第三十一幕 吸血鬼論
「すみませ〜ん。そこの前髪がゴキブリの触角みたいになってるお姉さ〜〜ん。」
「・・・お主喧嘩を売っておるのか?」
「ちょっとお時間いいですか〜?」
「聞かんかっ!、あっ!、突っ込み役なんぞキャラじゃないのに!」
「明智新聞街角アンケートなんですが〜。貴方の今一番欲しいものを教えてくれますか〜。」
「金!」
「以外で〜」
「愛!」
「却下〜。」
「義弟の居場所を知る方法。」
「・・・流行ってるんですか〜それ?」
■■■
人を呪らば穴二つ
策士、策に溺れる
この二つのことわざは根本的には違うんだろうけど、自分的にはこう解釈している。
「騙すつもりが騙された。」そんな感じ。
んで、
今まさにそんな気持ち。
「イッヒ君を少々試させて頂きました。」
蛙男・・・いや、蛙男に擬態していたドーラ公爵のこの一言。
上には上がいる的な事例
そりゃーまあ、自分より上の存在なんて山ほどいるだろうさ。
井の中の蛙大海を知らずな自分
ああ、これがぴったりだ。蛙男を騙すつもりが、実は自分が蛙だったと。
ハハハハハハッ。
『イ、イッヒ!?』
おっと!、エーリカさんが不安になりだしたから現実逃避はそろそろ終えようかね。
ドーラ公爵は自分を試したと言った。なら、今回はエーリカスピーカーを使わずに己の声帯を使用しよう。
でも、その前に
「後ろの方々、服を着て下さい。」
目のやり場に困ります。
いい加減下着姿の女性達がいる部屋っという異質さに耐えられません。なんだかんだでこの部屋にいる男は自分だけですからね。デパートの女性用下着売り場にいる男なんてもんじゃあーありません。そんな比じゃーありません。
だから服を着て。お願いします。
『左側の子、胸がおっきいわねイッヒ。』
いやなんでじっくり見てるんだよエーリカ。
「うふふ、よいではないのイッヒ君。わらわから見てもみんな美人よ。」
よくないですドーラ公爵。
「・・・イッヒ様は何気に初心っと。」
何メモ書きしてやがんだチェルシーさん・・・って、いつも間に!?
「失礼いたします。ドーラ公爵様に頼まれていておりました御召し物をお持ちしてまいりました。」
あっ、そういうこと。よかった、ようやく服を着てくれる。準備がいいねぇドーラ公爵は。
でも順番がおかしくないかい?ツインテールのメイドさんよぉーーって、ココでいきなり着替えるんじゃねーよ5人娘!!
「真ん中の子、すごく肌がキレイねー。」
少し黙ろうねエーリカ。てゆーかお前は注意しなきゃいけない立場だろ!
「本当、おいしそうね。」
黙って下さいドーラ公爵。貴女がそれを言うと洒落になりません。
「眼福眼福。」
黙れ変態メイド。
■■■
冗談はそれぐらいにしておいて。
着替え終えた(名誉の為に追記しておくと見てません。必死に天井のシミの数を数えてました。)5人娘はそのままドーラ公爵の後ろに並び、そのドーラ公爵は赤い髪と魅惑的な身体を優雅にソファーに座らせ、向かい側に自分が座り、自分の斜め横、ドーラ公爵と自分の間の位置にエーリカが座った状態となった。あと、何故かまだ居るツインテールメイドのチェルシーさんがエーリカの横に立っている。
まあ、現状把握はいいとして、
「それで、自分を試したとは・・・一体何の為に、誰の為に、どのような理由があってなのですか?」
クエスチョン
先生質問があります風にだ。
その解答は
「怪し過ぎるのよイッヒ君は。」
なんと簡潔
そして納得
「悪いけれど、イッヒ君のことを色々調べさせてもらったわ。」
そう言って自分を見つめるドーラ公爵。艶やかな赤い髪にゾクッとする微笑みだけれど、その目だけはまるで獲物を見つけた猛禽類のよう。
メチャ怖い。怖いけれども
「・・・それで、どうでしたか?」
会話する。
いざとなったらエーリカがいるしね。
そんな保身する気満々な自分の心境なんざお見通しなのかチラリとエーリカを見たドーラ公爵は、パンッと両手を叩いて、
「何も。」
そう言った。まるで人を小馬鹿にしたような笑顔のまま自分をまっすぐ見つめてそう言った。
「何も分からなかったわ。イッヒ君がどこから来たのか、今まで何をしていたのか、家族も、両親でさえ、イッヒという名前以外何も分からなかったわ。わらわの他にもグナイゼナウにカイテルも探っていたみたいだけど、みんな何一つ分からなかったみたいね。」
何一つ、全て、全部解からなかったとさ。
まっ、そりゃそうだろうさ。なんたって自分は異世界人。
過去は異世界
戸籍も異世界
記録は異世界
家族も異世界
出身が異世界
痕跡は異世界
軌跡も異世界
こっちの世界でいくら自分を探そうとも、調べようとも、エーリカに出会う瞬間まで存在しなかった自分のことなんて分からないだろう。
まっ、捏造って方法はあるけどね。
「性別すら分からなかったわ。」
それは分かって!
