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第十幕 暴走人形

***が居なくなってから一週間が経った。

どうにも不思議な気分。

まあ、***のことだ。何処で何してるかは想像出来ないが、どうせ元気にやってると思う。

行方不明で済まないような大事件に巻き込まれながら、『まあ、いいや。』と言ってるんだろう。

うん。

「ハローハロー。聞こえますか***。こっちは変わりません、日常です。そっちはどうですか?」

圏外を告げる電話に話す。

”あいつ”がくしゃみをする姿を想像しながら。











■■■









「ヘックシュッ!」

ズズー、風邪かなぁ?。やだなぁ。異世界の病原菌なんかに抗体が無い自分にはただの風邪だって致命傷になるのに。

まあ、いいや。

さて、会議である。

シュルツさんとの密会を終えた後、自室で待っていたらエーリカ自ら自分を迎えに来た。そしてそのまま今いる会議室に直行し、現在に至る。

タイトルをつけるなら

[ロッソ伯爵反乱対策緊急会議] 

といったところだろうかね?

グナイゼナウ大公をはじめほとんどの幹部連中がそろっている。

エーリカの部屋にグナイゼナウ大公が来て会議の開催を決めてから一時間も経っていないのにこれだけ人数がそろっているのは、きっとみんな薄々気付いていたのか、それともみんな暇だったのか、もしくはエーリカの知らない所ですでに決まっていたのか。

まあ、なんでもいいか。

何事も速いにこしたことはないからね。

ああそうそう。もちろんロッソ伯爵はいないよ。ついでに何人かの幹部の席が空いてる。おそらく反乱に同調した連中だろう。更にネロガイウルとレイモンドもいない。まさかね・・・。


「こっ、これよりロロッソ伯爵の反乱について会議を開催しします。」

少しでも会議の主導権を取りたいんだろう。エーリカがカイテルさんより早く開催を宣言する。

しかし噛み過ぎだろ。ロロッソ伯爵って誰だよ。

「マズ始メ二確認シタイノダガ、ロッソ伯爵ガ反乱ヲ起コシタノハ確カナノカナ?」

「間違いないですぞカーン男爵。あの馬鹿ロッソは三日前に自領のジューケーにて兵を挙げたそうだ。」

「それは一体どこからの情報ですかなグナイゼナウ大公様。確かに巷では噂になっておりますがあくまで噂でしょう。今一度確認をすべきでは?」

「それでは遅すぎますわ。今すぐに討伐の兵を向かわせるべきですわ。」

「いやいや、それは早計すぎるでしょう。まずはロッソ伯爵がどれほどの兵を擁しているのかを調べるべきです。」

「そんな猶予は無いと言っているであろうがっ!あなた方はいいかもしれんが私の領地はジューケーのすぐ近くなのですぞ。今すぐ討伐の兵を出して頂きたい!」

「落ち着いてくださいメイダース殿。」

「落ち着けるわけがないでしょうがカイテル殿。私とモーデル殿の領民達が今まさに反乱軍によって蹂躙されているかもしれないのですよ。」

「だからこそ落ち着けと」

「それよりなんでレイモンド伯爵とネロウイガル男爵がいないのだ?」

「いない者の話がより今決めるべきことがあるでしょう。」



喧々囂々。

てんでバラバラ。声を荒げて言葉が飛びかう。牙が生えたおっさんや蝙蝠のような翼が生えた女性やらが興奮して騒いでる姿はどっかのB級ホラー映画を見ているようだ。あれ?カイテル伯爵の顔がだんだん凶悪な狼っぽくなってきてるんだけど気のせいかな?。うわっ、グナイゼナウ大公さんなんか持ってるカップを握り潰してるよ。すげー。こんだけ会議って紛糾するもんなんだ。

んで、この地獄のような状況をうまくまとめるべきエーリカはというと。


「・・・ぁぅ・・・・」


うつむいていた。


ぁぅ。


じゃねーよ。

まとめろよ。司会進行しろよ。一喝して黙らせろよ。

とまあ。役に立ちそうもありません。

でもこれじゃあ困るんだよなぁ。

どうにかこの場を仕切ってもらわないと。

「ですから!」「だからそれでは遅すぎるど」「まずは」「静粛に!」「そんなことより」「ミップルテルト殿はどうした?」「違う!」「連絡を!」「反乱軍なんぞに」「落ち着いて」「そんあことより」「そんなこととはなんだ!」「黙れ!」「レイモンド伯爵は?」「違うであろう」「わらわは」「なぜだ」「貴様ぁ!」「セイシュクニィィィ!」


仕切れんのかコレ?

