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女の体を持つ男第五部  作者: toyocat
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第五十五章 亮太、テロリストと争う

亮太は、「廃工場に入っていったわ。私は京都の地理に詳しくない為に場所がわからない。私のスマホのGPSを検索して。」と連絡した。

広美は、「了解。すぐに応援に向かうので、そのままそこで待機して下さい。」と指示して、警官隊の他に、機動隊にも出動要請して、相手はテロリストの可能性が高い為に、機動隊の装甲車も出動させた。

機動隊が廃工場を取り囲んで、広美が投降するようにスピーカーで呼び掛けた。

マシンガンで攻撃してきた為に、広美は、機動隊隊長に制圧するように指示した。

機動隊隊長は、装甲車を前面に押し出して、そのあとから機動隊員が接近した。

やがて、広美はテロリスト全員を逮捕して、廃工場から各種資料を押収して分析した。

機動隊が出動した事にマスコミが気付いて、その様子を撮影していた。

マスコミは、「京都府警の鬼軍曹、テロリストの京都基地を制圧する。」と報道して、機動隊の装甲車が、テロリストのマシンガン攻撃の中、基地に突入する様子を動画で流していた。

    **********

押収した資料を分析した結果、テロリストの本部はアメリカにある事が判明し、資料と共にアメリカ政府に、テロリスト壊滅を依頼した。

全世界の支部も判明した為に、テロリストの対応を各国に依頼した。

日本でも、テロリストの日本支部が大阪にあると判明し、大阪府警に対応依頼した。

マスコミは、「テロリストの京都基地を、京都府警の鬼軍曹が壊滅させ、資料から全容を掴んで、今回のテロリストは壊滅しました。その切欠は、秋山総理大臣直属の第三秘書の秋山陽子さんが、要人暗殺捜査本部も特定できなかった狙撃者を特定して逮捕した事です。秋山陽子さんは日本の、いや、世界の救いの女神です。」と報道した。

    **********

秋山総理大臣が帰宅後、「ありがとう陽子さん、これで私も枕を高くして眠れるよ。要人暗殺捜査本部に任せずに、陽子さんにも捜査するように指示したのは正解だったよ。陽子さんは、私の自慢の娘だ。」と亮太に感謝していた。

治子が、「でも、要人暗殺捜査本部も全く特定できなかったのでしょう?何故陽子さんは特定できたの?」と不思議そうでした。

亮太は、「世界各国を飛び回るのは、乗客だけではないわ。パイロットやCAもそうよ。私はそこに注目して、それぞれの勤務状況を調べると、該当者はCAの房子さんただ一人でした。調べると、房子さんは学生時代、射撃部に所属していたので房子さんをマークしているとビンゴだったわ。それを要人暗殺捜査本部に伝えても、房子さんは捜査線上に浮上していないと相手にされなかったわ。すでに房子さんはライフルを構えて、狙撃の準備をしていたので口論している時間がないと判断したのよ。私は武器を持っていないので隆一さんにお願いしたのよ。房子さんが狙撃する前に隆一さんが到着してホッとしました。」と説明した。

政男は、「普通、世界を飛び回っているとすれば、乗客を調べるよな。まさか、やさしいイメージのCAだったとはね。陽子さんは柔軟な発想ができるのですね。」と感心していた。

亮太が、「それでマスコミが日に何度もきて苦労しているよ。」とうんざりしている様子でした。

秋山総理大臣は、「陽子さん、大手柄をたてたんだ。しばらくゆっくりしていればいいよ。マスコミが目触りだったら、泉さんと旅行でもすればどうですか?二人に明日から、一週間特別休暇を与えます。」と亮太にも休息が必要だと思っていた。

    **********

食後、部屋に戻って亮太は、「泉、この時期に休暇は皆も難しいだろうから、二人でゆっくりと温泉にでも行こうよ。」と提案した。

泉も了承して、泊りなので着替えなどの荷物もあるため、バイクではなく車で温泉旅行に出かけた。

熱海で温泉に浸かりながら、「亮太、熱海とは近くの温泉にしたのね。もっと遠くでも良かったのではないの?」と確認した。

亮太は、「今回の温泉旅行は急に決まったので、湯布院など有名な温泉はどこもかしこも満室でした。熱海には知り合いがいるので頼んだ。それと、友彦のように、昔の携帯で連絡していた親友、岸田泰三が結婚してこの近くに住んでいるらしい。その親友から、女房がやくざに絡まれていて、警察に相談しても民事不介入で困っていると相談された。テロリストを壊滅させた、総理大臣直属の第三秘書の秋山陽子さんが相談にのってくれると伝えた。明日の朝、このホテルにくるよ。泉も会うか?」と熱海にした理由を説明した。

泉は、「そういえば、亮太は岸田さんとも仲がよかったわね。変なごたごたに巻き込まれたくないので会うのは遠慮しておくわ。折角、二人でのんびりとできると思っていたのに。」と不愉快そうでした。

亮太は、「私が知り合いの地元の刑事に連絡すると対応してくれるとの事でしたので、新米刑事を紹介するだけだよ。その上司は研修の一環として許可したそうだ。」と説明した。

