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女の体を持つ男第五部  作者: toyocat
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第五十八章 亮子、テロリストから狙われる

ある日、亮子が下校途中、誘拐されようとしている事に、亮子の悲鳴で気付いた警ら中の警察官が駆け寄り、犯人が焦った瞬間、亮子が犯人の腕に噛みついて、亮子を離した一瞬のスキに逃げ出して、警察官に助けを求めた。

犯人は、警察官の制止を振り切って逃走した為に、警察無線で誘拐未遂事件発生と、子供は無事な事、犯人の車の車種、色、車両番号、逃走方向と共に緊急連絡した。

やがてパトカーに発見されて、警察に追い詰められてパトカー数台に囲まれた犯人は、車を乗り捨てて近くのビルに逃げ込み、ビルの屋上から飛び降り自殺した。

車は盗難車で、犯人は自殺した為にその背景などは不明ですが、テロリスト集団の首謀者が特定できていない為に、テロリスト集団を壊滅に追い詰めた亮太の動きを封じて、再度テロリスト集団結成を企んでいる可能性があるとして、亮子と亮太と泉は警察が護衛する事になった。

    **********

亮子の登下校には拳銃を携帯している亮太も同行する事になった。

親子なので、亮太と亮子が一緒に登下校し、その前後を私服警察官数名が警戒していた。

数か月間、特に問題がなかった為に、護衛の警察官の人数が減り、半年後には護衛も解除された。

亮太は、亮子の護衛だけでも続行してほしいと警察と交渉したが、亮子の護衛も解除された。

亮太は帰宅後、夕食時に雑談しながら亮子の護衛の話をしていた。

「古田友二の時と同じじゃないか!こうなることを想定して、亮子の近くにいる人物を秘書に尾行させておいて正解だったな。」と一人で納得していた。

泉は、「亮子ちゃんの近くに同じ人物がいれば怪しいの?通勤は同じルートだと思うから、何人もいるでしょう。」と亮太が何を考えているのか納得できない様子でした。

亮太は、「護衛が解除されたかどうか確認するのは、同じ人物だとは限らないよ。だから、亮子の近くにいる人物を尾行させた。その結果、数人は同じビルの同じ部屋に入っていったよ。俺は秘書とともに亮子の護衛があるから、泉、その部屋を借りている人物や賃貸借契約書や支払いについて調べて。」と泉に依頼した。

秋山総理大臣は、「警察は、もう大丈夫だと言っていましたが、さすが陽子さん、鋭いですね。その結果次第で、私が警察を動かします。」と感心していた。

亮太は、「親が同伴していれば襲ってこないのは当然だ。だから近くにいる人物に注目していた。警察も何を考えているのだ?」と不満そうでした。

    **********

数日後、泉が夕食時、「亮太、例のマンションの部屋の事だけれども、先ほど私の秘書から報告がありました。亮太は直帰になっていたので後で連絡する事にしました。あの部屋は流星会が借りていたわ。隆一さんに確認すると、全国にネットワークをもつやくざだったわ。」と亮太に報告した。

秋山総理大臣は、「わかりました。亮子ちゃんに対するストーカー行為と流星会とテロリストとの関係を調べるように警視総監に指示します。」と警察を動かすことにした様子でした。

警視庁捜査一課長は、「警視総監が総理大臣に呼び出されました。その後警視総監から、秋山陽子さんは亮子ちゃんの護衛をしていて、流星会が近くに潜んでいる事を突き止めたらしい。お前ら、亮子ちゃんの護衛をしていて何も気付かなかったのか!警視総監から、お前ら、それでも刑事か!なぜ私が総理大臣から怒られなければならないんだ!と怒鳴られたではないか!総理大臣も激怒されていたそうだ。秋山陽子さんと仕事するときは、もっとしっかりしないと要人暗殺捜査本部と同じ運命をたどり、交番巡査に移動させられるぞ!」と部下に指示した。

    **********

捜査一課で内定捜査した結果、亮子ちゃんの様子を窺っていたのは流星会のやくざで、その前線基地が、亮太が発見したビルにある部屋でした。

刑事たちは、「そういえば、あの男、亮子ちゃんの近くにいたな。」

「お前、気付いていたのか?」

「亮子ちゃんの近くには何人もいたよ。その中の一人が流星会のやくざだったとは気付かなかったよ。」

「でも陽子さんは気付いたんだろう?徹底的に追い詰めないと、陽子さんを怒らせて、役立たずと交番巡査にさせられるぞ。」

亮子ちゃんに対するストーカー行為でそのビルと流星会本部を家宅捜索した。

テロリストは、まだ準備期間中で油断していた為に、各種資料が押収できた。

現在世界中で不幸な老若男女を探していて、テロリストに引き入れようとしている段階で、前回は亮太に邪魔された為に、娘の亮子を誘拐して、亮太の動きを封じ込めようとしていた。

その資料から、首謀者や、バックにいる大富豪が判明した。

両者ともアメリカ在住の為、資料と共に、アメリカ政府に対応依頼した。

日本でも、流星会本部と支部を、テロリストの構成員として一斉摘発した。

不幸な人物以外にも、首謀者からの入金目当てで、流星会の資金源としてテロリストに協力していた人物もいた。

    **********

夕食時、亮太は、「これでテロリストの件は落ち着いたな。」と安心していた。

秋山総理大臣が、「その件だが、先ほどアメリカ大統領から陽子さんに感謝状を贈りたいと依頼がありました。優秀な助手がいたからだと泉さんの事を伝えると、泉さんにも感謝状が贈られる事になりました。私も同行しますので、来週、私とアメリカに来てください。」と指示した。

