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第二十幕 黒球酷救

この話では、残念で残酷な描写が多々あります。


この物語はフィクションですか?。

はい、そうです。

「のうお前様よ。」

「なんだよ濡恵ぬえ。それとその呼び方を止めろと何度言ったらわかるんだ!?」

「お前様の弟はまだ見つからんのか?」

「無視か!無視なのか!?」

「お前様の覇気が無くて死んだ上に眠そうで淀んでくすんだ瞳をした弟はまだ見つからんのか?」

「人の弟をどう表現してるんだよ!。そしてその”お前様”を止めろ。」

「お前様の死んだようで、沈殿していて、廃れていて、荒廃していて、諦めていて、捨てていて、霞んでいて、何か見ているようで、何も見ていないようで、遠くを見つめているようで、近くを見逃しているようで、呆れているようで、嘆いているようで、起き抜けのようで、眠る直前のようで、お前様に似ているようで、お前様とはまったく逆の瞳をした弟は・・・なんじゃったか?」

「だから人の弟の目をそこまで言うことないだろうがっ!。しかも本題忘れているし!。あと”お前様”をヤメロ!!」

「腹がへったの~~。」

「話を聞けぇぇーーー!!。」

















■■■











魔法というものが世界にはある。

正確には今自分がいる異世界に普通にある。

まあ、自分にはまったく使えないけどね。

それはともかく。


‐魔法‐


炎やら氷やらを造り出し、風を生んで空を飛び、傷を癒して念での会話を可能にする。

物理法則や質量保存の法則をガン無視する荒唐無稽の不思議現象を魔力やら精神力といったあやふや不確かな根拠と意味不明な規則で発現させる空想願望の産物。


それが魔法。

一回二回説明されたぐらいでは理解できないし、というか十回百回講義されても許容できない。

まあ、それなりに奥が深い技能だろうし、いろんな系統と多種多様な性能とピンからキリまでの威力があるんだろう。


さて、

何故、今更ながら魔法なんてものの話をするのか。

それは目の前の光景を説明する為。

というか魔法とでしか説明出来ない。

手品でしょとかトリックがあるはずとか、そんなたわごとなど挟む余地が無い光景。


狂って発狂して突撃したエーリカが咆哮と共に右手を突き出した瞬間


――ウォン――‐‐‐


‐黒‐が、

黒としか言いようが無い球体が爆発したように現れ、そのまま突き出された方向に物凄い勢いで‐発射‐されていった。

直径1メートル。黒く黒く黒く、暗く暗く暗く、闇に墨を足して絶望で割った、名付けるなら暗黒球とかブラックボールとかそんな感じの黒い球体。

鉄球ように固そうで、霧のように朧気で、真珠のように艶があり、何より黒い。

そんな球体。


その球体が通った進路上にあった敵兵は、いや、敵兵どころか剣も槍も盾も馬らしき生物も旗も炎も氷も岩も大地でさえ、

綺麗に‐えぐり取られて‐いた。


「・・・は?」


意味がわからない。

というか、何この現象?

なんであ「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁ!!」


えっ!?

あっ!?

はぁ?


ちょっ、ちょっと待て。

悲鳴で思考が一時中断されたけどちょっと待てっ

「!っ!――!!――――――――――――――――――――!!ァ!!!!ア!!‐‐!!‐―ぁ――¨¨¨――!!!¨!!¨っ¨!!¨¨!―――――」

だから待てってエーリカ。

また右手突き出して




‐‐‐‐‐‐

ゥゥウオンーーーーーーー!!!!!

‐‐‐‐‐‐




ははは、

もう笑うしかないんだけど、

マジで何あの球体。触れたものすべて”えぐり取られて“いくんだけど。肩が当たれば肩を、首が当たれば首を、全身が当たれば全身を、黒い球体の輪郭にそって綺麗に、まるで元から存在しなかったかのようにえぐり取られていくんだけど。壁にぶつかれば消えたり、威力が弱くなる炎や氷や風と違って、何にぶつかろうがどれだけ飛ぼうがまったく関係なしに触れるもの全てをえぐり取っていくんだけどあの球体。

構成物質は何?