カイテル伯爵でも無理なのに?むしろどんどん悪化させてる気がする。真面目な人ほど怒ったり混乱すると恐いからなー。

これじゃあエーリカだとまとめれないだろ。

せめて”きっかけ”があればなぁ。



なんてボンヤリ考えていたら 

「失礼します!!!!」

一人の衛兵が会議室のドアを壊さんばかりの勢いで入ってきた。

そりゃあもうドカンとかバァーーンとかの効果音付きで。

一同は騒然。

エーリカは唖然

自分は呆然


「いきなり駆け込んでくるとは何事ですか?」

いち早く混乱から回復したカイテルさんが衛兵に尋ねる。でも顔は狼。

ゼーハーゼーハーと、肩で息をしていた衛兵は、呼吸を整えながらゴクリと唾を飲み込むと、会議室全体に、いや、むしろ城中に響くような大声で報告した。




「ほっ、報告いたします。ネロガイウル様、レイモンド様両名が反乱を起こされましたぁ。!!」



“きっかけ”がやってきた。

わりと最悪な形で。

でも構わない。

みんな衛兵を向いていて誰もこっちを見ていない。 みんな衛兵の言葉に驚いて黙っている。

みんな衛兵の言葉に唖然としてる。

エーリカはうつむきいるため顔が見えない。

でも構うものか。

まあ、いいや。

『エーリカさんエーリカさん』

念話でエーリカに話かける。

『・・・はい』

返ってきたのは弱々しい声。相当ショックだったようだ。当然といえば当然、だけれどもそれじゃあ困る。

ほら、笑って笑って。

『ピモッフ。チョモランマ。ノピョピョーン』

『!?』

『ペンペラペペペーン、ポイポニポポ。』

『!!』

『ヘホー、ヘホー、ニャペラーン』


別に自分の頭がおかしくなったわけじゃないよ?

結構必死になってエーリカが笑いそうな言葉を言ってるだけさ。まあ、念話なんだが。

んで、うまくツボにハマったのかプルプルと、次第にうつむいたままクスクスと笑いを堪えるようになるエーリカ。


そして、


「ふふっ!ふふふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。」


エーリカ爆笑

うつむいたままだけど、耐え切れずに声を出して笑っている。

しかも上品に。

ある種ホラー。

だってさ、真っ黒なドレス着た女性がうつむきながら、しかも長い金髪で顔の表情が全く見えない状況で、ふふふと笑っているんだぜ。

まあ、笑わせてるのは自分だけど。

笑っちゃいけない状況って余計に笑いの沸点が下がるよね。

っと、


「・・・か、閣下?」


いつのまにか皆さんの視線がエーリカに集中していた。駆け込んできた衛兵すらポカーンとエーリカを見ている。

そりゃそうだ。全員が衝撃の事実に固まっている中で一人だけ笑いだしたら目立つことこのうえない。カイテル伯爵なんか狼の顔から普段の顔に戻ってる。


『イッ、イッヒ!?』

『大丈夫です。自分に任せて下さい。』


だけれど、だけれども。

それが自分が望んでいた状況。

誰も喋らず。

誰もがエーリカに注目し。

誰一人エーリカを理解できてない状況


『エーリカさん、ゆっくり顔を上げてください。』

『はっ、はい!』


だから、だからこそ。

“策”と言えない“小細工”を実行しようか。

『いいですかエーリカさん。ここが正念場です。うまくいけば誰もが尊敬する魔帝となる第一歩となるでしょう。なーに、緊張する必要なんてありません。ただ、自分が念話で言ったことを口で喋ればいいだけです。』

『え?、あっ、はい。』


今から始まるのはオンボロな人形劇。欠陥だらけの人間と、問題だらけの魔帝のマリオネットトークショウ。

拍手を求めずただひたすらに。

質疑を挟まずただいたずらに。


無駄な足掻きの第一章 


それじゃあいっちょう。軽ーく、ゆるーく、ふざけて、くだけて、やりますか。




『ようやく重い腰を上げましたか。』

「ようやく重い腰を上げましたか。」


顔を上げ、すべての幹部達の視線にさらされながら、気だるげに、ひどく億劫そうにエーリカが呟く。

もちろん自分が念話で伝えたことを言っただけ。

だけれども、そのことを知らない幹部達の表情は、

意味不明な言葉に対する疑問。

エーリカが喋ったことに対する驚き。

そして、僅かな“畏怖”


『まったく、こんなに待たされることになるとは。』

「まったく、こんなに待たされることになるとは。」

おそらく初めてエーリカから直接受けた“畏怖”だろう。

理解できないことに対する恐怖

誰も喋らない。

これを

誰も喋れなくさせようか。

『でもまあ、待ったかいはあったというものですかね。』

「でもまあ、待ったかいはあったというものでうかね。」

緊張してるんだろう。

せっかく上げた顔を再びうつむかせるエーリカ

それじゃだめだね。

笑わなきゃ

『ペットピトル』

「っ、ふふ、ふふふ」

再びの笑い声。

無音の会議室にこだまする笑い声。


強引なグナイゼナウ大公も

妖艶なドーラ公爵も

有能なカイテル伯爵も

青白なカーン男爵も

雑多な幹部貴族達も


誰も、何も、喋らない。

喋れない。


やがて笑い終えたエーリカが勇気を振り絞って顔を上げる。

それじゃあ、温めていた一言を言おうか。


『「これでようやく、不埒な奴らを一網打尽にできますね。」』



まるで反乱を望んでいたかのような発言。

いままで猫を被っていたかのような発言

予想通りに事が進んでるかのような発言


将軍も、大臣も、幹部も、貴族も、

驚き喋れない。

これでようやく


エーリカがリーダーとなって進めていく舞台が整った。



けどまあ、

ぶっちゃけデタラメなんだけどね。

嘘八百

いわば詐欺

最初からロッソ、レイモンド、ネロガイウルの三人が反乱を起こすことを知っていたかのような、知ったかぶり。

しかも、

これからの展開を考えていなかったりする。

どうしよう?