二人とも、「了解しました。」とアメリカに行くことになった。

マスコミは、「いままで判明していなかったテロリストの首謀者と、バックにいる大富豪を総理大臣直属の第三秘書の秋山陽子さんが特定しました。アメリカ在住のため、アメリカ政府に対応依頼しました。この件で、アメリカ大統領から感謝状が贈られることになり、来週アメリカに発つことになりました。」と報道した。

    **********

亮太と泉は秋山総理大臣と、総理大臣専用機でアメリカに向かった。

亮太も泉も、簡単な英語しか喋れない為に、挨拶や感謝状の贈呈時は、直接大統領と会話したが、テロリストを特定したことなど、細かい話は通訳を通じて会話していた。

アメリカ大統領との会話が終了すれば、テロリストを特定した経緯など、アメリカの捜査当局も参考にするために、FBIやCIAなどの捜査当局の代表と会話していた。

その後、亮太は、マスコミのインタビューに答えて、やっと解放されたかと思うと、亮太が元男性だとは知らない接待担当の女性から、ホストクラブへ誘われた。

泉は亮太を見て、「どうするの?」と笑っていた。

亮太は、「なんで俺がホストクラブにいくのだ?」と不満そうに断った。

接待担当の女性は、「そうですか。ホストクラブでは物足りませんか?ほとんどの国では、ストリップショーの踊り子は女性ですが、アメリカには男性のストリップ劇場もあります。そこへ行きましょうか。」と誘った。

亮太は、「だから、そんなことには興味がありません。」となんでお金を払ってまで、男の裸を見なければならないんだと不満そうに断った。

結局、普通のスナックに行った。

    **********

翌日、亮太と泉が帰る準備をしていると、秋山総理大臣から連絡があった。

「陽子さん、先ほど大統領から聞きましたが、陽子さんはレズで男性に興味がないと噂されているそうです。“当たらずとも遠からず”ですね。大統領から、何か理由があるのでしたら、はっきりと説明したほうが良いと助言されました。今後の事を考慮して日程を一日伸ばして説明しましょう。」と指示された。

亮太たちは、大統領の部下を集めて、他言無用と前置きして、すべてを説明すると、最初は信じられない様子でした。

首の手術痕などを見せられて、最終的には、世界的名医の東城陽子先生が主治医だと聞き、更にアメリカで検査した医師も、間違いなく首から上は男性で、体は女性で、それもセックスチェンジなどではなく完全な女性だと診断した為に納得していた。

やがて亮太たちは、最後にアメリカ大統領にあいさつして日本に戻った。

日本に戻ると、あかりなど仲の良かった女性から、「アメリカ大統領と直接話をするなんですごいじゃないの。」と次々と電話がありバタバタしていた。

そんな亮太の様子を見て泉が、「先日、亮太を女子会に連れて行った理由がわかったでしょう?会えば一度で済むから。今からでも女子会開催を呼びかけましょうか?」と泉もアメリカに行って大統領に会っている為に、自分にお鉢が回ってくる前に女子会開催を考えていた。

亮太は、「女子会のメンバーには説明したから、今更開いても仕方ないよ。」と女子会には消極的でした。

    **********

しばらくすると、あかりから泉に着信があった。

あかりは、「アメリカでの話は、先日陽子さんに聞いたけれども、泉さんでしたら、その裏話を何か知らない?」と泉なら何か知っていそうなので知りたそうでした。

泉は、「ええ、色々と知っているわよ。私も思わず吹き出したこともあったしね。先日開催したところだけれども、また、女子会を開催しない?そこで、色々と説明するわ。」と何回も説明するのは面倒なので、女子会開催を提案した。

女子会では泉が、亮太がホストクラブに誘われたことなどを説明していた。

啓子が、「陽子さん、男性ストリップには行かなかったの?」と笑っていた。

亮太は、「なんでお金を払ってまで男の裸を見なければならないんだ!女の裸なら考えてもいいがな。」と不満そうでした。

照子が、「陽子さん、女性の裸を見たいって、男性みたい。」と不思議そうでした。

泉が、「あっ、そうか。照子さんは知らないのね。亮太、良いわよね。陽子の本名は亮太で男性よ。亮子ちゃんの父親よ。」と亮太の正体を教えた。

照子は、「嘘でしょう?陽子さんは母親じゃないの?」と混乱していた。

泉は、「母親は私よ。陽子の本名は亮太で、交通事故で、・・・」と説明してすべてを説明した。

照子は、「嘘でしょう?でも、そう考えると陽子さんが男っぽい理由や、秋山総理大臣が陽子さんと養子縁組した理由も納得できるわ。」と信じられない様子でしたが納得はしている様子でした。

泉が、「そういうことじゃなく、亮太がまだ商社の社員だったころに、亮太が女子更衣室に入ってくると、事情を知っている昌子さんたちは慌てて体を隠したでしょう?と言えば説明しなくても理解して頂けますよね。」と笑っていた。

亮太は、「照子はスタイルもよく涎がでそうなのを、いつも我慢しながら照子の裸を見ていたよ。」と笑っていた。

照子は、「えっ!?」と一瞬動きが止まったが、泉がテロリストの話に戻して、その後、女子会を続けた。


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