「男です!」
「ああそうそう、これだけは分かったわ。イッヒ君が幼女趣味というのだけは確実みたいね。」
無視!つーかっ
「違います!!」
確実とか言わないで下さい。
「・・・イッヒ。」
いや、離れないでエーリカさん!。違いますから!違いますからね!
「ミーキャット族の子供を街から攫ったらしいじゃないの。」
助けたんです。攫ってなんか・・・いや、攫ったようなものかなアレ。はたから見れば誘拐まがいの光景だったかも・・・。
「・・・イッヒ・・・。」
そ、そんなに離れないでエーリカさん!、ああ、ワーウルフ族の子供を守るように立たないで下さい美人美女美少女少女4人さん達!
違いますから!冤罪ですからぁっ!
「大丈夫よイッヒ。決して治らない病気ではないからね。」
止めて!変に優しくしないで!自分が本当に幼女趣味みたいじゃないですか!自分はミケさん一筋です(問題発言)
と、とにかく噂の出所を探しとかないと・・・
「えーーっと、それは一体ドコからの情報ですでしょうか。」
「言える訳ないじゃないの。」
ですよねー。
まあ、とりあえずは
「自分は幼女になんか興味ありませんのであしからず。」
「あらそう。なら、わらわのような女性が好きなのかしら?」
そう言って何気に胸を強調させるサキュバス吸血鬼
バインでドカーンな物が視界に写る。
まあ、たしかに男ならちょっと、いやかなり好きですけど、
「自分はどちらかと言えばミケさんみたいな方がいいですねー。」
「うふふふ、あら残念ね。」
大き過ぎず小さ過ぎなくてスレンダーな体型のって・・・あれ?
「話しがそれてませんでしょうか?」
なんで自分が好きなタイプの話しになったんだ?
うーん謎だ。
「うふふ、そうね。では正直に言うわ。イッヒ君を調べても何も分からなかった。けれど、分からなかった存在が魔帝閣下の付き人をしているのに安心できる程わらわ達は呑気ではないわ。だから、」
「だから試したと。」
「ええそうよ。わらわが魔法で商人に扮してイッヒ君が賄賂を受け取る強欲な存在なのか、奴隷を弄ぶ外道な存在なのか・・・魔帝閣下を誑かす悪辣な存在なのか・・をね。」
開き直ったというか、エーリカがいるのにここまで堂々とされると怒る気にもならないね。まあ、怒ったところでどうしようもないんだけれど、それでもはぐらかしたりせずに、申し開きもせずに言ってくるとは・・・なんか、なんつーか、かっけー。格好良すぎだろ。
なんて場違い筋違いな感想を抱いたところで、
「それで、結論は出ましたでしょうかドーラ公爵様?」
聞いてみる。
あんまり得意じゃないけど相手の、ドーラ公爵の目を真っ直ぐ見つめて聞いてみた。
返答は
「最悪だったわ。」
グサリときた。
少し泣きたくなったのは内緒だ。
まあ、いいけどね−慣れてるし。
「賄賂にも誘惑にも負けないくらいに誠実なのは良かったわ。公金の横領や立場を利用しての狼藉をしてないのは調べてあったから問題なし。勤務態度もまじめ、遊び歩いたり酒を嗜んでもいない、女性関係は・・・おいときましょうか。うふふ、うん、ここまでは悪くないわ。でもねぇイッヒ君。最後の、さっきのはダメね。」
「さっきのと言いますと?」
「さっきはさっきよ。ついさっきのことよ。ねえイッヒ君。貴方は閣下の付き人よね?、付き人であるならば閣下の安全を守るのが仕事じゃないの?。なのにイッヒ君は閣下をこの部屋に連れて来た。奴隷を連れ、賄賂を使う危険な存在の前に閣下を巻き込んだ。閣下を危険に晒したわ。
必要とあらば閣下でさえ利用する。そんな存在を”最悪“以外でわらわは呼べないわ。」
「・・・・・・」
反論できなかった。むしろ肯定するね。
たしかに事実だし、まごうことなき真実だ。
でも、
今の本題はそうじゃない。
本命は自分が最悪かそうじゃないかじゃない。
「それで、自分が最悪だとして・・・一体どうしますか?」
付き人をクビにでもしますか?、不敬罪として捕まえますか?
