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第三十幕 表裏秘境

「すみませ〜〜ん。そこの目付きが異常に恐いお兄さ〜〜ん、ちょっとお時間いいですか〜?。」

「・・・はぁ。いいですけど。」

「ありがとうございま〜す。それでは〜、今~明智新聞街角アンケートをしてまして〜、お兄さんが一番欲しいモノを教えて頂きたいんですけど〜〜。」


「欲しい物、ね。」

「何でもいいですよ〜、テレビでも~彼女でも~選挙権でも~二重瞼でも〜タレ目でも~。」

「居場所。」

「・・・はい〜?」


「弟の居場所を知る方法が欲しい。」


「・・・それはまた珍妙な回答ですね〜。弟さん迷子か何かです〜?」

「行方不明です。」







■■■






一面の銀世界という言葉があるけど、今自分が存在しているのは、全面の異世界な今日この頃。

まあ、その辺の事は置いといて。


奴隷禁止宣言


その為の会議から三日

いわゆる閣議決定から三日

カイテル伯爵が草案をまとめてから三日

ドーラ公爵が動き出してから三日

グナイゼナウ大公が軍隊に発令してから三日


んで今。

時刻は夜

所謂深夜。

先程、というかエーリカとめっちゃ遅めの夕食を食べてる最中にカイテル伯爵がやってきて全ての準備が整ったと報告してきた。

解放された奴隷達の為に仕事斡旋所ハローワーク・ギルドを造っとか、国営住宅を建設したとか、年少者の為の国営孤児院を新設したとか、病気になっている奴隷達に城の医療設備を一時的に解放したいとか、とりあえずの受け皿としてラクトア地方の水害復興に奴隷達を雇うことにしましょうとかね。


よくもまあこの短期間でそこまで準備したものだと感心感嘆。

ついでに、コイツ等の手際の良さは化け物級だなと思い。

嗚呼、人間じゃないから化け物でいいのかと勝手に納得。

とかまあ、自分が意味ない思考をしている内にエーリカが商人に対する処置はどうなってるとか、各地の領主の反応は?とか、混乱が予想される場所での治安維持状況は?やらの質問を終えており、じゃあ明日の昼にエーリカ自ら国民に向かって奴隷禁止宣言をするとカイテル伯爵に伝えて会談は終了。

ついでに夕食も終了。


「イッヒが明日何を言わせてくれるのか楽しみにしてます。」

なんて言う魔帝閣下様に

『いや、アンタも考えろよっ!?』と、突っ込みたい気持ちを抑えて

「まあ、適当に考えておきます。」

と、紳士に対応。

「痛いです・・・。」

と、エーリカの反応。

どうやら口は抑えたけど手は出てたみたいだね。チョップした形の右手と赤くなってる金髪碧眼女のおでこが証拠さ。




なんてやってたのが10分程前のこと。

自室に戻ってそろそろ寝ようかなーと思っていたら、コンコン!と扉がノックされ

「失礼しますイッヒ様。お客様が御見えになられております。」

と、チェルシーさんがやって来たのが1分前。


んで、

そのお客様とやらが自分の部屋に、詳しく言えば自分と向かい合ってソファーに座っている今現在。

こも目の前座っている存在を一言で表すなら〈蛙〉である。

太く短い足に満杯のゴミ袋のような腹が乗っており、そこからボンレスハムみたいな腕が生えて、首と言うにはいささか範疇外な脂肪の上には見てるだけでムカツクでかい口と弛んだ頬肉に脂肪で押しつぶされたような目、頂上にあるのは濃い緑色という有り得ない配色のべた付く髪の毛。

正直にこの魔人(でいいのか?)の感想を言おう。


醜い


まあ、そんな第一印象は置いといて・・・誰なんだよ結局。

「夜分遅くに失礼します。ワタクシ、バルケンの街にて小さな商館を営んでおりますルロイ・ターリンと申します。以後お見知りおきを。」

はぁ・・・商人ね。で、

「どのようなご用件で?」

エーリカでは無く自分に来た理由はなんですか?

「いえいえいえ、本題に入ります前にまずはコレを・・・。」

なんて、自分の言葉を完璧に無視した蛙男が懐からとりだしたのは紫色の布に包まれた手のひらサイズの何か。

「お納め下さいませ。」

それを下品な笑顔で自分に渡してきた。

「・・・・・・。」

その粗品とでも書いてありそうな品物を無視する自分。

だって何だか怖いし、この蛙男の脂ぎった手と触れたくないし、何より怪しさ満点すぎるだろ?