ヒュウォンーーーー

あっ、また出た。

すげー、物理的硬度とか無視ですか。

あっ、なんかデカイ奴が出てきた。あの牛頭はネロガイウル男爵、流石にエーリカの反則魔球でもマズイんじゃね? 

「・・・・・ふふっ。」

そこで笑いますかエーリカさん。

「ざずが魔帝閣下でずな。ぞんな隠し玉を持っでいだどは。だが、いぐら恐ろじい魔法でも、当だらなげれば意味が無い。」

相変わらずな濁音でなこのミノタウロスは、しかし言ってることはもっともだ。

両者の間は10メートル。間にいた敵兵はみんな”えぐり取られた”から誰もいない。

まさかの一騎打ちですか!


どうしますエーリカさん?


「ふふふ、ふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっぁぁあああーーーーー!!!!」


狂気の咆哮。

音も無く吐き出される黒き球体、

「だがら当だらぬど!」

ズダンと音を立てて横に避けつつ接近する牛もどき

「ひっ!?あぎゃぁーー!」

巻き込まれる後方にいた敵兵。

「ーっ!!ぁあああ!!」

物凄い肺活量で叫ぶエーリカが2球目を発射。

「ぬぅ!」

ちょっと慌てて避けつつ更に接近する牛頭男爵。

「こっち来るなーー!あ?」

更に巻き込まれる敵兵。

と、エーリカとネロガイウル男爵の距離が2メートルまで近づいた瞬間


「ーーーーーーーーー。」

エーリカの右手から3球目、4球目、5球目、6球目続けて7球目、8・9球目、10・11・12・13・14・15球目ほとんど同時に16、17球休む暇なく18、19、20球。

連射。

機関銃、いや、機関砲の如く乱射される黒球。


「ばっーー‐‐」


流石に避け切れずに上半身直撃するネロガイウル男爵。黒い球体に身体が包まれたかと思うと下半身と両腕だけ残してこの世から”えぐり取られて”いっちゃた。

つーか、半ば零距離であの大きさの黒球を連射されたら避けるのは無理だろ。

「!!ーー‐ああぁぁ、ぁぁ、ぁ、ぁー。はぁ、はぁ、はぁ。」

叫び終えて息切れするエーリカ。若干チアノーゼのように顔色が青い。だけど口元は笑顔。物凄く笑顔。碧眼の目は限界まで見開かれて焦点が彼岸を向いているっぽい。


怖っ!!


と、必死にエーリカを眺める。できるだけエーリカ以外を見ないようにする。

だって下半身だけになったネロガイウル男爵が転がってるし、乱射に巻き込まれた敵兵が悲鳴と断末魔を上げてのたうち回ってるし、悲鳴すら上げることなく腕とか脚だけになった敵兵が散らばってるし、当たり一面血の海だし。


恐っ!

てか、グロっ!!


「きひ、きひひ、きひ、さ、流石は魔帝閣下だぜ。」

いや、まさかあんたの言った通り強いとは思っていませんでしたよシュルツさん。


「エ、エーリカ様?」


驚いてますねミケさん。そりぁー、かつての親友があんな風になったら驚きますよね。というか付き合いの長いミケさんもあの黒球のことは知らなかったんですか。

うーん、これはエーリカ本人も知らなかったってパターンかな?。いや、でもあの右手を突き出すポーズは前々からやってたしな。もしかして使えたけどあれだけの威力が無かったとか1日1回が限界とかそんな理由でもあったのかな?

