第十四幕 合戦応吐
今回は残酷な描写や残念な描写があります。ご注意下さい。
孫子曰く
兵法とは詭道なり。
ようは戦争なんて所詮騙し合いでしかないらしい。
■■■
「なんで自分はこんなとこにいるんだろう?」
と、誰に言うわけでもなく言ってみる。
いわゆる独り言。
当然だれも反応してくれない。
「第8中隊は左翼に廻れ!第12中隊っ!本隊の右に付け!」「走れ走れっ!」「第2、第3、第4中隊はわらわが指揮するっ。横隊になり本隊の左に並べ。」「槍組は前へーっ!」「第1騎兵隊集合ーっ!」「弓組はそっちじゃないもっと左だっ!!」「荷駄隊は後方に集合!何してるっ!急げ!」「さっさとしろノロマ!」「閣下の馬車を下げろっ。違うっ!そっちじゃないこっちだっ!!」「隊長ーっ」「伝令ー!」「第2騎兵隊準備完了っ!いつでもいけますっ!」
まあ、反応できる状態ではないようだけど。
『はわわわわわわわわわわわわわわ、ハワワワワワワワワワワワワワ、はわわわわわわわわわわわわ、ハワワワワワワワワワワワワワ、はわわわわわわわわわわわわ、ハワワワワワワワワワワワワワ、はわわわわわわわわわわわわ。』
んで、一番テンパっていると思われるのが、自分の横に立っているエーリカさんである。
『ききききききき来ちゃいまままましたぁぁぁ。」
そう、来ちゃいました、というか着いちゃいました。
戦場に。
ほんと、なんで自分はこんなとこにいるんだろうね?
真ん中に街道が一本だけ走る広い草原。その草原の片側に自分達がいる。つーか陣形を組んでる真っ最中。まあ、部隊ごとに横に並んでいるだけなんだけどね。
さて、戦場ということはもちろん敵さんもいるわけで、というか敵がいないでだれと戦う気だよとなるわけで、ロッソ伯爵だっけか?そいつが率いる反乱軍が自分達の反対側、てか向こう側に陣形を組んでる。まあ、結局横に並んでいるだけみたいだけど。
そんなところで自分は普通に立っている。周囲にはエーリカとグナイゼナウ大公とカイテル伯爵とドーラ公爵さんに黒い鎧を着た兵士が多数。ミケさんは荷駄隊と一緒に後ろに下がったみたい。自分もさりげなく後ろに避難しようとしたんだけれどもエーリカに見つかってしまい、半ば強制的にここで、陣形を整えている兵士さん達の前で、反乱軍を眺めていたりする。
ちょっとピンチ。マジで前線、まさに最前線。
”カチッ”
「ふむ、予定ではまだ遭遇しないはずでしたが、・・・随分と急いだようですなロッソ伯爵は。」
なんて、自分の横でそう言うのはカイテルさん。
白髭を撫でながらバリトン調の渋い声で話す姿は非常に落ち着いている。
「メイダース殿とモーデル殿はいかがした?たしか自領に戻り反乱軍を足止めしているはずであろう?」
ドーラ公爵が訪ねる。
「あの旗を見ろ。あ奴等め、裏切りおったわっ!!」
「あの二人が加わったとなれば反乱軍の数は8000を越えておるでしょう。我々の約二倍ですな。」
反乱軍を指差しながら憎々しげに答えるのグナイゼナウ大公。それにカイテル伯爵も相槌を打つ。
そう、パッと見ただけで反乱軍の数が自分達より多いのがわかる。
はっきり言ってかなり不利だ。
「なに、所詮反乱軍なんぞは寄せ集めの傭兵共だ。ワシら魔帝国精兵に敵うまい。」
なのに自信満々のグナイゼナウ大公
その自信を少しでも分けてほしい。
ねえ、エーリカさん?
『はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ。』
ついでにカイテル伯爵から落ち着きも分けてもらったほうがよさそうだね。
”カチカチ”
「閣下っ。左翼準備完了しました。」
「右翼。戦闘配置につきました。」
「魔帝閣下。中央の準備は万全です。」
と、各隊からの伝令によって陣形が完成したことが告げられる。
その伝令に対して、スッと右手を出して静かに了解の意を告げるエーリカ。
のように見えるけど実際は、
『ままままって下さいいい。ままだ心の準備ががああぁぁ』
喋ることも出来ずにストップの意味で右手を出しただけでした。
ハッと、敬礼して去って行く伝令を見ながら、勘違いって怖いねと、逃避するように考えてしまう。
「ふむ、どうやら向こうも準備が完了したようですな。」
と、完全に逃避する前にカイテル伯爵の言葉で現実に戻される。
見れば反乱軍の動きが止まっている。そして中央付近から馬(?)に乗った太ったオッサンが出てきた。ああ、ロッソ伯爵だったか。
「・・・我々は民を苦しめ、いたずらにルフトバッフェの地を混乱に落とし、暴虐の限りを尽くすエーリカ・フォン・バルトを誅するために兵を上げたものである。現在の魔帝国の政治は余りにも腐毒し・・・我らが更なる栄華を手に入れるため・・・旧態以前とした体制を今こそ改革し・・・今ここに正義にを・・・。」
なんか言ってるし。
名乗りかね?
肥ったオッサンが叫んでいる姿は滑稽にしか見えないぞ。
「ふんっ。阿呆のロッソが何か叫んでおるわ。」
「ふふ、負け犬の遠吠えでしょ。」
「あれでは味方の鼓舞にもならんであろうに。」
グナイゼナウ大公、ドーラ公爵、カイテル伯爵の反応も散々な様子である。
『私は・・・そんなことして・・ません。・・してません。』
あっ、一人だけすげーダメージ受けてる奴発見。
うつむいて今にも泣きそうだ。
まあ、大声で悪口言われてるもんだもんな。
そりゃあショックを受けるわ。
『気にしたら負けですよエーリカさん。この段階で負けてどうするんですか。』
口先で励ましておくか。まあ、念話だけど。
『あ・・・はい。ありがとうございますイッヒ。』
『どういたしまして。それよりほら、太っちょロッソの演説が終わったみたいですよ。こちらも何か言わないんですか?』
念話でエーリカを促す。
えっ?っと、エーリカが顔を上げて反乱軍を見る。
言いたいことを言ってすっきりしたのか太っちょロッソが馬(?)の上で叫ぶのを止めてこちらを黙ってみている。
゛カチカチ゛
『どうしたんですかエーリカさん。名乗り返さないんですか?』
もしかして決戦前の名乗りって日本だけの文化なのかね?
というかアレって名乗りなの?
『ななな何を言えばいいんでしょうか?』
あ、やっぱ何か言うみたい。でも緊張して何も言えない。それがエーリカ・クオリティー。
ではなく。
『例のごとく自分が補佐しますよ。ほら馬(?)に乗って下さい。手綱は自分が引きますから。』
『は、はいぃ。』
うん、やっぱりこうなるのね。というかこうするしかないわけで。
゛カチカチ゛
まずエーリカが馬に騎乗、で、その馬の手綱を持って兵士達の前に出る。
おお、風が気持ちいいね。
ではなく。
やっぱ緊張するなぁー。
『はわわわわわわわわわわわわ。』
少しは落ち着けやエーリカ。
まあ、いいや。
さて、なんて言おうか。てか言わせようか?