だから沈黙で回答して、手は出しません。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

当然無音になってしまう室内。

自分は無表情に両腕を膝の上に乗せた格好で、蛙男は気持ち悪い笑顔で右手にー何かーを持って自分に伸ばした格好で固まる。

「・・・・・・。」

「・・・ひゅひゅひゅひゅっ。これはこれは些か不躾過ぎましたようで。」

先に沈黙を破ったのは蛙男商人の方だった。

ソレはないだろという笑い声を出しながら、ゴトリと手に持っていた‐何か‐をテーブルの上に置いた。

音から察するにその‐何か‐はそれなりに重く固いもの、例えば金塊とかだと思う。

いや、自分で思っておいてなんだが金塊って・・越後屋でもあるまいし。

この蛙男が商人でも自分はお代官様じゃない。ただの付き人だ。

それはそうと、


「それで、本題は何ですかね?」

破られた沈黙に続けるように聞く。

ただ、なんとなーくだけど面倒事の気配がするんだよね。つーか、こんな夜中に商人が訪ねて来ている時点で面倒事なんだけどね。


そんな自分の心境をやっぱり無視して蛙男がねちゃねちゃした口を開いく。 

「イッヒ様におかれましては魔帝閣下様と大変昵懇と聞いております。なんでも魔帝閣下様が行くところ常にお側に居られるとか。」

「・・・まあ、仕事ですから。」

「反乱討伐の最中も馬車の中から楽しげな声が聞こえてきたとか。」

「・・・まあ、付き人ですから。」

「会議の最中でも同席をすることが許されておられるとか。」

「・・・まあ、業務ですから。」

「今着ておられる御召物も魔帝閣下様からの頂き物とか。」

「・・・まあ、そうですが。」

何が言いたいんだいったい?

というか、何で自分の名前を知ってるんだよ!?

「そこで、魔帝閣下様と昵懇の仲であるイッヒ様にひとつお願いしたいことがあるのでございます。」

「・・・?」

嫌な予感がプンプンだね。

「実は、近く人材派遣の商売が規制されると小耳に挟みまして・・・。」

人材派遣の商売?・・・ああ、奴隷のことね。何?、もしかしてこの蛙男の仕事って奴隷商人なのか?

「是非ともイッヒ様から魔帝閣下様に商売を規制するのを取り止めて下さるよう説得して頂きたいのです。」

成る程。

つまりは奴隷禁止制度反対派か。

エーリカに直接進言するのは無理だし、他のドーラ公爵やらグナイゼナウ大公やら幹部貴族連中はことごとく奴隷禁止賛成派だから、エーリカの近くにいて意見を言えそうな自分にアタックしてきたのか。