    **********

翌日フロントから、「岸田泰三さんが秋山さんに面会を求めてきました。」と連絡があった。

亮太はフロントに行き、泰三に声を掛けた。

泰三は、「よく、私だとわかりましたね。」と不思議そうでした。

亮太は、俺は泰三を知らない事になっていたんだと焦っていた。

色々と考えて、「友彦から顔写真を見せられていたのでわかりました。私が地元警察と交渉して、女性刑事が対応してくれます。」と安心させた。

一緒にきていた泰三の妻は、「私が警察に何度依頼しても駄目でしたが、さすが、総理大臣直属の秘書ですね。」と感心していた。

    **********

そこへ、予め連絡していた女性刑事が先輩刑事とホテルに来た。

亮太は、「愛美ちゃん、ここだよ。」と手をあげて合図した。

亮太は、「対応してくれる刑事さんだ。」と紹介した。

愛美は警察手帳を提示し、「熱海警察署の高木愛美です。」と自己紹介した。

亮太は泰三に、「奥さんの件は、高木刑事が対応してくれます。それじゃ、愛美ちゃん、後はお願いします。」とその場を離れて、泉が待つホテルの自室に戻った。

先輩刑事が愛美に、「しかし、高木君、凄い人と知り合いなのですね。どのような知り合いですか?」と確認した。

愛美は、「陽子さんは、私の命の恩人です。私が高校生の頃、数人の不良グループに拉致されて殺されそうになったのですが、京都旅行に来ていた陽子さんが気付いて、バイクで追跡して警察に通報してくれたのよ。その後、大学は東京に進学した私は学生時代、探偵事務所で探偵のアルバイトをしていて、そこの先輩探偵が陽子さんで、私は陽子さんから、直接手ほどきを受けました。岸田さんの親友の亮太さんと陽子さんは、切っても切れない縁なので、陽子さんが私に依頼してきました。上司に相談して私が対応する事になりましたので、奥さんの事は私に任せて下さい。」と初仕事に張切っていた。

先輩刑事は、「えっ?優秀な刑事を集めて結成した、要人暗殺捜査本部も特定できなかった狙撃者を特定した秋山陽子さんから、直接手ほどきを受けたのか?同期の刑事の中でも、君の成績が優秀なのはその為か。」と納得していた。

    **********

愛美は絡んでいるやくざを特定して問い詰めたが、詳しい事は何も知らず、組長の指示だと繰り返すだけでした。

愛美は上司に、「絡んでいるやくざ者を特定しましたが、ただ、絡んでいただけではなく、花田組組長の指示だそうです。」と報告した。

上司は何か心当たりがあるようで、「花田組?絡まれる場所は決まっているのか?」と確認した。

場所を聞いた上司は、「そうか。近い日に拳銃の取引があるとの情報を入手したが、彼らも警戒している様子で場所が特定できない。彼女がよく絡まれる場所の近くの可能性が高い。近づかないように絡んでいたのだろう。それだけ神経質になっているのは、大がかりな取引か大物が絡んでいるかのどちらかだな。理由は伝えられないので、しばらく彼女と行動を共にしろ。拳銃取引の件はこちらで対処する。」と愛美に指示した。

    **********

愛美は絡まれている奥さんに、「絡んでいる人物を特定しました。何か理由があるのか私の仲間が捜査中です。その間、私が奥さんを護衛する事になりました。」と説明すると、奥さんも安心して愛美と行動を共にしていた。

その数日後、熱海警察署が拳銃取引現場を押さえて関係者を逮捕した。

事件は解決して、泰三の奥さんも、やくざに絡まれる事もなくなりホッとしていた。

泰三は亮太にメールして感謝していた。

その後、泰三は、「しかし、亮太、お前、秋山陽子さんのような凄い人と、どこで知り合ったのだ?」と不思議そうでした。

亮太は、「秋山陽子さんは、総理大臣の秘書になる前は、友彦の探偵事務所で探偵のアルバイトをしていて、愛美ちゃんも、そこで探偵のアルバイトをしていたよ。」と論点をぼかした。

泰三は週末、友彦の探偵事務所を訪れて、亮太からのメールを見せて、「亮太と陽子さんは、どんな関係なのだ?」と問い詰めた。

困った友彦は、亮太に電話して、「おい、亮太、こんな話を俺に振るなよ。お前からちゃんと説明しろよ。」と怒っていた。

亮太は、「そんなつもりはなかった。適当に誤魔化しただけだ。まさかお前の所に行くとはな。説明に困ったら、総理官邸の第三秘書室まで来いと伝えろ。」と泰三がそこまで気にしているとは思ってもみませんでした。

    **********

泰三は、総理大臣の秘書に説明を依頼するほど、ややこしい関係なのか気になり、説明を聞きにいく事にした。

週末、亮太は総理官邸の第三秘書室で職務中、受付から内線電話があった。

「受付ですが、岸田泰三という人物が面会を求めて来ましたが、どうされますか?」

「会いますので、第三秘書室に案内して下さい。」と指示した。

亮太は、「白石亮太は、交通事故で・・」と説明を始めて、「それで、白石亮太は、現在、秋山陽子と名乗っています。」と説明して、泰三の前で、化粧を落として、「俺だよ。気付かなかったのか?冷たいやつだな。」と正体を教えた。

泰三は、「嘘だろう。」と信じられない様子でした。

亮太は、「本当だよ。お前、ストーカーしていた女が気の強い女で、ビンタされて呆然としていたじゃないか。ごちゃごちゃ抜かすと奥さんにばらすぞ。」と亮太しか知らない秘密を暴露されて、半信半疑でしたが、信じてもいいかな?と感じている様子でした。


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