うーん、まあ、いいや。

とにかく今は考えるのを後にしよう。

ほら、ネロガイウル男爵が敗れたことで敵兵が浮き足だってるし。つーか浮き足だってるとか以前に、エーリカの黒球乱射で壊滅状態になってるから自分が殺される危険性が大分下がったしね。

とにもかくにも今はせっかく拾った命を守る為に安全圏を探しますか。

ほら、チョーシにのったエーリカがまたあのデタラメ黒球を乱射し始めた。

一人殺せば殺人犯で、千人殺せば英雄だと言うけど。あれは英雄とは呼べないな〜。ベルセルク、バーサーカーもしくはただの馬鹿と呼ぼう。


そっちに攻撃したら味方を巻き込むだろうが馬鹿!


と、そそくさシュルツさんの背に隠れつつエーリカを観察。今後の精神的安定の為、なるべく視界に惨状を写し込まないよう心掛けながら。

まあ、エーリカを眺めている限り嫌でも惨劇が見えるんだけどね。


‐ブゥオンーー!

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」

‐ヒュオンーー!

「ぎ!う、う、腕がぁぁーー。」

‐ゥオンーー!

「逃げろぉーー!?ひぇ?」

‐オンーー!

「シャルル!?ち、畜生っ!て、うわぁぁぁ!!」


「ふふふ、ふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


エーリカ笑う

黒球飛ぶ

敵兵えぐられる

エーリカ笑う

黒球飛ぶ

敵兵消える

エーリカ笑う

黒球飛ぶ

敵兵逃げる


中世の合戦に現代戦車を投入したらこうなるんじゃないかという無双っぷりのエーリカ。一応味方の兵士も戦ってはいるんだけど、エーリカのインパクトが強すぎて擦れてしまう。ついでに何人か巻き込まれてると思う。

まあ、いいや。

自分が無事ならオッケーです。


なんて、自分第一の最低思考で虐殺シーンを眺めていたら、数分もしない内に敵兵が散を乱して逃げたし始めた。

頭のネロガイウル男爵が討ち死にし、獲物だったエーリカが笑うしかない程のチート魔法を乱射しだしたんだから当然と言えば当然かな。

奇襲失敗、部隊壊滅、大将討死。

敵兵にとって今日程予想外で最悪な日はなかっただろうね。

だってほら、戦意喪失して逃げ出したっていうのにエーリカさんったら笑いながら追撃してるんだもん。

黒球ならぬ酷球。

なんつって。

と、不謹慎極まりない、本当に空気の読めない思考でエーリカを観察していたら、

「エーリカ様っ!!」

ミケさんが大声で叫んだ。


危機は去ったし、いい加減発狂したままにしておくのもアレだからいいタイミングでの発言だったと思う。

幼少時代からのミケさんの声ならエーリカも正気に戻るだろう。なんて考えながらシュルツさんの脇でエーリカが正気に戻る様子を見ようとしたら

「ふふっふふぁぁぁぁaaaaaa!!!!!」

エーリカ正気に戻らず。

声のした方に振り向きながら

後ろを右回りに叫び振り返りながら

時計回りに右手をかざしながら振り向いた


ここで自分の位置関係を把握しておこう。

左側に叫んだ体制でミケさん。右側に盾代わりのシュルツさん。エーリカさんと自分の間には誰もいない。そして自分はエーリカを凝視していた。

運悪く凝視していた。

更に運の悪いことにエーリカは右回りに振り向いた。

だから、

ミケさんより早く、そして致命的に顔を合わせてしまった。

”目”が、合ってしまった。

エーリカの限界以上に見開かれた碧眼の瞳に、自分の死んだような黒眼が写り込んでしまった。

「え?」

「---!!」


―目標ロックオン・セット・ファイア―


そんな幻聴が聞こえた気がした。

つーかマジで待て!このパターンヤバイだろ!