そういえばいつだったかに、ミケさんが自分とエーリカの間にあらぬ噂が立っているとか言っていたっけ。

なんだかんだでエーリカの奴人前(魔人前?)で自分のこと親しげに呼び捨てにしたりするもんな。

ネコミミチルドレンを助けた時に思いっきり『魔帝閣下より賜った服』とか言ってコートを渡したもんな。

その気になって調べれば分かるもんなーー、自分がエーリカとそれなりに親しい間柄だと判断する材料は十分か。ああ、そうかい。自分で蒔いた種かい!。 

でもさ、

でもさぁー。

「それは少し難しいですね。」

よりにもよって自分に来るとか運が無いつーか、アテがハズレすぎだど蛙男さん。

なんたって自分がエーリカに奴隷禁止を進言したんだよ?。

いやはや、知らないってのは怖いね。

無知というのは恐ろしいね。

まっ、そんなことはどうでもいいから、

どうやってこの蛙男を追い返そうか?。面倒だからキッパリ断っちまうか?。


「もちろん、タダでとは申しませぬ。もし魔帝閣下を説得さて頂けるのでしたらば、それ相応のお礼を差し上げまする。」

いや、要らねーし。

金とか貰っても使い道が無いし、衣食住はエーリカが提供してくれるしね。

いや、ずずいいっとさっき取り出したー何か(粗品)-を前に出されても困るし。

「そう言われましてもねー。」

だから言葉を濁す。 因みにその間に自分の頭脳は、キッパリ断るのかストレス発散ついでに怒鳴って追い出すのか、曖昧な態度を貫いて蛙男が諦めるのを待つのか悩んでます。

「ひゅひゅひゅひゅっ。」

考えが散るからそのキショい笑い声止めてくんねーかな?。

「これはこれは、やはりイッヒ様でも難しいですのかな?。」

いや、むしろ自分だからこそ難しいんだが。

「ひゅひゅっ。それでしたら、これでは如何でございましょう。」

と、脂ぎったキモい笑顔のままそう言うと、パンパンと両手を叩くガマ蛙男。

その仕草一つ一つに気持ち悪いと感じてしまう。

嗚呼、気持ち悪い。

とかなんとか思っていると、

ガチャリ

と、ドアが開いて

ドヤドヤ

と、部屋の中に入ってくる

美人美女、美少女少女おまけに幼女。 

計5名の女性達。

全員が灰色のコートで全身を包み顔だけだしている。身長が高く、金髪ロングに綺麗と表現できる顔つきの美人さんに、銀髪ショートで背中から烏のような羽根が生えてる美女さん。同じく銀髪ショートで羽根が生えてるけど、頭一つ分背が低い美少女に、赤みがかったセミロングの綺麗というより可愛いと表現できる少女。んで、一人だけずば抜けて背が低く、白髪ロングから獣耳が生えてる小学生クラスの幼女。



はい、意味分からん。


「ひゅひゅひゅっ。どうですかな?」


だから、意味分からん。


とりあえず横一列に並んだ女性達から視線を向けたくないけどガマ蛙男に移す。

「・・・どういう意味ですかね?」

そして聞いてみる。

だって意味分かんねーもん。後ろに美人をずらーっと並べて‐どうですかな?‐とか言われても困ります。


どうしろと?



「ひゅひゅっ。もし、イッヒ様が魔帝閣下様に規制撤廃を進言して下さるのであれば、この女どもをイッヒ様に差し上げましょう。」


は?


ナンダッテ?


「ひゅひゅひゅひゅっ。どうですかな?、ワタクシが取り扱っている『商品』の中でもとりわけ高級なものどもです。噂ではミーキャット族の子供をお好きと聞きましたが、残念ながらそちらは用意できませんで、代わりにワーウルフ族の娘をご用意致しました。」


そう言うと、パチンと太い指を鳴らす蛙男。

すると後ろに並んだ女性達が突然着ていたコートを脱ぎ始めやがった。

なんじゃこりゃ?

とかいう間に全員コートを脱いで下着、らしきスッケスケの薄いネグリジェらしき服?一枚の格好なってる。


いやマジなんだこの展開?

いやホント自分に一体全体どうしろと?


いや焦った、思わず視線をテーブルの上に落としてしまいましたよ。

直視なんかできません。

ヘタレでは無く紳士です。

そのな自分20歳の夏(?)

詳細というか彼女達のナイスバディを詳しく描写して欲しかった方々残念でした。


じゃなくてっ!!。

えっ?

何何この状況!?

スッゲーおいしい・・・じゃなくて、据え膳喰わねばじゃなくて・・・ああ、待て待て混乱してる!?。


「ひゅひゅひゅひゅっ。この『商品』どもを手に入れるのには苦労しました。ですがイッヒ様が魔帝閣下様を説得してくれると言うのであれば惜しくはありません。そうですな・・・」


いや、てめえ話なんかどうでもいいんだよ蛙男。今一生懸命考えてるんだから。

よし、まずは状況をまとめよう。えーっと、この蛙男は奴隷禁止宣言を阻止したいと。その為に自分にエーリカを説得させたいと。

んで、自分を買収する為にこの女性達を連れてきたと。

アレだよなー、確実にこの女性達って奴隷だよなー。蛙男の奴『商品』とか暴言吐いてたし。

ならどうするよ?

まさかこの女性達を貰ってエーリカを説得するか?

