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女の体を持つ男第五部  作者: toyocat
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第五十六章 亮太、テロリスト残党に気付く

ある日、亮太は総理大臣に呼び出された。

「陽子さん、今回のような危険な任務は今後も発生する可能性があります。警視総監とも相談して、今後、陽子さんに銃の携帯を許可する事にしました。今から警視庁捜査一課長を訪問して、銃の扱いについての説明と射撃訓練を受けて下さい。銃の携帯が可能かどうか、一課長が判断します。」と指示された。

その結果、銃の携帯が許可された。

銃を盗難などされると大変な事になる。

職場には警察のような銃の保管場所がなく、金庫も開けられるのは、亮太だけではないので休日も常時携帯していた。

泉が、亮太が銃の取り扱いに神経質になっている事に気付いて、今まで何度も発砲していると聞いた京都府警の広美に相談した。

広美は、「そうですか。初めて銃を持てば、責任感の強い人ほど神経質になるものよ。そう考えると、陽子さんは責任感が強いのね。そんな人ほど、いざとなれば銃を使用してもいいのかどうか迷うものよ。それでは私から一言だけ伝えておきます。銃を使用するのは人命を守る時だけです。銃を使用しなければ人命が失われる時だけであって、強盗犯などを威嚇する為には決して使用してはいけません。」と参考意見を伝えた。

その後広美は、「それと、陽子さんに伝えて頂きたいのですが、先日京都で逮捕したテロリストの春やっこが潜入する為に、熱海で芸者の修業をしていた事が判明しました。念のために、先日押収した資料を再度確認しましたが、熱海の事は記述されていませんでした。熱海にテロリストの基地がある可能性があり、熱海警察署に依頼して調べて頂いていますので、お耳に入れておきます。」と伝えた。

泉は広美からの伝言を亮太に伝えて、「広美さんは京都府警の刑事なので、熱海の事件に表立って動けない為に、娘の愛美さんの事が心配なのではないかしら。探偵の時のように、亮太に助けて貰いたいと、この件を亮太に伝えたような気がするわ。」と伝えた。

    **********

亮太は愛美に連絡して、「愛美ちゃん、先日京都で逮捕した芸者が熱海で修業していたらしいわ。熱海にテロリストが潜伏している可能性があると、お母さんが心配していたけれども大丈夫か?」と確認した。

愛美は、「可能性じゃなく、間違いなくテロリストは熱海にいるわ。先日熱海で検挙した拳銃取引の相手はテロリストだったわ。拳銃を売ろうとしていた花田組も、警察がくればマシンガンで警察官数名を射殺した事に驚いていたわ。」とテロリストが熱海にいると伝えた。

亮太は、マシンガンやライフルなどではなく、拳銃を大量に入手しようとしていた事から考えて、近距離から要人を襲う可能性があると考えていた。

    **********

その日帰宅した亮太は、「お父様、可能であれば、明日から防弾チョッキを着用して頂けませんか?お父様以外にも、各大臣など要人にも着用お願いしたいのですが、可能ですか?」と確認した。

政男が、「陽子さん、テロリスト達は壊滅したのではないのですか?」と不思議そうでした。

亮太は、「いいえ、残党がいる可能性があります。私が京都基地に警察と踏み込んだ時には、パソコンなどの記憶媒体は全て破壊されていて、紙の資料を燃やそうとしていました。紙の資料の殆どは回収できましたが、一部燃やされた資料がありました。その燃やされた資料に熱海の事が記述されていた可能性があります。芸者として潜入していたテロリストも、熱海で芸者の修業をしていた事が判明しました。今調査中ですが、熱海にテロリストの基地が残っている可能性があります。彼らは近距離用の銃を大量に入手しようとしていました。お父様、国会議事堂や総理官邸などに、掃除のおばちゃんなどの部外者を入れる時に厳しくチェックするように指示して下さい。お兄様やお姉様も、巻き添えで射殺される可能性がありますので充分注意して下さい。」と警告した。

