表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

せひろ、猫さまにさわりたい

今回は猫さま。

作者、猫に関しては変態的でありますので、どうかドン引くことなく、最後までお読みください。

もふもふ、もふもふ……この感触が好きな人間は多いはずだ。


自分ももちろん大好き。


そう、“もふもふ”……特に“猫”。


ふわふわの毛並み。

三角のふにふにの耳。

ビー玉のような眼。

ぷにぷにとした肉球。

ピコピコと動く尻尾。

ふにゃふにゃと軟らかい身体。


それらすべてが融合した奇跡のフォルム!!

この世の中で、神が創った最高傑作と言えるのではないか?


もう分かるかと思うが、自分は“猫大好き”である。





まずは自分が以前住んでいた場所での話。

そこはまさに“猫天国”というくらい、近所の猫さまに遭遇する地域であった。


どうやら、近くの家で猫を放し飼いにしているようで、毎年子猫が増えていっていたのだ。



・~・~・~・~・~・~・~・~



ここで注意してもらおう。

猫は可愛い。

しかし、無計画に殖やしてしまうのはいただけない。


“多頭飼い飼育崩壊”という、飼い主ではどうしようもなく増えてしまう事態にもなりかねない。


殖えて溢れた猫は、餌を求めて野良猫になることも。そしてさらに野良猫同士で殖えていく。増えた猫たちの餌や糞の問題は、ご近所ではかなりのトラブルものだ。


そうして際限なく増えた猫たちは、地域であぶれ、殺処分の対象になってしまうおそれもある。

あと、飼い猫に比べ野良猫は常にストレスに晒され、寿命も短いと聞く。環境によっては交通事故死してしまう子も多い。


そんな不幸な猫たちを救済されておられる方々もいるが、個人や地域ボランティアでは活動に限界もある。


そんな不幸な猫たちを増やさないのも、猫を愛でる者たちの責任であることを忘れてはならない。




・~・~・~・~・~・~・~・~




結婚して引っ越してきたばかりの自分は、実家の猫に会いたい想いを募らせつつ、近所の猫さまたちのお姿を拝見していた。


しかしこのご近所猫さま、人間をかなり警戒しているのか、滅多に近くには寄らない。



外で猫を見かける(1メートル範囲)

目が合う→逃げる


外で猫を見かける(2メートル範囲)

目が合う→逃げる


外で猫を見かける(5メートル範囲)

目が合う→逃げる


外で猫を見かける(10メートル範囲)

目が合う→逃げ………………


お前たちのコマンドには“逃げる”しかないのか!?

はぐ○メタルだって、たまに攻撃してくるぞ!!


そう、この近所の猫さまたちは基本“人間の姿を見たら逃げる”のである。うちの旦那の時にも、ちょっと立ち止まって見ているらしいが、それでも数秒のうちに逃げて隠れてしまう。


どうしろっていうの!?

視界に入るなってか!?


………………いや、それでもいい。


猫さまのご尊顔を拝する機会に恵まれているのだ。お姿だけでも拝ませてもらおう。


はぁ~、猫さま可愛い、猫さま可愛い。





しかし一度だけ、引っ越して半年経たない時に、小さなシャム猫っぽい子が撫でさせてくれたことがある。

あの子はあれ以来、あの地域では見掛けることはなかった。


きっと、天使かなにかだったのだろう(大真面目)



庭で産まれたばかりの子猫を拾ったこともあった。

その子は現在、自分の実家で立派な猫に育った。しかし、遺伝子にあるのか、自分を見ると逃げていく(泣)