いやいや、自分は小心者で卑怯者だが流石に人間辞めて無い。

流石にそこまで落ち無い。

視線は直視できずにテーブルに落ちてるけどね。


うし、決めた。

もう、いいや。

結論は決まってたけれど方法も決めた。

この蛙男に考える限りの最悪な方法をやってやろう。

じゃあーー 



「イッヒ様!?」

蛙男の驚いた声

そりゃそうだソファーに座ってうつむいていた自分がいきなり立ち上がったら驚くだろう。

「い、一体いかがされました?」

だけれど無視。

視線すら向けずに歩く

スタスタスタスタ歩く

途中エロい格好の女性達が居たが無視して間を通り抜ける。ビクッと怯えた女性達にひねくれ精神で気にも止めずに擦り抜ける。

振り向くことなく出入口まで普通に歩く

そしてドアに手を掛け

「・・・しばらくお待ち下さい。」

そう言い放ち部屋から出た。

ドアを閉めることなく廊下に出た。

背中に困惑した視線を感じながら。


■■■


■■■


面白いことに、ドアを開けた状態にしておくと取り残された人(今回は魔族)は大概の行動が出来なくなる。ドアが開いてるせいで外から見られてると思い下手に動けないし、会話だってしにくくなる。部屋から出るのもあまりにあからさま過ぎて疑ってしまい出れない。

とかなんとか、あの場で自分がそこまで考えていた訳もなく。ただ単に閉め忘れただけだったりするけどそこは割愛して

「お待たせ致しました。」


開け放たれたままのドアから自室に入る。

放置したままの蛙男達の所に舞い戻る。

視界に写るのはソファーに座ったままの醜い蛙男と立ったままのエロい格好・・・ガン見してないよ?の5人の露出狂ギリギリの方々。

紳士ですから。

日本男子ですから。

とかまあ、そんなことは置いといて(出来ればちゃんと服を着てて欲しかったが・・・)。自分が一旦部屋を出てから約5分。戻ってきた自分“達”を見た蛙男と美人美女美少女少女幼女達は、一瞬驚き、その後困惑、そして驚愕、更に真っ青。

それらを無視して自分”達“は最初座っていたソファーまで歩く。

限界まで見開かれた瞳の間をすり抜けてソファーまで歩く。

ただし座らない。

自分“は”座らない。

代わりに金髪で碧眼に黒衣の寝間着にゆったりとしたバスローブらしき黒い服を着た女性が座る。

もうお分かりですね。

名乗らずともお分かりですね。

そう!、我らが愛すべき馬鹿。

魔帝閣下 エーリカ・フォン・バルト様です。

『ふぁ〜〜む。一体なんですかイッヒ〜。私はそろそろ寝ようとしてたのに〜。』

少々不機嫌で若干眠そうで全然状況を把握してないけどね。

ろくに説明せず連れて来た自分が言うのもあれだが、しっかりしてくれよ?。こっからが貴方が主役です。

だって、

「さて、ルロイ・ターリンさん。奴隷・・・失礼、人材派遣制度の規制を取り止めて欲しいとの話しでしたね。残念ながら自分からでは説得できそうもありませんでしたので、どうぞ直接


魔帝閣下様に


お話し下さい。」

こうなるんだから。

『えっ?、はい!?、ほえ?』

あっ、すいませんエーリカさん説明不足でしたね。

『適当に合わせて下さい。』

『へ?、え?、合わせるってイッヒ?』

『あっ、なら少し黙っていて下さい。』

『あっ、はい。?』


さて、話しについていけてないエーリカはとりあえず放置して、蛙男はっと・・・ふむ、真っ青な顔色で表情は愕然か。まっ、そりゃそうだよなー、まさか自分がエーリカを連れて来るとは夢にも思わなかっただろ。なんたってエーリカにバレない為にわざわざ自分の所に来たんだろうしね。

