真実
やっと3話です。
徹夜して書きました。
あと1話
でも頑張ります。
よろしくお願いします。
ー22時 「ボイナー」本部にてー
ラード署長はイヴァンとの写真を見ながら嬉しそうに微笑みながら
「親友の為なら、時には正義は悪に変わるのさ。」
その時、部屋の外で銃の音と部下共の苦しむ声が微かに聞こえてきた。
ラードは恐る恐るテーブルにあるボイナー•ガンを構えながらドアに手をかける。
その時部下の1人と共にドアも飛んできました。誰かが蹴り飛ばしたのでしょう。
そこに現れたのはロニーだった。
ロニーは既に身体に銃で撃たれて、血が流れている。
フラフラの状態でラードに銃を向け、
「あなたには死んでもらう。ディプリカンツの為、私の愛した人を為に。」
とロニーは言いました。
「落ち着け!そんなフラフラな状態で何ができる⁉︎とりあえず武器を捨てるんだ!」
とラードは少し怯えながら言いました。
「あなたは私の全てを奪った。隠蔽する為に‼︎」
怒りを露わにしてロニーは言いました。
その時、背後に倒れていたボイナーが立ち上がり銃を構えていました。
咄嗟にロニーは銃を一発ボイナーの胸に撃ち込みました。
しかしその隙に、ラードはロニーの胸に何発も撃ちました。
ロニーは床に倒れ込みました。
「この都市の、この世界に何の役に立たない雑種共が、見ているだけで虫唾が走る‼︎死んで当然だ、このスクラップ共が!」
と大声を上げながらラードは言いました。
「ごめん、ダン…役に立てなくて‥」
と霞んだ声でロニーは言いました。
もう死ぬんだ‥
そう思っていた時、突然銃声がしました。
そしてラードはデスクに仰向けで倒れました。
そこに現れたのはブラッドでした。
ブラッドは銃をラードに構えながら、
「ラード、どういう事だ?なぜこんなことをした?」
と言いました。
「お前には分からんだろ‥イヴァンは幼い頃からの親友だ‥彼は苦しんだ‥精神的に‥親友の苦しみの解放の為だ‥あのゴミ共を殺す事で‥隠蔽してきた‥悪いとは思わん!」
苦しそうにラードは言いました。
「悪いな、この世に正義など存在していない。お前もイヴァンの為に死ねぇーー!」
彼は防弾チョッキを着ていたのだった。
ポケットから取り出した小型ナイフで襲い掛かってきた。
しかしブラッドはラードのこめかみに一発撃ち込みました。
ラードはバタンと倒れて息絶えました。
「これが俺の正義だ。」
ブラッドはそう言いました。
ブラッドはロニーに近づき、
「ダンは何処だ?」
と言いました。
ロニーは
「クィレル社にいる…お願い‥彼を助け‥て‥」
そう言い残してロニーは静かに息絶えました。
ブラッドはすぐにクィレル社に向かいました。
ダンは憎い!だが彼を止めなくてはならない!
ディプリカンツ達の為にも!
そう感じながら車に乗り込んだ。
ー23時 クィレル社にてー
ダンは、一階のガラス扉を壊して入り込んだ。
入り口には4人の警備員がいたが、撃たせる事なく、銃と素手で3人殺害しました。
ダンは1人のまだ息をしている警備員の胸ぐらを掴み、
「イヴァンは何処だ?」
と言いました。
「最上階にいる‥頼む命だけは」
と警備員は言いましたが、イヴァンは彼の首を捻って殺しました。
「神よ、悔いあれ」
と言いました。
彼らの銃を取り上げて、54階の最上階に向かいました。
そしてエレベーターで最上階のロビーに着きました。そこにはイヴァンがロビーの真ん中で立っていました。
ダンは銃を構えながら
「動くな、お前を殺して、この世界にお前の悪事を晒してやる‼︎命乞いはするな!」
と言いました。
イヴァンは落ち着いた表情で
「まあ、そんなに焦るな。1人で来たのか?」
と言いました。
「はあ、お前達が足掻いたところでこの世界は何も変わらない。君達の死はこの世界の為、私の為に必要な事柄だったのさ。」
とイヴァンは言いました。
「死ぬ前に聞きたいことがある!なぜシーナを殺した!何故、隠蔽をした!」
ダンは怒りの声で言いました。
イヴァンは語り出しました。
「シーナが悪い。シーナは君に惹かれていた。
私はシーナを愛していた。初めて人を好きになった。幼い事から私は孤独だった。
何の価値もないちっぽけな存在だった。
支えてくれたのはラードだけだ。
しかし自分にも何か世の中の役に立つのではないかと考えた。そこで独学で勉強をして、ディプリカンツを創り上げた。
これで世間に認めてもらい、より良い世界を作れると思い込んでいた。
しかし、彼らは命令を逆らい始めた。
奴隷の分際なのにさ。
だが、奴隷を従わせる事が出来ない失敗作を作り出してしまった事を世間が知ったら、この会社は破産する。
名声と地位と会社、そして新しいものを生み出す為には古きものは滅ぼさなくてはならない。
だからボイナーという組織を作り、殺戮を行なったのだ。
ある時、シーナに出会った。
シーナの綺麗な瞳、優しい眼差しを見て、初めて人を好きになった。
シーナに成功体を見てもらいたい。シーナが私に惹かれてもらいたい。そばにいてもらいたかった。
だが、シーナは君と楽しそうに話す。また君も感情を持ち始めた。
お前らに感情など不必要だ。奴隷なのだから。
シーナとガラス越しで手を合わせているのを見て嫉妬した。
自分が創り上げた道具に愛する人が取られる。
許せなかった。シーナも君も。
だから殺した。そして亡くなってもそばにいてもらいたかった。
君もシーナに会いたいだろ。会わしてあげよう。」
幸せそうに笑いながら、手元のリモコンのボタンを押しました。
すると壁がひっくり返り、そこに現れたのは、人間の身体の臓器等が大きいガラス瓶に入っていた生体標本だった。
ダンは驚きを隠せなかった。
何故ならその標本の眼球は何処かで見た。
そう、サファイアの色、シーナの目だったのだ。
「幸せだ、これでシーナは私のものだ。永遠にそばにいられる。」
イヴァンはガラスに顔を当てて喜んでいました。
「貴様、ふざけるなぁーー‼︎」
ダンは銃を向けながら、彼に飛びかかろうとしました。
しかし、イヴァンは右の胸ポケットから小型のボイナー•ガンで胸に2、3発撃ち込んだ。
「ふざけているのはお前達さ。生きている事が問題なのだよ。この銃は便利だな。今とは違い、威力は弱いがスピードが速い。だがじっくり痛ぶって息の根を止めてあげるさ。私は初代ボイナーでね。」
イヴァンは言いました。
ダンは悔しかった。こんな人間に殺されるとさ。
「安心しろ。生きたまま解剖してやるさ。」
イヴァンは左の麻酔とナイフを取り出して言いました。
ごめん、シーナ…
ダンは心の中で呟きました。
「今の話は聞かせてもらったよ。先輩。」
何処からか声が聞こえました。
天井からだ。
その時天井が崩れ落ちて、そこには1人の男性がいた。
そこに現れたのはブラッドだった。