゛カチカチ゛
『とりあえず深呼吸して下さい。』
「ヒッヒッフー」
ベタなボケはいらん。
まあ、いいや。
さぁーーて、どうしよう?ヘタな内容だと意味が無いし士気も上がらないからなー。なにか度肝を抜くような言葉・・・。あっ、思いついた。でもなぁ、これは流石に不味いかな?でも面白いかも。
『イッヒ?』
あー、いいや。もうこれでいこう。他のを考えるのが面倒臭いし。
『それじゃあエーリカさん。自分に続けて喋って下さい、出来るだけ大声でお願いしますね。』
『はっ、はい!』
゛カチカチ゛
ではリピート・アフター・ミィ。
『「反乱軍に掛ける言葉など無しっ!!。全軍突撃、不忠義者どもを根絶やしにせよ!!」』
「なっ!?」
「かっ、閣下!?」
「ほほう。」
「「「オオォォーーー!!」」」
『って、イッ、イッヒ!?』
おお、太っちょロッソが向こうで狼狽してる、急いで自軍の中に隠れてってるのが見えるね。
よし、成功成功。敵どころか味方のグナイゼナウ大公さん達も驚いてる驚いてる。
『イイイイイッヒ!?』
ハハッ、エーリカも驚いてるや。
゛カチカチ゛
「「「オオォォーーー」」」
っと、みんなの反応に自分が驚いている横を兵士達が雄叫びを上げながら走っていく。
殺す為に走っていく。
死ぬ為に走っていく。
殺し殺される為に走っていく。
あれはグナイゼナウ大公、一番先頭を走ってるよ。あの狼っぽい人はカイテル伯爵かな?雄々しいね。ドーラ公爵はどこかな?うーん見当たらない。
゛カチカチ゛
『イイッヒ。わ私はどどうすれば?』
『黙って眺めていればいいんじゃないですか?』
気が付けばほとんどの兵士が自分の横を通り過ぎていき、自分とエーリカの周りには漆黒の鎧を着た兵士しかいない。
『かか勝てますよね?』
自信が無い様子のエーリカ。そりゃそうだ、なんたって8000対5000。不利なのは明らか。
でもねぇ?負けたら死ぬわけで、自分はまだ死にたくないわけでして、そのための〈小細工〉をしてるわけですよ、ハイ。
『あっ、反乱軍も動き出しましたっ!。』
そうですか。
馬(?)に乗ってるエーリカより、ただ地面に立ってる自分には視界が低くて見えないんですけど。
『・・・ぶつかる!』
きっとエーリカの目には両軍がぶつかり合うさまが見えようとしているんだろうね。ただ自分には味方の兵士の背中しか見えないわけで、
でも何故か声だけは反乱軍の中から聞こえてきた。
「我らはこれより閣下に味方するっ!それっ逆賊ロッソを討てっー!」
「モーデル隊は魔帝閣下の忠実な家臣である。メイダースに遅れを取るな!反転して反乱軍を討て!」
『え?』
それは裏切ったはずのモーデルさんとメイダースさんの叫び声。
そして、
自分の〈小細工〉が成功した鐘の音。
゛カチカチ゛
さて、自分の小細工の種を明かせば単純なものでしかない。
会議を開いた後、きひひなシュルツにーちゃんに渡すのを頼んだ手紙。渡すように頼んだ相手はモーデルさんとメイダースさん。
内容は、
《裏切れ。そして、裏切れ。》
そんなことを書いておいた。
つまり、反乱軍を足止めする為に領地に戻ったフリをして反乱軍に合流しろと、そんでもって戦になったら反乱軍を裏切って下さいねと。
本当に裏切るかどうかは解らなかったけど上手くいったみたいだ。会議の時に反乱が起きることを予期してたフリをしたのがよかったのかな?