御愁傷様です。

さて、この蛙男はこの状況をチャンスと取るか絶望ととるか・・・。

「ひゅ・・・ひゅひゅ、ま、魔帝閣下様にあらせましてはご機嫌麗しゅうございます。」

おっ!、流石はバルケン城に乗り込んで魔帝の付き人を買収しようとするだけはある。この状況で会話を試みるとはねー。いやいやスゴイスゴイ、

でも。

そうはいきません。

逆転なんかさせません。

ということで

『ではエーリカさん。未だによくわからないとは思いますが、自分に続けて言って下さい。』

『え?あ!はい。』

ちょっと短縮、

それじゃあーかるーく、やりますか。


『「一体何事ですかイッヒ?このような夜更けに私を呼び出すとは・・・知っているでしょう?、私がこの世で最も嫌いなのが睡眠時間を奪われることと


賄賂と


奴隷商人


だということを。」』


「え゛っ?」


気勢を制す。

交渉の余地なんか与えません。

テーブルの上には未だ置かれたままの布に包まれた‐何か‐、まあー十中八九、金塊的な物だろうけどー完璧な賄賂ですね。

後ろ(自分からすれば前)に並んでいる直視できない(チラ見もしてません!)女性達は完璧に奴隷、ついでに自分に奴隷商人だとカミングアウト済み。

エーリカが嫌いだと言った要素を全て兼ね備えていますねーーー蛙男さん。

「お゛お゛お゛ー!?」


どうしました?、声が出てないですよ?、そっちが言わないなら・・・こっちから言いましょう。

「申し訳ありませんエーリ・・魔帝閣下様。何分こちらに居られます“奴隷商人”のルロイ様がこの“粗品”と、そちらに並んでいる“奴隷さん達”を贈呈するから奴隷禁止宣言を取り止めて欲しいと言われして、このような重要な用件を流石に自分の一存では決めかねますのでお呼びしたしだいにございます。」

はいトドメ。

言い訳出来るもんならしてみやがれ。

言い逃れ出来るもんなしてみやがれ。

『そうなんですかイッヒ!?』

やっと状況が把握できましたかエーリカさん。

『そうなんですよ。』

『・・・クズですね。』

うはー今日のエーリカさん何か辛辣。

はてさて、エーリカさんにクズ呼ばわりされた蛙男さんの反応はっと


「ひゅひゅ・・・ひゅひゅひゅひゅ・・・ひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅ!!。」


爆笑っ!?


右手で顔を覆って上を向いて大口開けながらの爆笑!?

開き直った!?

探偵ものによくある追い詰められた犯人がーバレてしまっては仕方が無いーとかいう奴ですか?

もしくは壊れた?

「・・・ほえ?」

ほら見ろ!、状況についていけずにエーリカの奴キョトンとしちゃったじゃねーか。

「ひゅひゅひゅひゅ、まさか・・・まさかそのような手段を取るとは思いにもよらなかったですなイッヒ様!」

自分ですかー!?

「ひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅ。」

だから笑ってちゃわかんねーよ。

「・・・何がおかしいんですか・・。」

「ひゅひゅひゅうふふふふふふふ。」

ってアレ?。なんかどっかで聞いたことある笑い声が聞こえたような・・・エーリカはキョトンとしたままだし・・・アレ?

「うふふふふふふふ。」

なんか笑い方が上品な感じに変わってるんですけどこの蛙男!

「うふふふ、やっぱりイッヒ君は面白いわ。」

んっ!?

アレ?、アレレ?。この世界で自分を君付けで呼ぶ存在は一人しか知らないぞー?

「*MbHP**□fMJ○☆※GGDHh***YDCG」

なんだなんだー今度は呪文ー!?


ボンッ!


っと、一瞬蛙男が煙に包まれたかと思ったら

「ハァーーイ。」

やたらと扇情的なポーズのお姉さん・・・ドーラ公爵が座ってましたとさ。

とさ。

とさ?


「「えっ?」」

何で吸血公爵ドーラさんが居るの?

さっきの蛙男はどこいった?

蛙男がドーラ公爵に変身?変わり身?イリュージョン?様変わり?

「うふふふ、申し訳ありませぬ閣下。僭越ながら御付き人であるイッヒ君を少々試させて頂きました。」

「は?」

「へ?」

えっと。

えーーっと。

えーーーーーっと。




「「どういうこと?」」

あっ、エーリカとセリフ被った。


ゴメン!


ということで切れのよい数字で切れの悪い終わり方の三十幕でした。

いやー、もうコイツ主人公じゃねーよという行動のイッヒですね。虎の威を借る狐とは彼のことを言います。普通の主人公ならあそこで蛙男を殴ったりするんでしょうねー。

熱血?何ソレ食えんの?

悪人?ただの最悪です。

破綻してんなーごめんなさい。

ではここで裏話を一つ

今回、若干エロ危ないシーン、つーか下着姿になるシーンがありますが、15歳指定とかしたくなかったので細かい描写をしていません。決してイッヒがヘタレのだからではありません。ロリコンでもありません。

もう一つ裏話を

実はドーラ公爵なんですが、最初変身するのは蛙男ではなく5人の内の美人さんになる予定でした。が!、これ以上キャラを増やしたくなかったのでチェンジしました。結果イッヒがボロクソ言った存在がドーラ公爵でしたというオチに・・・ま、いっか。

そんなこんなで続きます。

では、終わり方を見失った作者でした。

次回もよろしくお願いします。

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