表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何もない私がすべてを手にするまで  作者: ちゃんちゃん
38/38

タイトル未定2026/02/06 07:58

ノエルの光が剣の形を成した瞬間、地下室全体の空気が震えた。


まるで長い眠りから覚めた“何か”が、ルナマリヤの決意に呼応したかのように。


お父さんはその光を見て、わずかに目を細める。


怒りでも嘲笑でもない、どこか懐かしさを含んだ表情だった。


「……それが、君の力か。」


ルナマリヤは剣を握りしめ、震える声で返す。


「これは……私が守りたいと思った人たちがくれた力よ。

あなたのためじゃない。あなたの望む未来のためでもない。」


お父さんはゆっくりと歩み寄り、魔法陣の中心に立つ。


その足元では、途切れていた紋様がルナマリヤの存在に反応し、じわりと光を帯びていく。


「ルナマリヤ。君はまだ理解していない。

私は“世界を救おうとしている”のだよ。」


「救う……? 私を殺してまで?」


「そうだ。」


お父さんの声は静かで、狂気すら感じさせないほど澄んでいた。


「この世界には、君が想像もできないほどの“災厄”が存在する。

そしてその災厄に、たった一人で立ち向かおうとしている者がいる。

私はその者を助けたい。

そのためには――君の血が必要なんだ。」


ルナマリヤは息を呑む。


その言葉は、彼女の心に深く刺さった。


「……それでも、私は死ねない。

私には……大切に思える人がいるから。」


その瞬間、ノエルの剣が強く輝き、ルナマリヤの背中を押すように風が吹いた。


《ルナマリヤ。大丈夫。君は一人じゃない。

僕はずっと、君のそばにいる。》


ルナマリヤは涙をこらえ、剣を構える。


「お父さん……私はあなたを止める。」


お父さんは静かに目を閉じ、そしてゆっくりと開いた。


その瞳は、かつて彼女が知っていた優しいものではなかった。


「ならば――証明してみせなさい。

“王の血”が、ただの少女の意地に屈しないことを。」


魔法陣が爆ぜるように光を放ち、地下室全体が震えた。


結界の向こうでは、グストアンが番人と激しく刃を交えている。


そして、ルナマリヤと“お父さん”の戦いが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