治子は、「陽子さん、怖い事言わないでよ。でもニュースで、テロリストは完全に壊滅したと報道していたわよ。」と疑問に感じていた。

亮太は、「それは、国民を安心させてパニックを防ぐ為です。パニックになれば、その騒ぎに紛れていくらでも暗殺するチャンスがあるわよ。」と油断しないように警告した。

政男が、「でも、要人暗殺捜査本部は解散したと聞いたよ。」とまだ亮太の指摘が信用できない様子でした。

亮太が、「狙撃者も特定できない捜査本部と私と、どちらを信用するの?私はお父様を守りたいだけよ。」とテロリストに警戒している様子でした。

秋山総理大臣は、「治子も政男も私を殺すつもりか!陽子さんの指摘については対応します。」と亮太を信頼している様子でした。

    **********

翌日、秋山総理大臣の指示で、大臣などの要人には防弾チョッキを着用する事になり、業者の出入りも、ボディーチェックなど厳しくチェックする事になった。

マスコミは、ボディーチェックまでされたのはどういう事なのか各大臣にインタビューしていた。

秋山総理大臣は、「テロリストの基地を数か所壊滅させて油断しています。もし残党がいれば危険です。あくまでも念の為です。」とマスコミに答えていた。

奥山財務大臣が、「私の知り合いが解散した要人暗殺捜査本部に所属していて、テロリストは完全に壊滅したので解散したと聞いた。総理大臣の第三秘書かなにか知らないが、偶然狙撃者を特定できて天狗になっているのではないのか?人騒がせな女だな!娘の事しか信じない、あんな人物に総理大臣を任せても大丈夫か?」と批判していると、突然暴走車が突っ込んできて、後部座席から、銃を数発発砲して、逃走した。

奥山財務大臣は、防弾チョッキを着用していなかった為に、心臓には命中しませんでしたが、銃弾が肺を貫通して、呼吸ができない!と大量喀血しながら、亮太の事を信用しなかった事を後悔して死を覚悟しながらその場に倒れた。

救急車で搬送されたが、出血多量で意識不明の重体でした。

近くにいた、他の政治家は防弾チョッキを着用していた為に軽傷でした。

    **********

秋山総理大臣は、奥山財務大臣のインタビューを見て、「私が防弾チョッキを着用するように警告しても、私の秘書が天狗になっているだなんていいながら信用しないからこんな事になるんだ。私の秘書がテロリストは壊滅していないと判断したのは、それだけの理由があるからだ。決して勘などではない。」とマスコミにコメントした。

その後、秋山総理大臣は警視総監に、「天狗になっているだなんていいながら、私の秘書の調査を信用しなかった刑事は、先日、狙撃者の事を信用しなかった刑事か!どこが優秀な刑事だ!その刑事のミスで、要人が二人も死にかけたじゃないか!何度失敗したら、気が済むんだ!左遷したのに反省が足りない!そんな刑事に捜査は任せられない。交番巡査に格下げして一からやり直させろ!それに不服なら解雇しろ!」と奥山財務大臣が重傷を負い激怒していた。

    **********

マスコミは、「救いの女神さまの警告を無視した奥山財務大臣に、女神さまの天罰が下る。」とテロリストは壊滅していないと報道した。

秋山総理大臣は帰宅後、亮太に、「私の力不足で、奥山財務大臣に防弾チョッキを着用させられなくて、折角の陽子さんの警告を無駄にしてしまいました。しかし、この一件で、私に従っていれば間違いないと、私の支持率も上昇している。陽子さん、今後とも色々と助けて下さい。」と亮太を頼りにしている様子でした。