それとも
いっそ殺しますか?
どうするつもりですか?
「何も。」
と、
普段の妖艶な笑みではなく、どこか楽しそうな微笑みを浮かべながらドーラ公爵はそう言った。
「・・・何も、ですか?」
思わず聞き返してしまう自分
「ええ、何もしないわ。」
と、こともなげに言う吸血鬼。
「わらわからしてみれば最悪なイッヒ君でも、閣下が信頼して傍に置いている以上何も言えませんわ。」
と、今度はエーリカを眺めながら言うサキュバキュラ(新種)さん。
「ほへ?」
まったく話を聞いていなかった馬鹿、もといエーリカ。
いや何あんた美人美女美少女少女幼女達と仲良く談笑なんかしてるんだよ!?。こっちはシリアスにやってんのになんで空気と化してるんだよ!
とか、
とかまあ、
まあ、いいや。
何もしないならなんでもいいや。
「お心遣いありがとうございます。」
意味は無いけどお礼を言っとこうか。
ついでに
「これからもよろしくお願いします。」
頭も下げとこう。
吸血鬼にありがとうございますなんて洒落にしかならないし、よろしくお願いしたくはないけどね。
まっ、社交辞令つーことで。
「うふふ、こちらこそ末永くよろしくね。正体不明のイッヒ君。」
握手はせずに笑顔だけ。
信用はせずに信頼だけ。
けどまあ、それも悪くない。
自分とドーラ公爵の間はこれぐらいが丁度いい。下手に仲良くなって人間だとバレたら阿呆らしいから、きっとドーラ公爵は自分を探ることを止めないだろうからね。
だから
「・・・・・・」
「うふふふふふ」
自分は声を出さずに微笑み。
吸血鬼は声を出し微笑んだ。
「・・・話は終わったの?」
んで、置いてきぼりの馬鹿・・・じゃなかった阿呆、でもなかったエーリカだ。
いつの間にか五人娘達とお茶を飲んでいた愛すべき馬鹿帝が自分とドーラ公爵をつぶらな瞳で見つめてそう言ってきた。
「ええ、終わりましたよ。」
と、言っておく。
ぶっちゃけこれ以上ドーラ公爵と会話する元気は無い。無いからソファーから立ち上がりエーリカの後ろまで歩く。自分の定位置に立つ。
自分と貴女との会話はこれで終了ですと、
同じようにドーラ公爵も席を立った。そして深々と礼をして
「お騒がせいたしましたことを深くお詫び申し上げます閣下。この騒ぎの責はいくらでもわらわが負いますわ。ですが彼女達には是非とも寛大なご処置をして頂けるようお願い申し上げます。」
と、真面目な声で、妖艶さを感じさせない真摯な声色で言った。
なんかもう大人のカッコいいお姉さんって感じだね。ミケさんとはまた一味違う凛々しさが漂ってるし偉いさん特有のオーラってヤツが見える気がするよ。
勿論見えないけどね。
けでまあー、
本気になった時のエーリカの方がもっと
もっと
綺麗です。
なんて思ったりして、ね。
だって
「何を言っているのドーラ公爵?。私が心配だからイッヒを試すような真似をしたのでしょう?。それなのに貴女を責めるなんて出来ないわよ。勿論貴女が連れて来た彼女達も一緒です。罪もないのに罰する程私は傲慢じゃありません。」
ほら、馬鹿で臆病なクセに無駄に立派だ。
まっ、寝間着じゃなけりゃもっと良かったんだけどね。
あっ、寝癖発見。
なんてエーリカの後頭部を観察している姿勢の向こうで上げた頭をまた下げたドーラ公爵が見えたっ・・・て
「ありがとうございます閣下。」
やべぇ、再度礼をしたドーラ公爵のドカンでバイーンな谷間がすげぇ。なんかすげぇ。
「ですが閣下。」
あぁ、真っ直ぐ立たれたら谷間が・・・あっ、見える。やべぇよアレ、メロンだよメロン。
「イッヒ君・・・付き人殿が気分を害したのは事実でございますわ。」
ん?、あ、自分ですか?
