お食事 魔物豚の角煮
今回の料理
豚の角煮と煮卵(魔物肉)
ほうれん草と豆腐の味噌汁
使用スキル
【 マテリア化 】(自動)
【 野菜の種 】
【 調味料+2生成 】
【 道具生成 】
【 調理器具+2生成 】
【 食品加工 】
使用魔法
風・火・水・土属性魔法
春人は、最初に調理用のテーブルといつもの大き目のテーブルをアイテムボックスから取り出した。次に少し大きい物をもうひとつスキルで作成した。全員分の椅子を並べていく。
「本当はきちんとした食事を用意したかったんだけど、急ぐから、あらかじめ作っておいた丼物で良いかな?」
「そうね。早急にモンスターの討伐をしないといけないものね。私が味噌汁だけでも作ろうか?」
「俺の担当だから、味噌汁だけは作るよ。討伐もそうだけど、さっきも言ったように考えがあるんだ。みんなは座って待っていてくれ。」
真の友情のメンバーもこれに異論はない。普段であれば移動中の食事は魔物肉が取れなければ、単なる栄養補給だった。その味は美味しい物ではない。それと似たようなものであると食事には期待していない。
「「「はい。」」」
春人は、土属性魔法で竈のような物を作ると、そこに薪を入れ、火属性魔法で火を起こした。鍋を二つセットして水属性魔法で水を入れる。真の友情の面々はそれを見て、またもや驚いている。
沸騰するまでの待ち時間にタブレットを操作している。
「うららさん……兄貴は三属性の魔術師なのか?」
「私達はそういう言葉があるとしたら、全属性なのよ。」
うららはヴァンサンに枠がキラキラ輝いている鉄のプレートを見せる。
「凄いっ。やけに特別感があるね。聞いた事はあるけど、二人共って言うのは信じられないよ。さっきのを見た後だから納得だけどね。」
ほうれん草と豆腐の味噌汁
≪ 材料 ≫
ほうれん草
豆腐
味噌
鰹だし
水
しばらくして、春人は、沸騰した小さい方の鍋に同じく取り出したほうれん草を半分くらい入れる。そのまましばらく待つとほうれん草を鍋に落とした。
ほうれん草に火が通った所で、取り出すと冷水に入れてから、それをまな板に乗せる。切った後で鰹だしと大きな鍋に投入した。そして味噌を溶かしていく。最後にアイテムボックスから取り出した豆腐を、掌の上で切りながら投入した。
「うららとコユキ。味噌汁をよそってみんなに配ってくれるか?」
「「はーい。」」
スキルで味噌汁用のお椀を生成し、うららに手渡す。
豚の角煮(魔物肉)と煮卵
≪ 材料 ≫
魔物肉
ネギ(青い部分)
生姜
砂糖
みりん
醤油
半熟ゆで卵
ライス
魔物肉の角煮丼は、前日に作り置きしておいた分だ。
まずは魔物肉のブロックを大き目にカットしフライパンで焼く。油を拭いたら鍋に入れ、生姜とネギと共に一時間くらい下茹でする。油が白く固まるまで十分に冷やす。油を取り除く。別の鍋に肉を投入し、酒、砂糖、みりん、しょうゆを加えて、茹で汁をお肉がひたるくらいまで入れる。一時間弱煮込む。火を止め軽く冷ましたら半熟ゆで卵を入れる。時間も経過するコユキのアイテムボックスにしまって一晩置く。
これを今朝温め直し、春人の時間の止まるアイテムボックスに入れておいた。
春人は釜に入ったホカホカのライスをアイテムボックスから取り出し、スキルで生成した丼によそっていく。そこに角煮と煮卵を乗せてみんなの席に配っていく。
真の友情のメンバーは、その匂いだけで、驚きの表情を隠せなかった。嗅いだ事のないタレの甘い香りが鼻を心地よく刺激する。
≪ 薬味 ≫
紅生姜
七味唐辛子
小口切りにしたネギ
春人はアイテムボックスから、薬味の入った容器を取り出し、二つのテーブルに乗せた。