治子も、「本当に陽子さんの指摘通りだったわ。あの時、私も近くにいてテロリストの銃弾が、私の横を掠めて、腰を抜かしたわ。しばらく立てなかったのよ。陽子さんの警告通り注意していたので暴走車に気付いて、咄嗟に避けたので助かったわ。そうでなければ陽子さんの指摘通り、巻き添えで死んでいたかもしれないわ。」と亮太に感謝していた。

    **********

翌日、愛美から電話があり、「テロリストの基地を発見して壊滅させましたが、機動隊と警官隊が到着するまで張り込みしていた刑事によると、車に三人乗り込み基地を出たそうです。調査すると一号線を西に向かっている事が判明しました。どこか西の方で、大臣の講演などの予定はないですか?」と確認した。

亮太は、「ちょっと待ってね。」とパソコンで確認していた。

その後亮太は、「愛美ちゃん、浜松で森岡環境大臣が、明日講演予定です。」と返答した。

亮太は、森岡環境大臣に事情を説明して、講演を中止にできないか確認した。

森岡環境大臣は、「テロに屈したくない。講演は予定通りだ。警察の護衛を信頼している。」と講演は変更したくない様子でした。

亮太は隆一に事情を説明して、移動も含めて対応するように依頼した。

隆一は、「先ほど、熱海警察署から警視庁に正式に依頼があり、浜松警察署と協力して護衛する事になりました。」と亮太を安心させた。

森岡環境大臣に依頼して、移動は防弾ガラスの車で移動して頂き、講演場所を狙撃可能な場所には、警察官数名を配置して万全の態勢で臨んだ。

講演を聞きに来る客に紛れている可能性もあり、講演場所にも、警察官数名配置した。

    **********

亮太は、テロリストが入手していた銃から、狙撃ではなく近距離から狙撃すると判断して、以前逮捕した狙撃者が美人CAだった為に、司会の美人女子アナウンサー、高坂秀美に注目していて、いざという時にはいつでも銃を発砲可能な体制でいた。

秀美が、講演の主旨などを説明して、「それでは森岡環境大臣、お願いします。」と紹介して、森岡環境大臣が壇上にいる秀美に近づいた瞬間、秀美が右手を懐に入れた。

亮太は、「まさか!」と焦って銃を取り出したと同時に、秀美が、「死ね!」と銃を森岡環境大臣に向けた。

森岡環境大臣は、腰を抜かして、護衛の警察官達は、えっ!?まさか、阻止できないと焦った瞬間、亮太が銃で秀美の肩を撃ちぬき、秀美が倒れると同時に引き金を引き、弾丸は天井の照明に命中して、落下した破片で、数名軽傷を負いましたが、暗殺は阻止できた。

仲間のテロリストが同時に飛びだしたが、護衛の警察官に秀美ともども逮捕された。

森岡環境大臣は、腰を抜かしたが、少し落ち着くと亮太に感謝していた。

この講演にはマスコミも来ていて、テロリスト逮捕の一部始終を撮影していて、何度もテレビニュースで流れていた。

    **********

講演も無事に終わり、帰宅した亮太に秋山総理大臣は、「陽子さんに銃を携帯させたのは正解でした。暗殺を阻止して頂いてありがとう。」と亮太に感謝していた。

治子は、「何故、あんな近くにいたの?最初から彼女が怪しいと思っていたの?」と不思議そうでした。

亮太は、「怪しい人物は警察がマークしていた。テロリストが大量に入手しようとしていたのは近距離用の銃でしたので、既に数丁入手している可能性を考えて、私は怪しくない人物で、森岡環境大臣に接近しても不信ではない人物を警戒していた。先日逮捕した狙撃者は美人CAだったわ。だから、司会者は美人女子アナウンサーだったので、彼女に警戒していたらビンゴだったわ。彼女が懐に手を入れた時に、まさかとは思い、私も銃を取り出して安全装置を外したのよ。懐に手を入れただけでは何もできない。彼女が銃を取り出した時に飛びかかっても間に合わないと判断して、彼女を銃で撃った。」と説明した。


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