まあ、なんにせよよかったよかった。
『え?え?えぇー?なんで反乱軍が勝手に混乱してるんですかぁー?』
あっ、そっちもうまくいってますか。
よかったよかった。
てなわけで、〈小細工〉の第2弾。シュルツにーちゃんに直接頼んだ手紙の内容、それは。
「メイダース、モーデル公裏切りー。裏切りだぁー。グスタフ隊とヴィンディッヒ隊も裏切ったぞー!!。・・・きひひ・・・裏切りー。」
《反乱軍の中で裏切り裏切りと叫んでくれ。実際に裏切ってない部隊も裏切ったと言ってくれ。》
的な内容だったはず。
よく憶えてないけど。
まあ、ロッソ伯爵側にしてみれば実際に裏切り者が出た以上、今裏切ってなくてもいつ裏切るかわからなくなるわけで、そうなると疑心暗鬼になっちゃて連携もとれなくなるわけで。そんな時に5000の突撃を食らえばどうなるかというと。
「進めーー。敵はは浮き足だっておるぞー!」
「雑魚には構うな!ロッソはドコだー。ロッソを探せー。」
「ひっ、退けー。体制を立て直すんだー。」
「にっにっ、逃げろー。」
「違う、俺達は裏切ってない。反乱軍だあああ・がぁ?」
「こ、こうなっては仕方ない。ヴィンディッヒ隊は魔帝閣下につく。ロッソ伯爵を討てっ。」
ガンガンやられて戦線崩壊、
ドンドン押されて壊走状態、
混乱して錯乱して錯綜して迷走して逃走し始める反乱軍。
仕舞には裏切ってなかった部隊まで裏切りはじめると。
まあ、ろくに戦えない状況に陥るわけです。ハイ。
”カチカチ”
『イッヒ!勝てそうです。勝てます、勝てますよっ!』
そりゃあよかった。
自分的にはうまくいきすぎて怖いくらいです。
予想通りすぎて想定外
想定済みきって予想外
思い通り過ぎて不安
狙い的中したから落ち着かない。
仕方ないんです。根っからの小心者なんですよ自分は。
とまあ、いつものように現実逃避しているわけですが、というか現実を直視できないわけですよ。
いや、だって、ねえ?
最初は味方の兵士の後ろ姿しか見えていなかったんだけども、だんだん乱戦になってきたみたいでして、その、直に斬り合ってる姿やら魔法で焼かれてる兵士が見えるんだよ。
片腕を無くした兵士とか
断末魔を上げる兵士とか
血まみれのミノタウロスとか、
血を吐くミノタウロスとか、
翼をへし折られた女性兵士とか、
疾風のように駆ける女性兵士とか、
氷の槍に貫かれた大男とか
炎の剣で切り伏せる大男とか、
肩に矢が刺さった傭兵らしき魔族とか、
逃げ惑う小柄な魔族とか、
生首を持った人狼とか、
生首になった人狼とか、
死体を屍態にしてる魔法使いっぽい兵士とか、
赤く赤く染まっていく大地とか、
火だるまの何かとか、
首を失った何かとか、
凍り付けの何かとか、
倒れ伏した何かとか、
鮮血が舞い、流血が映え、斬劇が踊り、軍旗が倒れ、火花が散り、砂塵が混ざり、弓矢が飛び、戦斧が砕き、火炎が煌めき、命が消える。
少し距離があるとはいえ鮮明に見えちゃってるわけでして。
驚く程グロくて、
呆れる程エグくて、
感心する程スプラッター、
悲鳴も、怒号も、罵声も、命乞いも、断末魔も、絶叫も、歓声も、雄叫びも、咆哮も、奇声も、嗚咽も、すべてまとめて聞こえてくる。
聴きたくもないのに聞こえてくる。
『なんで自分はここにいるんだろ。」
はなはだ疑問だよ。
『嫌だなー。』
まごうことなき本心だよ。
『帰りたい。』
揺るぐことなき本音だね。
゛カチカチカチ゛
と、あれ?
゛カチカチカチカチ゛
あれれれ?゛カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ゛
さっきからなんの音だ?
随分前から鳴っていたような気がするし。
エーリカ?
いや違う。
もっと近いところから音がする。
何かと何かをぶつける音?
固いなにか、少し高い音で、でも濁ってるような。
いったいドコから?
いったい何の音?
『イ、イッヒ。大丈夫ですか?』
え?