「それこそ意味の無いことです。これぐらいの騒ぎで怒る程狭い心だったのならイッヒを付き人に選んでません。ねっ、イッヒ?」
「ああはい、大体は。」
「・・・そこははっきり断言してよイッヒ。」
いや、急に話を振られたから素で返しちゃったんです。
仕方なくです。
大体は。
とかなんとか、ちょっとグタグダになったけど話し合いはこれにて終了。
三度礼をしたドーラ公爵の−帰るわよの言葉に美人美女美少女少女幼女がそれぞれ深々とお辞儀をしながら退出し、最後にドーラ公爵が赤い髪の毛を優雅に揺らしながら退出しようと、部屋のドアを閉めようとドアノブを掴んだところで、
「これだけ聞いていいですか?」
呼び止めてしまった。
どうしても気になったから声を掛けてしまった。
「・・・何かしら?」
「?」
しなやかな右手でドアノブを掴んだ状態で自分を見つめるドーラ公爵に座ったまま頭だけ振り向かせて不思議そうな瞳になるエーリカ。その二つの視線を感じつつずっと喉の奥に引っ掛かっていた疑問を聞いてみる。
「どうして・・・どうしてドーラ公爵様はあの会議の場で奴隷禁止に賛成したのですか?。いいえ、何故貴女達は突然全員が意見を賛成に変えたのですか?。反対だった方も、慎重だった方も、エーリ・・・魔帝閣下のたった一言で疑問も問題も心境も全てひっくり返して奴隷禁止賛成になったのですか?。」
自分の小細工が不発に終わったあの会議。結論から言えば大成功だったけど、納得出来なかったあの会議の真実が知りたくなった、だからの質問。
解答は。
「そうね・・・う〜〜ん。何故かしらね?、わらわにも解らないわ。」
解答じゃなかった。
左手を顎に当てて本当に解らないように、悩んでいるように子首を色っぽく傾げるドーラ公爵。
嘘偽り無い真実なのか、
それとも演技なのか、
どちらなのかは自分にはわかりません。
「ああ、でもねぇ。これだけは確かよ。奴隷なんて必要ないー奴隷制度は廃止すべきだ・・・そう
わらわは思ったわ。
だから賛成したわ。」
”私がそう思ったからです。“あの時エーリカが言った一言。
ただ思っただけ。
そう思っただけ。
もし、もしもドーラ公爵の言葉が本当で、あの場にいた全員が奴隷はいらないと思ったのだったらーーエーリカの一言でそう思ったのなら・・・エーリカがそう思わせたのなら
少ないともエーリカは誰かを導く力が、カリスマってやつがあるのかもしれない。
「なるほどー、そうだったのねー。」
やっぱ無ーや。
こんなんで納得してるヤツにカリスマなんてあるわけ無いって。
アホ毛あるし。
まっ、いいや。
この魅惑過剰な吸血鬼さんがはぐらかすつもりなのか、真実を話したのかは判断付かないけど、どちらにせよもういいや。
「そうですか。わかりました。お引き止めしてすいませんでした。では」
真相は闇の中
いつか時が解決するさっつーことで。
「おやすみなさいませ。」
本日の営業はこれにて終了ですという意味を込めて頭を下げてみた。
「またね。」
威厳も威信も無いエーリカの声の後
「ルフトバッフェに栄光を・・・閣下には幸福を・・・イッヒ君には----を。」
優しげな声がして、ガチャリと扉が閉められた。
■■■
「さて、と。」
荒らしの後の静けさというか、騒ぎが終わった後特有の静寂が包む部屋の中で呟く。
正直身体が辛い。
ただの一般人たる自分には吸血鬼と会話しただけで疲労困憊になってしまう。
つーか眠い。
「ふぁ〜〜むにゅ〜〜」
エーリカも眠そうだ。
「にゅ〜〜・・・ZZZ」
てゆーか寝てるし!?
