表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女の体を持つ男第五部  作者: toyocat
1/12

第四十九章 啓子、亮太の秘密を知る

ある日、亮太が病院に定期健診に訪れると東城医師から、「神経や内臓の検査は今まで通り異常はありませんでした。ただ、男性の場合、精子は脳で製造され前立腺に送られますが、女性には前立腺がない為に、尿と一緒に体外に排出されるようにしていました。その管が詰まっていて、このまま放置すれば破裂する可能性がある為に、近日中に手術が必要になります。」と告げられた。

亮太は、「いま、私は最愛の女性と同居しています。その精子を取り出して彼女を妊娠させる事は可能ですか?」と泉との間に子どもを作る事は諦めていたが、期待できそうだと喜んでいた。

東城医師は、「まだ時間はあります。来週にでも一度彼女と来て下さい。」と本人に直接確認しないと動けない様子でした。

    **********

亮太は帰宅後、泉に相談した。

泉は、「それは私も亮太の子どもがほしいけれども、生まれてきた子どもに、父親の事をなんて説明するの?」と理想と現実は異なる事を説明した。

亮太は、「男だったころの、俺の写真を見せて、父親は旅行中だと説明して、大人になった時に真実を説明して、俺達の愛の結晶として生まれた事を説明すれば問題ないと考えるがどうだろうか。」と提案した。

泉は、「そうね。それと、生まれて来た子どもは秋山総理大臣の血を引いてないのよ。遺産問題など、厄介な問題にならないかしら?」と心配していた。

亮太は、「そんなの、遺産放棄すれば問題ないだろう。俺も貰うつもりはないよ。」と問題ないと考えている様子でした。

泉は、「今の秋山総理大臣の人気は亮太あってのものなのよ。秋山総理大臣も亮太を後継者に考えているようよ。」と簡単な問題ではないと考えていた。

亮太は、「そんな事、わからないよ。自分の子どもを後継者にしようと考えているかもしれないじゃないか。所詮俺は他人だからな。それに、お兄さんは俺と違って、第一秘書として政治家になる為の英才教育を受けている。機会があれば、その話をお父様にしてみるよ。」と直接確認しようと考えていた。

泉は、「英才教育は別にして、亮太のほうが票が集まる可能性が高いわ。もし、秋山総理大臣がそう考えていたら、亮太はどうするのよ。」と具体的な事を確認した。

亮太は、「お兄様を後継者にして、必要であれば俺がその秘書になれば問題ないと考えるが、実際、お父様と話し合ってみないとどうなるかわからない。」とお兄様も含めて家族会議が必要だと考えている様子でした。

    **********

泉は、「わかったわ。それでいきましょう。特殊な事情なので、事情を知っている人に説明して協力を依頼しましょう。」と泉も乗り気でした。

亮太は、「俺達の子どもだから、可能な限り俺達で育てよう。」と他人の力を借りるのは最小限度にしようと考えていた。

泉は、「俺達だけって、亮太、私が妊娠して亮太の世話ができなくなれば、誰が亮太の生理の処理をするのよ。そういうのだったら、人に頼らずに自分で生理の処理ができるようになりなさい。女性は誰でも一人で処理しているわよ。亮太だけよ。何年女をやっているのよ。」と亮太に、もっとしっかりするように告げた。

亮太は、「妊娠すれば生理の処理ができなくなるのか?自分の生理の処理はどうするのだ?」と不思議そうでした。

泉は、「妊娠中は生理がないわ。そんな事も知らないの?」と亮太の無知に驚いている様子でした。

亮太は、「そうなのか。わかったよ。生理の処理は自分でできるように努力するよ。」と泉に頼れないので自分でなんとかしようと考えていた。

泉は、「努力するだけではだめよ。絶対よ。」と生まれてきた子どもに変な所を見せたくない様子でした。

    **********

亮太は翌週、泉と東城医師の話を聞きに行った。

東城医師は、「あなたは確か、亮太君が退院する時に迎えにきていた女性ですね。家族だと思っていましたがそうですか。あなたがね。」と亮太に決まった女性がいて安心している様子でした。

亮太は、「退院当時、主治医でもなかった先生がよく覚えていますね。」と不思議そうでした。

東城医師は、「亮太さんの事は世界初の症例で全世界が注目していました。この病院のスタッフも全員注目していて、私もあなたの事を見ていました。」と亮太の退院当時の事を知っていた理由を説明した。

泉は、「そんな事より先生、本当に私は、亮太の子どもを産む事ができるのですか?」と早く肝心な事を知りたそうでした。

東城医師は、「失礼しました。人工授精になりますが可能です。」と期待に答えた。

泉は、「具体的にどうするのですか?入院する必要があるのですか?」と具体的な方法を知りたそうでした。

東城医師は、「亮太さんから精子を取り出す時には麻酔しますので入院が必要になりますが、泉さんは入院する必要はありません。精子を膣の中に入れるだけです。つまり、セックスと同じです。排卵日に行いますが、通常のセックスと同じで、一回で妊娠するとは限りません。数回必要かもしれません。回数については不明です。まだ時間はありますので、二人でよく考えた上で返事して下さい。」と説明した。

    **********

亮太と泉は帰宅後、秋山総理大臣が帰宅するのを待って、秋山夫妻に、二人の子どもを作る事を説明すると喜んで賛成した。

その後亮太は、仲良しグループにラインで説明して、子どもを作る事を伝えて、詳しい説明をすると日程調整して秋山家に招待した。

ラインを確認した啓子は勤務終了後、亮太と泉の部屋に来て、「泉さんと陽子さんの子どもを作るって、どういう事なの?誰の子どもなの?」と不思議そうでした。

泉が、「私が妊娠すれば、この家でお手伝いをしている啓子には隠せないわね。この際、啓子にも伝えておくわ。」と亮太が男性だった頃の写真と動画を見せて、「彼が、私の恋人の白石亮太よ。」と説明を始めて全て説明した。

啓子は、「嘘でしょう?」と衝撃の真実に驚いていた。

泉は、「これで、陽子さんが女子大に入る前の経歴が不明な事がわかったでしょう?それまでは陽子さんは存在していなかったからよ。」と補足説明した。

    **********

やがて、泉の妊娠・出産について説明する当日になり、仲良しグループが秋山邸に集まった。

啓子は最初にきたあかりに、「陽子さんが昔、男性だったとは知りませんでしたが、あかりさんはいつから気付いていたの?」とどこで気付いたのか確認した。

あかりは、「私は女子大時代に気付いたわよ。新入生だったころ、泉さんが不良に絡まれて陽子さんが助けた時に泉さんは陽子さんの事を思わず、亮太と呼んだでしょう?あの時は啓子もいたじゃないの。それでひょっとして、と思って陽子さんと泉さんを問い詰めて衝撃の事実を知ったのよ。」と啓子は鈍感だと伝えた。

やがて、全員集まってきた。その中に、木島文子の姿もあった。全員集まった事を確認して、亮太と泉が説明した。

説明後、泉は、「私は出産時入院しますが、それまでに亮太は生理の処理を一人でできるようになると約束してくれたので、生理の処理は見ているだけで、本当に一人でできるのかのチェックを皆に頼みたいのよ。それと、何か困った事があったら手を貸してあげてね。」と協力依頼した。

亮太は、「いざとなったらお手伝いさんが助けてくれるよ。」と啓子を見ていた。

泉は、「亮太、人を頼らないの。」と先が思いやられていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