『そ、その、顔色も悪いですし、震えていますし』
うん。
『先程から歯が
゛カチカチ゛
と、酷く鳴ってますよ?』
え?
ああ、
なんだ。
なーーんだ。
自分の歯と歯が震えてぶつかる音か。
そういうことか、納得納得。
そりゃそうだ。
自分はあくまで一般人だもん。
それなのにこんな距離で殺し合いなんか見せられたらねえ?
震えて当然
歯が噛み合わなくて必然
ついでに、
「・・・オェェーー。」
吐いたって当たり前でしょ。
てかホント。
認識しちゃうといっきに気持ち悪くなるね。
「イッ!イッヒ!?」
いやー、よかった。
まだ自分には健全な精神があるよ。
こんな恐ろしい光景を見せられて平気だったらおかしいもんな。殺してから落ち込んだり後悔するのはよく聞くけど、実際は殺したり誰かに危害を加える前に怖気ずいたりするもんだもんね。
そうでしょう?
「うぇぇー、カハッカハッ。」
あー酸っぺー。
「大丈夫ですか付き人殿?」
大丈夫そうに見えますか兵士さん?
「だ、大丈夫です。・・・カハッ・・ハッ・・・申し訳ごさいません魔帝閣下様。お側を汚してしまいました。」
けど強がる。
吐いたら少し楽になったし。
『ほっ、本当に大丈夫なんですかイッヒ?後方に下がったほうが。』
大丈夫・・・ではないですが、まあ、大丈夫としておきましょう・・・か。
ハハッ、
てゆうかさぁ、膝がガクガクして、震えて、怯んで、すくんで歩けないから後方にも避難できないんですよ。
「大丈夫です魔帝かっかげぇぇうぇー?ー?ーぇーげ?ーー。」
うわっ、胃液だよ。
酸っぱいつーか、辛えー。
もう、
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い悲鳴?気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い断末魔?気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い罵声怒声?気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い鮮血流血失血出血吐血?気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い血血血気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い死死死気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
ハハッ、ハハハ、ハハハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ「?」ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ「ッヒ」ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ「イッ」ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ「」ハハハハハハハハハ「イ」ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ?
「イッヒッ!?」
あぁ、
気持ち悪い。
「もう大丈夫です魔帝閣下様。」
そう言って立ち上がる。
立ち上がる?
あれ?、いつのまに地面に四つん這いになってたんだ?
まあ、いいか。
口の中やら胃の中やら食道の中やらに違和感があるけど、まあ、いいや。
それよりほら、
「ご覧下さい魔帝閣下様。」
そう言って自分は戦場を指差す。
「ふぇ?」
理解の範疇そ超えたその空間では黒地に黄金の鷹が描かれた旗がどんどん敵を押していく。
やがて
「逆賊ロッソ討ち取ったりーー!!。」
勝利の声が聞こえてきた。
『おめでとうございますエーリカさん。』
『えっ!?あっ!?はいっ!かっ、勝ちました?勝ちましたっ!?、勝ちましたーー!!』
不利だ無茶だ無茶苦茶だと思ってみたけど。
蓋を開けてみれば圧倒、楽勝、鎧袖一触。
まあ、そんなことより。
今晩ゆっくり寝れるか心配です。
絶対に夢に出てくるよな。
絶対に悪夢を見るよな。
ああ、忌々しい。
まずは謝罪を、すいませんでした。だいたい2・3話ぐらいに残酷な描写があると注意書をしておきながらようやく今回書きました。それはともかく。この話は、主人公がやりたいほうだいした感じです。結構前の話にやっておいた小細工がようやく発動しました。なんていうか、主人公がやっちゃいけない戦い方ですね。というか戦ってすらいませんね。所詮イッヒは非力な一般人なんであれが精一杯なんです。戦争なんて知らないから吐いたって仕方ないんです。まあ、前話で前フリしてたから大丈夫かな?。そんなわけで戦闘シーンが無いまま戦が終了しました。