『エーーリカさぁぁんんー??!!』



「---ぁぁ!!???イッヒ?」

瞬間・エーリカの瞳に正気が戻った気がした。

瞬間・エーリカの右手から発射された黒球が自分目掛けて無慈悲に飛んできた。


「!!!!」

叫び声を上げる暇も無い。襲い来る確実な”死”に抗う術なんて無い。動けなんて肢股に念じる間も無く、脊髄が、本能が、自分を構成する細胞の一つ一つが生きたいと願い渇望し祈る。

がむしゃらに動く。

無秩序に行動する。

思考はフリーズし脳髄は凍結し無意識と悪運だけに身を委ねる。

上体が後ろに、両足が地を離れ、生まれてこの方ずっと一緒だった重力に惹かれるように、ただ顔だけは迫り来る黒球だけを見つめたまま

「___ぁ___」

迫り来る黒球が視界の奥からやがて水晶体すべてを黒く黒く黒く埋め尽く。

一瞬か刹那か数秒か数分か永遠か久遠か

ただ、なにもかもが黒く埋め尽くされた。

ただ、なにもかもが”えぐり取られた”。













ゥゥウオンーーーーーーー!!!!!

















ずしゃぁぁーーーーーー。






「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」















空が青い。

なんだ、今日はこんなにもいい天気だったのか。


って

「生きてるっ!?生きてるっ??えっ、自分生きてる?えっ、えっ、生きてる!。ねえ自分生きてますミケさん??!!」

思わずミケさんに聞いてしまう。

つーか大丈夫だとね!腕とかちゃんとあるよね。首から上もついてるよね!?

両手で体中を触れてみる。手、ある。足ある。顔ある。腹、ふともも、耳、口、指、肩、ある、ある、あるあるあるあるあるあるあるあるあるある。

ちゃんと全部ある。

五体満足ある。

あっ!無い。

無い。

頭が無い。

じゃ生きていけねーよ!。

待て待て自分。

落ち着け自分。

無いのはどこだ?

頭のてっぺん。

そこはトンガリ帽子兜だけで中身は空だよ。

よかった。

マジ良かった!!

生きてる。

自分超ーー生きてる!!

ドキドキと、

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキと、

心本来の限界スピードを超えて音を立てる心臓に”生”を実感。

と、


「きひ、ひひ、きひひひひひ。大丈夫かいイッヒの旦那ぁ?」

頭上から覗き込むように視界に現れたシュルツのにーちゃんが心配そうに言う。

「だ、だいじょうぶです。」

限界まで見開かれた目で赤目をみながら言う自分。

いや、実際は腰が抜けて立てないほど大丈夫ではないんだけどね。怪我は無いという意味では大丈夫ということで。

「きひひひ、よくあの距離で避けたなぁー。イッヒのだんなは運がいいぜ。」

運が良かったらこんなめに合いませんよ、とは言えずとりあえず黙る。

いい加減立ち上がりたかったけどいかんせん腰が抜けている状態なので仰向けに倒れたまま考える。


”運が良かった”


そう、結局自分の命を救ったのは英雄でも隠された力でも無く、ただの運。偶然、奇跡、悪運、それだけ。

あと1メートル自分とエーリカの距離が近かったらアウトだっただろうし、後ろ向きにではなく前向きに倒れ込んでいてむバットエンドだっただろう。

しかし皮肉だね、エーリカの黒球に巻き込まれないようにエーリカを凝視していたせいで逆にエーリカと目が合ってしまいデタラメ黒球に襲われるハメになるとは。

やっぱ運が悪いんじゃねーか。

てか、そういえばエーリカは?

まさかあのまま発狂しっぱなしってことはないよね?

叫び声と笑い声が聞こえないってことは正気に戻ったのかな

「イッヒッ!!」

エーリカに名前を呼ばれた瞬間、抜けていた腰が一瞬で戻り、生涯最速じゃないかというスピードで仰向けの体制から立ち上がった自分。

すべて脊髄反射の粋

どうやら自分の中では、エーリカが恐怖の対象となったようだ。

それもかなり高レベルで。

「イ、イッヒ?」

困惑したようなエーリカの声

ご自慢のやや長かった金髪は乱れたままだけれども、着ていた黒い鎧ドレスは汚れたままだけれど、顔も涙やら赤いなにかやらで酷いありさまだけれど、口元には笑みは見当たらないし、何よりその碧眼には


いつものようにオドオドしたような、それでいてのほほんとした光が灯っていた。






お帰りエーリカ。 






さて、一応確認しときますか?