逃げる猫さまたちとの生活は、約八年ほど続いた。








そして、今現在住んでいる場所へ移るのだが、この地域もなかなかの“猫天国”であった。


ここの猫たちは飼い猫とは違う骨太さ。

おそらく、近くのお寺に住む野良猫だ。


もちろん近くに寄れば逃げられるのだが、ここの猫さまたちはなかなか根性が座っている。


その中でも、うちの庭をよく通る『おっさん』というあだ名の黒虎猫は貫禄が違う。



彼との出会いは、引っ越してきて数日の我が家の庭。


置いてあった荷物の上に、足を広げて座っていたのだ。まるで酔っぱらいの中年のおっさんが壁にもたれているように。


『おっさん』は名前の由来はそこからである。


子供と一緒にその彼の姿を見てゲラゲラ笑っていたところ、おっさんはゆっくりと座り直してこちらをじっと見ていた。


『そんなに笑うな。恥ずかしいだろ!』


そう言わんばかりの視線。

猫さまの意思がこちらに伝わってきたのは、その時が初めてだった。


そして、おっさんは度々うちの庭や駐車場を通っていく。

この間などは、うちの車の前で二時間ほど熟睡していた。前の家の近所猫さまたちとは違う、大物っぷりがうかがえる。




相変わらず、外にいる猫さまたちを触ることはできない。

まぁ、それも当たり前のことだが、自分はやはりもふもふを撫で撫でしたい。



だが、そんなある日、奇跡は突然訪れる。




ある日曜日の朝、自分は趣味のウォーキングに励んでいた。

その時、視界の隅にある一匹の白猫を捉えたのだ。


猫好きの必須スキル【猫感知能力(キャットサーチ)】である。


当然、ダメ元で『チッチッチッ、おいで~』と手を差し伸べてみた。


トコトコトコトコ…………スリリリリリッ。


しゃがんだお膝に、温かく柔らかい感触。


ふぉおおおおおおおおおおっっっ!!


なんと、猫さまが自らのお身体を自分の膝や手に、スリスリと擦り付けてくるではないか!?


「かわいい……!! 可愛いねぇ!!」

「にゃーん(ゴロゴロ……)」


はぁあああんっ!! たまらんっ!!


頭から尻尾まで、猫さまが動く通りに手を滑らせていく。めちゃくちゃ毛並みの綺麗なお嬢様である。



その後、この子は十数分に渡り撫でさせてくれた。

飽きっぽく気まぐれな猫さまからしたら、破格の時間と対応であったと言える。


「あぁ……今日は朝から幸せだ……」


手のひらに余韻を残しながら帰宅。



そして、玄関にて。


「ただいま…………………………旦那さんや、ちょっといいかね?」

「おかえり…………って、どうしたのそれ?」


旦那は帰ってきた自分を見て軽く驚く。


「“コロコロ”持ってきてください…………」

「はい、どうぞ」


コロコロ、コロコロ、ベリッ!

コロコロ、コロコロ、ベリッ!

コロコロ、コロコロ………………


強力カーペット用のごみ取り“コロコロ”が五枚ほど消費された。


猫さまとの戯れの代償である。


自分の紺色のジャージは、猫さまの毛がびっしりとくっついていたのだ。


どうやら季節柄、毛の抜け代わり時期だったみたいだ。

撫でている時、取れる毛の量が半端なかった。


ふふふ……しょせん自分は、猫さまの『自動ブラッシングマシーン』にすぎなかったのか……。


それでも、行きずりの幸せをもらった。


自分は大満足である。



幸せを決めるのは自分。

他人の尺度ではないのだ。






『おっさん』の詳しい話は、またいつか。


今回は寝る前に書き上げたので、所々おかしい点があるかも。

おかしいのは、文章ではなく作者が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  大好きオーラ、同意します。 [一言]  自分、犬好きですが犬には嫌われております。猫は然程でも無いのに、近所の野良さん達が群がってきて困っています。  追い掛ければ逃げられ距離を取れば追…
[良い点] わなかりますっ! 常に外出時常に猫ちゃんがいないか探しちゃいますよね! 河川敷とか日向ぼっこしながら転がってる猫ちゃんが一杯いて眼福です♪ 見るだけでも癒されますよね♪
[一言] 近所のねこさま 触ったことはありません でも挨拶はします 挨拶をし続けた結果逃げられなくはなりました でも、最近引っ越してからはねこさまに会えていません ちょっと切ない……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