始まりの日
私の名前はルナマリヤ・サウザント、私には両親はおらず物心つく前からこの養護施設で育っている、私の容姿はみんなと違っている。
血のように赤い髪、雲一つない透き通る青い瞳、すべてを飲み込んでしまいそうな真っ黒な瞳、
背中にある羽のような痣これらのせいで私は学校で嫌われ虐められつらい日々を過ごしている。
だから私は学校が嫌いだ、
いつものように学校へ行き授業を受け授業が終わると女生徒が近づいてきた彼女の名前は佐藤弘美、
この学校で女王の様な生徒だが彼女が私の方に近づいてきた。
「ルナマリヤさん貴方男に色目を使わないでくれる!!」
唐突な意味の分からないことを言われ私は驚いた、
「どうしたの?わ私はそんなの使ってないよ...」
その時バチン
音でクラス中が静まり返った、
「私の男が貴方に興味を持ってるのよ、どうせ体でも使って誘ったんでしょ、汚らわしい」
私は身に覚えの無いことで叩かれ教室で恥をかかされたいつもの事だけれど、とれも心が苦しくなる、
日々の虐めの積み重ねで今にでも死んでしまいたいと思うほどに、そう思っている最中、彼女が去る時に私に言った「昼食の時間校舎裏にきて」と行きたくないでも行かないと虐めがさらにひどくなる、前に一度無視をして帰った事がありその時は私を育ててくれた施設のおばあちゃんに酷い悪戯をされおばあちゃんは入院することになった、それ以来私は虐めてくる相手の呼び出しなどを無視することができなくなった。
昼食の時間になり校舎裏に行くと佐藤弘美と彼女の取り巻きの様な連中がたくさんいた、私は呼び出した用件を聞いた
「なんで私をこんな場所に呼んだの...?」
すると彼女たちは笑いながら言った。
「そんなの貴方が気に食わないからに決まってんでしょ!!そんな気持ち悪い容姿をして教室にいて目障りなんだよ!!」
彼女がしゃべり終わった瞬間取り巻き立ちが私の事を殴り始めた、私は抵抗せずただ体を丸めこの虐めを耐えることしかできなかった、私への暴行が終わるころには私の意識は気絶していた気づくとそこは保健室だった、だれかが運んでくれたのだろうと私は思いまだこの学校に私への僅かな良心があることに嬉しく涙がこぼれた、この学校は生徒だけではなく教師までが私の事を虐めているからだ。
私は目が覚め急いで教室の前まで行くと教室がとても静かで授業をしているようには感じなかった、
恐る恐る入ってみるとそこには、全身真っ黒のスーツを纏った大人達が教卓の前に立っていた。
私も素早く自分の席に座り何が始まるのか待っているとスーツの集団のリーダ格らしき人が動き出した、そのリーダらしき人物はとても身長が高く髪は黒く背筋は正されその人を見ていると偉い人に使える執事を連想させる素敵な人だ、そんな事を考えているとコツ、コツと音を鳴らし私を見ながら私の方向にゆっくりと歩んできた。
私の前に止まり私の手を取り私の手の甲にキスをした、突然のことで私は何も反応できず一瞬だがあまりの驚きに思考が止まってしまった、それはクラス中のみんなが同じでしばらくすると先ほどとは比べ物にならないぐらいに教室が騒がしくなった。
私は思考を取り戻し驚きながらも何故自分にこんなことをしたのか尋ねたすると彼は言った
「あなた様に使えるため我々はあなた様と契約を結ぶ必要があります」と...
意味が分からなかった何故こんな見ず知らずの人に使えるなど、私はそもそもこの人たちをしらない、
そんな事を考えていると佐藤弘美が口を開けた。
「貴方の様な素敵な人がなんでこんな君の悪い人に使えるなんてなぜそんなこと言うの?もしかして騙されて弱みでも握られましたか?」
するとクラス中からクス、クスと笑う声が聞こえた、また身に覚えの無いことで人に笑われるんだと
私の心はギュっッと締め付けられた、男は喋りだした。
「この方はスティリア国を治めるサウザント家の一人娘ルナマリヤ・サウザントであるお前らのような下賤な輩にはこの方の高貴さなど分らんだろうがな、そういえばこの方が校舎裏で倒れているところを発見したのだが事と次第ではただでは許されないぞ」
彼が発言した後、佐藤弘美が直ぐに喋りだした。
「その女が気を失うまで、殴り続けたのは彼女たちよ」
佐藤弘美が自分の周りにいた取り巻き立ちに自分の罪まで擦り付けたのだ、だが彼女たちは何も反論ができないなぜならば佐藤弘美の実家がこの都市屈指の事業家だからだ彼女の実家の影響は計り知れなく怒らせれば次の日には怒らせて家族が行方不明になったなど悪い噂はたくさんある。
だからこの学校の生徒、教師、校長までもが彼女に逆らえないのだそんな事も知らないだろうこの男にクラスのみんなが哀れに思った、そのことを佐藤弘美本人が男に自分がどのような存在か教えると男はため息を吐きめんどくさそうにポケットから携帯を取り電話をかけ始めた。
