表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくは、くま

作者: 土屋

ぼくは くま。こげ茶色の毛をしたちいさな子どものくま。


お母さんは、、お母さんはいなくなっちゃった。人間さんと喧嘩してそのまま。

ご飯を分けてもらおうと山から下りて人里で話しかけたら、人間さんはお母さんの姿に驚いて、おびえさせちゃったんだって。


その夜、「明日、謝りにいってくるよ」とお母さんは、ぼくを大きな体で包むように温めながら優しく語った。


お母さんのいない巣穴で、小さな体をもっと小さくして丸まって眠る日々。


ある日、ふしぎな夢をみた。

雲の上にいるんだ。きらきら輝く星の島が、ぷかぷかと雲の海に浮かんでいる。ぼくは、三日月のお月さまのボートで島から島へ冒険をする。


おいしい果物や、蜂蜜、お魚が島にはあって、とても楽しかった。でも、お母さんはどこにもいなかった。次の島にはいるかもしれない。


ゆらゆら、ゆらゆらと揺れるボートで、ぼくはお母さんが怖くて眠れないとき、揺らして寝かしつけてくれたことを思い出す。お母さん……


最後の島に、一匹の大人のくまがいた。


「ぼくのお母さんはどこ?」


震える声で尋ねる。大人のくまは、ぼくの目をまっすぐに見つめながら、こういった。


「君が今まで渡った星の海がお母さんだよ。お空に輝くおおぐま座になったんだ。いつでも、君を空から見守っていられるように」


「なんで?寂しいよ。お母さんと話したい。お母さんに抱きしめられたいよ」


「残念ながら、もうそれはできない。でも、また会えるよ。ぼくが君に会えたように」


そういって、微笑むと、くまは遠くに行ってしまった。



目が覚めた。ぼくは、まだ、胸にぽっかりと穴が開いてる。でも、夜に、夢の中でお月様の上で眠ると、お母さんのそばにいられる気がして、とても幸せなんだ。それに、いつも見守ってくれているから、頑張らなきゃ。


ぼくも、お母さんのような、立派なくまになるんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] クマさん、頑張れ!
2023/12/23 14:57 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