カメコ、アイドルより策士(前編)
今回は他の方から、気になると云われていたうちの亀さんのお話。
歴史ある(?)ので、前後編に分けました。
『もふもふ』
だいたい、この言葉を指すのは“毛のある四つ足”である、哺乳類の小動物などだろう。
自分も小さな頃から、この『もふもふ』が大好きである。
ウサギも飼ったが、一番好きなのは猫だ。
くにゃんくにゃんと軟らかい体に、ぷにぷにとした肉球。同じ兄弟でも模様が違えば、猫の種類によっては毛の長さも違う。
そして猫は、犬のように大きさや姿を様々に進化させたのではなく、まさに『猫』として今日まで栄えてきたという。
いきなり導入の語りが、NH○のドキュメントようになったが、つまり猫や犬の『ペット』は人間に愛される【アイドル】と位置付けされるのだ。
さて……今現在、我が家で飼っているのは『亀』である。
もちろん『もふもふ』などしておらず、パラメーターの防御の数値が飛び抜けた、硬い甲羅を持つTHE・爬虫類の『亀』だ。
今回の話の主役はうちの『亀』。
名前は『カメコ』である。
名前の由来は……たぶん、ほぼない。
きっと、「亀、亀やー」と名無しで呼んでいたところに“子”を付けて「亀っこ、亀っこやー」という、田舎っぽい理由と思われる。
※よく周りの、じいちゃんばあちゃんたちが『馬』を『うまっこ』又は『まっこ』と呼んでいた。
あと、メスだと思っていたらオスだったせい。
だからこの亀の本名は『亀子』なのだろう。
今では歴史上の『小野妹子』と同じだと思うようにしている。
そんなカメコはとても長生きさんだ。
自分が物心付く頃には実家で飼われており、おそらく四十年以上は生きているのではないかと推測されていた。
兄と母が亀売りのおばあちゃんから買った時には、そこそこの大きさだったそうなので、正直、飼われた年数プラス何年か分からない。
さて、話を『もふもふ』に関するところへ戻そう。
この長く飼っているカメコだが、容姿や行動がとても地味だ。
全身真っ黒で、模様などもなく、鳴きもしない。
ハッキリいうと、子供には『亀』よりも『もふもふ』の方が心惹かれるものがある。
せのせいか、度々重複する別のペットに家庭内の【アイドル】の座を奪われてきた。
最初は『ウサギ』。
ウサギも『もふもふ』しているので、子供にはとても可愛い生き物に見えていた。
エサのハコベや菜っ葉を、手からモリモリ食べる仕草はとても可愛い。丸っこいフォルムと毛並みがたまらない。
幼かった自分はウサギの世話を懸命にした。
その間、カメコは父親が面倒を見ている。亀の水槽が重いせいもあって、カメコに触れあう期間はあまりなかった。
次は『セキセイインコ』。
こやつは母親にしか服従していなかったが、部屋の中に放すと肩に乗ってくる可愛い奴であった。(大抵、何か食べている時に横取りにくるためだが……)
その間、やはりカメコは父親が世話をしていた。大きさはほとんど変わらず、動きも鈍かったために、子供たちは派手な動きと鳴き声のインコに目がいってしまう。
そして、最後(今現在も実家にいる)は『猫』である。
これは無条件に愛でるだろう。
猫可愛い、猫最高。
この時もカメコは父親が見ていたが、途中から結婚して独立した自分の家に来ることになり、子育て中の自分の代わりに旦那が世話を始める。
これまで、カメコは『もふもふ』に負け、いつも子供たちの【アイドル】の座を逃しているように思える。
しかし、カメコは決して雑に扱われてはいない。
常にカメコの世話をするのは一家の大黒柱である。しかも、『もふもふ』目当てに来た自分の友達も、帰る頃にはカメコを絶賛して帰っていく。
カメコは『もふもふ』に地位を明け渡している間、着々と自分の存在を確実なものにしていった。
そこに自分は、カメコの『年の功』を見たのである。
後編へつづく!
次回、カメコの生き残り戦略が明らかに!!(大げさ)
『もふもふ』だけが『ペット』じゃない。
立ち上がれ、毛無しペットたち!!
……でも、猫も好き。『もふもふ』は不滅。