「もしもし私だが今から言う人物の調査、それからその裏に怪しい組織、犯罪に手を染めてないか調べろ、もし黒の場合消しても構わん5分以内に終わらせろ、それからルナマリヤ様を見つけた例のものを手配しろ」電話が切れた、みな意味の分からない事を言う男に馬鹿など思っていると、
しばらくして佐藤弘美の携帯に一本の電話が来た
「もしもしお父さんどうしたの?」
その電話からはとても大きな怒りの感情の声が聞こえた、その声に驚いた佐藤弘美はどうしたのか尋ねると謎の集団が佐藤弘美の父その関係者みんなが犯罪に手を染めていた証拠を持ち出してきたらしい、
そして父は終わりだ終わりだと騒いでいると途中から悲鳴のような声に変ったそれに驚いてしまい、
佐藤弘美急いで電話を切った、どうゆうことか男の胸倉を掴みながら聞くと答えた。
「これが今までお前らが行ってきた罪への代償だ」
「これからお前らには代償を払ってもらうそれは今までルナマリヤ・サウザント様に危害を加えたものにそれ相応の代償を払ってもらう」
その声はとても恐ろしくとても冷たい声だった。
みんながみた佐藤弘美の反応からしてただ事ではないと察した生徒達は一斉にルナマリヤにゴマを擦ってきた。
それを見てとても醜いと思った、それとは別に何か違う感情が私の中で込み上げてきた、だが私にはこれが何かわからない、だが今そんなことはどうでもいい、今はこの目の前に醜い存在達の対処だ、
私は勇気を振り絞り男に尋ねた。
「ねぇ、貴方さっき私に使えるとか言ったわよねそれって私のどんな命令も聞くってこと?もしそうなら命令するは私はここの人達に毎日虐め受けてきただからみんなにそれそう相応の代償を払わせなさいそして私をこの虐めのある所から連れ出して!!」
ルナマリヤは今まで生きてきて一番と言えるほど強く願った。
私が命令すると男は嬉しそうにその命令を承諾した。
「かしこまりましたご主人差」
「では今からお前らにはご主人様の命令通り代償を払ってもらう、その代償というのはお前らの命だ、
今からお前らには一人一つ武器を渡すこれらの武器を使い最後の一人になるまで殺しあえ、武器は何個かの種類あるから早い者勝ちだ、では今から300秒後殺し合いをしてもらうでは始め」
始めの合図で教室の真ん中何もない空間から謎の箱が出てきた、そこには斧、剣、銃まである、生徒達は急いで武器を取ったと思いきや何やらこそこそ喋っていたそんな事は気にせず教室のすみで喋る男と私。
「貴方、代償が殺し合いなんて聞いてないそもそも殺し合いなんかさせて警察が黙ってる訳ないでしょだから早く止めてじゃないと私をここから連れ出せないでしょ!!」
「安心してくださいルナマリヤ様この事に警察は関与できません、なぜならこの物達はもう直この世から存在しなくなるからです」
「どゆこと、そんなこと出来るはずないでしょ!!」
「今回の代償は殺し合いではなくこの物達の存在つまりこいつらの生きた証をもらうのです」
「生きた証?なにそれ」
「生きた証とは、簡単に言えばその人が生まれてから死ぬまでの行いの事を生きた証というのです、生きた証はその人が亡くなればこの星に自然に根付くのですが第三者に代償などで取られてしまうと星に根付けずこの星に生まれて来なかったと、この星が自動的に存在しなかった歴史に少しだけ改変するのです」
「これが代償であり、警察が関与できない理由ですよルナマリヤ様」
この話を聞いてもいまいち理解は出来なかったがこの人達が普通の人間ではない事は分かる。
「あんた達何者なの?」
とそんな事を話している間に時間は経過し殺し合いが始まるのかと思いきや生徒たちが開始と同時にこちらに向かって襲い掛かってきた、同然の考えだ自分たちで殺し合いするよりその元凶を殺した方が早いし被害が少ないと考えたんだろう、だがこの男は当然このような結果を予想していただろう、だからか男には余裕を感じれるとなんとなく感じれただが思っている結果は全く違う事が起きた。
一瞬だった男が腕を前に出し腕を横に振った瞬間生徒がみんな消えたそこには武器が落ちているだけだ
さっきもそうだ何もない空間から武器が出てきたりいったい何がどうなっている。
考えていたら男が喋りだした。
「大変失礼いたしました、まだ自己紹介がまだでしたね、私の名前はハウグストアン・ケイ・ルーン
と申します。サウザント家に使える執事の一人でありルナマリヤ様の教育係でもあります。
気軽にグストアンとお呼びください」
「ちなみにですが今目の前で人が消えた現象こそが生きた証を奪われた証拠です。」
「これを初めての授業としましょう」
「まだ命令を実行できていませんでしたねでは行きましょうか」
「どこに?」
「命令されたではございませんか連れ出してとだから行きましょう、ルナマリヤ様の生まれ故郷へ」
校舎をでてると門の前におとぎ話に出てくるような立派いやそんな言葉では収まらないほどの凄い馬車が門の外に立っていた、そこに案内され恐る恐る乗ると重力を感じさせないほどの座り心地、座ったのを確認して馬車を出発したしばらくして今までの緊張が解けたのか眠って閉まった。