「エーリカさ・・・魔帝閣下様。気分はもうよろしいのですか?」


気分とかの問題じゃない気がするけど、


「え?、え?、気分?、気分は大丈夫ですよ?」


うん、いつものエーリカの反応だ。

ようやく安心。

ふぅーと息をつきながらいつでも左右に避けれる態勢から楽らくにする。

トンガっていた帽子兜の位置を整えてパンパンと服に付いた汚れを軽く落とす。

相変わらず心臓はドキドキドキと高速勤務中だけどね。


「お怪我はございませぬかエーリカ様っ!」

抱きつくんじゃないかという勢いで駆け寄るミケさん。端からみたら頬笑ましいが、ミケさんがエーリカの名前を呼んだせいで自分、殺されるかけましたからね?


きひひと笑うシュルツさんがやれやれと剣を鞘に収め、漆黒の鎧を着た兵士達が周囲を警戒しながらも剣を振るうことなく立っている。どうやら敵兵は全部逃げ出したみたいだ。

合戦、というか奇襲から始まった一方的な虐殺もようやく一段落したみたいだね。

いやー、よかったよかった。


ではいつもの念話を。


『エーリカさんエーリカさん。』

ミケさんにケガはないかと過剰なほど触られているエーリカに話しかける。

『は、はい、何ですかイッヒ?』

『あんな隠し玉があるなら最初から使って下さいよ。しかも自分まで殺しかけるし。』

『え?、なんのことですか?』

え?、まさか覚えてない?

『え〜〜っと、なんだか記憶があいまいで、気が付いたらイッヒが面白い表情で仰向けに倒れていたんですけど・・・。』



スタスタと歩く自分。

『イッヒ?』

エーリカの目の前に到着。

ここはアレですよね?

人を殺しかけといてその反応。

怒っていいとこですよね?

つーか怒りました。


ビュン。

ベシっ

と、金髪の頂点にチョップ炸裂

「イタっ!?」

身長の関係で威力が落ちたのが残念。

なんで自分より高いんだよ!

「エーリカ様に何をしますか!!」

「!?がふっ」

瞬間真横に視界が強制スライド

同時に左脇腹に熱く強烈な圧迫感。

ドシャーとスライディングしながら自分がいた場所を見れば、ミケさんがキックしたポーズで止まっている。

因みにエーリカは涙目に頭を押さえている。

「きひひひひひひ。」

シュルツにーちゃんの笑い声を聞きながら再び仰向けに地面と友達となる自分。

やっぱり今日はいい天気だ。










異世界に来て

合戦を二度経験して。

ケガをした理由がネコミミメイドによる回し蹴り。

「痛い。」


なんだそりゃ。


まあ、いいや。

生きてる。

生きているなら、これからのことを考えよう。

例えば、どうやって元の世界に戻ろうかとかさ。





定例の謝罪を。

どうもすいませんでした。

前話の最後にエーリカが死んだと思われた方がいました時の為に謝っておきます。


はてさて、さてはて。

主人公最大のピンチの乗り切り方が他人任せ。しかも前話では死ぬことを普通に覚悟してるへたれっぷり。代償として今回では、一番安全だと思ってたエーリカに殺されかけます。トレードマークのトンガリ帽子兜が、トンガッてた帽子兜にジョブチェンジ。頭だけ食べたトンガリ○ーンみたいな感じになってます。

さて、冒頭の会話にてお兄さん登場です。ついでに彼女っぽい存在もオプションでいます。お兄さんはツッコミ役です。ノリよくツッコミをしてくれるキャラクターです。まあ、本編には出てこないんですけどね。

この物語が終了したらお兄さんと濡恵の話を書きたいなーと思ってます。

あくまで思っているだけです。


では、次回に続きます。


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