贈りましょう 何か希望はありますか」
お弁当の代わりプレゼント 海老で鯛か?
まあー知らない土地に行くのだから準備は必要だから
貰えるものがあるなら嬉しいけど いざとなると
出ないもので 異世界だからなあー やっぱり
水に食料なのか? 衣食住って言うし 食事は大事
着る物? 世界観がわからないから浮くのも嫌だし
寒かったら凍えそうだし
住む場所だって動物とかもいるのかなあ?肉食獣とか
今まで考えたこと無かったけど安全に守られていたんだよね