「これが紅生姜で、これがネギ、これが七味だ。紅生姜はこの角煮丼用だけど、ネギと七味はお好みでどちらに入れても問題はないと思うよ。」
真の友情の面々が見た事もないような食事を見て、唾を呑み込む。
「とても食欲のそそる匂いだ。」
「美味しそう。」
「不思議な食べ物ね。」
全員が席についた所で、春人が一言。
「それじゃあ。みんな食べてくれ。いただきます。」
「「「いただきます。」」」
真の友情のメンバーは、まずは春人の食べている姿を見て、どうやって食べるのかを確認する。春人はトングで紅生姜を丼に乗せる。箸で肉をかじると続けてご飯と紅生姜を頬張った。それを見て、まずはヴァンサンが同じ様にトングで紅生姜を丼に乗せて肉を食べると、そこで動きが止まる。
「……なんだこれはっー! こんな風に口の中でまったりと、とろける肉があったのかっ!! 美味いぞー。美味過ぎる。痺れるような紅生姜が、肉の味をさっぱりと引き締めている。」
レンがヴァンサンに続いた。
「本当だ。うまーいっ! こんな濃厚で柔らかな肉は食べた事がないぞ。白いつぶつぶにまでタレの味が染みて、肉の味と絶妙に絡み合う。これぞ、まさに至高だっ。」
「喜んでくれて嬉しいよ。その白いのはごはんね。」
他のメンバー達も食べ始め、みんなが一斉に驚きの声を上げている。
「お肉ってこんなに美味しいものか? お肉に染み込んだ甘くてしょっぱいタレがやみつきになる。」
「このスープもシンプルでさっぱりしているのに、とても深い味わいよ。」
「この七味をかけると辛くて、風味も変わるぞ。フォークが止まらない。こんなに美味いものが食べられるなんて、なんて幸せなんだ。」
「私は紅生姜とネギ入りが最高。食べた事のない味付けに、肉と野菜のコンビネーションがたまらないわ。」
うららが、一心不乱に丼をかきこむ真の友情を見て笑っている。
「この国の人が春人の料理を食べたら、たしかにそうなるでしょうね。特に時間と手間の掛かる料理は、あまり食卓には並ばなかったし、現代人の私でも特別に美味しいもの。」
「うちは世界中を周ったけど、春人の料理は美味し過ぎるんだよ。」
賑やかな食卓は数分が過ぎ、春人だけは量を少なめにしてあったので、素早く食べ終えていた。
「じゃあ。俺は準備をするから、もしおかわりをしたい人がいたら、各自でよそってね。」
「なんとっ。おかわりがあるのですか?」
「落ち着け、シン。春人は忙しいみたいだ。煩わせるな。」
「あはは。大丈夫。お腹いっぱい食べてよ。」
「「ありがとうございます。」」
真の友情がおかわりに喜んでいる。
春人はタブレットを操作し考察遊戯の続きをプレイしていた。そのまま、しばらくはゲームをプレイし、みんなに今後の事について簡単に説明する。
「真の友情のメンバーは、ついさっき俺が能力に関与出来る条件が整ったんだ。簡単に言うと今よりも強くなれる。その下準備をしているので、食べながら少しだけ待っていて欲しい。」
「他人を強化する能力なんて聞いた事が……いや……ひとつだけある。兄貴はもしかして賢者様なのか?」
「違うよ。そんな大層なものじゃない。けど、効果は高いと思うから期待はしても良いよ。」
冒険者証の枠の色 → 魔法属性
≪ 一種 ≫
火:赤 風:緑 水:水色 土:黄 樹:灰
≪ 二種 ≫ 基本的にメタリック
火風:紫 火土:橙 風水:青 水土:黒
火風水土+樹(それぞれの一種が薄くなる) 風土&火水:銀
≪ 三種 ≫
火風水:ピンクゴールド その他:金
≪ 樹入り四種 ≫
白金
≪ 全属性 ≫
構造色(虹色)