「おお!、魔帝閣下様の寝顔を拝見できるとは!。・・・眼福眼福。」
黙れ変態メイド。お前はさっさと部屋から出ていけ。
「ああっーと!、これは大変失礼しました。閣下様とイッヒ様の逢瀬を邪魔してしまいました。それではわたくしは退室いたしますので存分にお楽しみ下さいませ。」
やっぱ出ていくな!
せめて勘違いを訂正してから出てけ。
むしろエーリカを連れて出ていけ!
「むしろわたくしも交ぜて下さいませ。」
実家に帰れド変態メイド!
「服は脱いだ方がよろしいでございますでしょうか?それとも着たままいたしますか?。」
どちらでもいたしません!
何なんだよこの展開!?
何なんだよこのメイド?
チクショウー清楚なミケが懐かしいぜ!
とかまぁー冗談はこれぐらいにしておいて。
「あ〜、すいませんけどチェルシーさん。エーリ・・魔帝閣下を寝室まで連れていってもらっていいですかね?自分が連れて行くと・・・ほら、あの、あらぬ誤解を生みそうじゃないですか。」
何故かしどろもどろになりつつツインテールメイドにお願いする自分。
対して
「かしこまりました、」
と、さっきまでのテンションはどこえやらな感じに真面目に返事をするチェルシーさん。
なんなんだろうこのメイドは・・・
「それでは、失礼いたします閣下。」
「んにゅ〜〜?」
なんて考えてる間に怪しげな手つきでエーリカを抱き抱えるチェルシーさん。
とりあえず思う。
何故にお姫様だっこ?
「申し訳ございませんイッヒ様。扉を開けてもらえますでしょうか。」
「え?、ああ、はい。」
言われてガチャリとドアを開け、邪魔にならないように身体をどかすと、スタスタとエーリカをお姫様だっこしたチェルシーさんが通り抜けていった。
メイドにお姫様だっこされる魔帝・・・シュールだ、とてつもなくシュールな光景だった。
シュール過ぎたので扉は静かに閉めましたーー意味は無いけどね。
しかしエーリカ、寝つきが少し良すぎやしないだろうか?さっきまで起きていたのに、もう身体を動かされても起きなくなる程熟睡するとか一種の病気じゃないだろうか?
とかまあ、
まあ、どうでもいいや。
とにかく今は
「疲れた。」
寝よう。
んじゃ、おやすみなさい。
そういえば自分が召喚魔法について調べていることに一切触れられなかったな。
単純に気付かなかったのか、それともあえて黙ったのか・・・うん、誘惑吸血鬼の考えなんか解らないからいいや。
なんでもいいからもう寝まーす。
夢だけでも日本に戻れますように。
いつものように謝ります。ごめんなさいすいません許して下さい。
てなわけで、更新ペースが遅れてますね〜自分な作者です。
今回はシリアスとギャグがごちゃ混ぜでした。しかも何故かチェルシーさんが変態キャラに・・・。
まあ、いいや。
さて、よくよく読み返すと男性キャラが主人公だけという凄まじい話しですね今回。なのにフラグも何も無いのがイッヒなのですけど。ミケさん一筋だとか言ってますしね。一応ヒロインはエーリカなんだけどなー。
まあ、これもいいや。
はてさて、どうでもいい話を一つ。
この主人公、第三者に対してエーリカさんを呼ぶ時必ずと言っていいほど、エーリ・・・魔帝閣下様。と言っています。
それだけです。
ではまた次回をお楽しみに。
楽しいかなーこの小説