さて、どうしよう?


いや、まあ、自分がエーリカを介して討伐の指示を次々出したら素晴らしいんだろう。

けどね。

自分は一般人なんだよ。

戦争の仕方なんて知りません。知りたくもありません。

ここまでやっといて何だよ、と、自分自身も思うけど。

思うけど。

思うんだけどねー。

まあ、いいや。

こっからはアドリブでいこう。

行き当たりばったり。

逝きアタリばっさり。

もちろん今のに意味はないよ。

アドリブだからね。 


『ではエーリカさん。続きをやりますか。』

『はっ、はぃぃ。』

すでにいっぱいいっぱいなエーリカ 

大丈夫。自分もいっぱいいっぱいだから。

それにほら、ドーラさんとかも急変したエーリカの様子に唖然呆然騒然としてるから。

大丈夫、大丈夫

じゃっ、やろうか。

『「地図を」』

「はっ?」

『「地図を」』

「はっ、た、ただいま準備いたします」


で、チェルシーさんが持ってきてくれた魔帝国の地図が会議室のテーブルの上に広げられる。

でかい地図だな。

まあ、いいや。


『「グナイゼナウ殿、反乱が起きた場所の説明を」』

「はっ!」

内心ビビりまくりながら命令してみる。

まじ怖えー。

きっと実際に喋ってるエーリカはもっと怖いだろうね。

「ロッソ伯爵が領地はこのバルケン城の南に位置し、約5日は行軍に掛かる距離にあります。」

人間が歩く速度は時速5キロぐらいだとして、1日に40キロぐらいは行軍できるのか?てことは200キロも離れてるのか!?

よしっ。

討伐軍には参加しないようにしよう。

「レイモンド伯爵領はバルケン城より西南西の位置、ネロガイウル男爵領はその南側に隣合ってあります。」


地図上に、赤く塗られたチェスの駒のようなものを二つ置くグナイゼナウ大公。

地図の中央に書かれたバルケン城の南に一つ、左下側、つまり西南西に少し離れて一つ。

青い駒が一つバルケン城の上に置かれる。ニ対一、挟まれてないだけマシかね。

「わらわが調べた情報によりますと、ロッソ伯爵が集めた反乱軍の数はおよそ5000程。さらに他の反乱貴族を合わせれば7000にはなるでしょう。」

と、ドーラ公爵

『「レイモンドとネロガイウルの方は?」』

「詳細ハ不明デスガ、少ナクトモ8000ハ集メテオリマスデショウナ。ゴホッ!距離ハ8日ハ掛ル位置ニアリマス。ゴホツ。」

咳き込みながらも領地の規模から数を割り出すカーン男爵。


合わせて15000ね。

んで、

『「こっちの数は?」』

「現在バルケン城にいる兵5500程です。しかし街の警備にも人員を割かなければいけませんので動かせる数は3000程です。各領地から兵を集めれば数万の大軍団となりますが、最低でも準備に早くて10日はかかります。」

手元の資料を見ながらカイテルさんが報告する。


ほら、まとまってみればスムーズに会議は進行する。

エーリカの笑い声のおかげさ。


じゃあ、ちょっと考えてみようか。

反乱軍は二つ。恐いのは片方を討伐してる最中に後ろを攻撃されるか、首都であるバルケン城を落とされること。

反乱軍が合流するのも恐いけど、時間が立てば不利になるのはわかってるだろうからたぶんないだろうね。

まあ、この辺は素人の自分にもわかる。

じゃあ問題は、これからどうするか?

時間を掛けて大軍を集めて数で圧倒するのが一番なんだろうけど、まあ、そんな暇を与えてはくれないだろうね。しかも反乱が起きたことで貴族達が疑心暗鬼に陥ればもう目も当てられない惨状になる。反乱軍如きに受け身にまわったとなればエーリカの信用はガタ落ち。そのまま内部崩壊となりかねない。


「閣下。このままこちらの準備が整うまで反乱軍を野放しにしておくのは危険です。私が部隊を率いて牽制してきますので閣下は城に残り軍勢を整えてください。そして十分に軍勢が整ったところで一気に反乱軍を討伐いたしましょう。」

グナイゼナウ大公さんがエーリカに提案する。

つまり時間稼ぎしておくからその間に準備しとけと、そうすれば貴族連中に対する意思表示にもなるしなめられない。

なるほど、いい作戦だね。

んじゃあ、お任せしますか。


「・・・それはなりませんグナイゼナウ大公。」

えっ?

なんだって!?

「私が牽制する軍勢を率いて討伐にいきます。」


なに言ってるんだい。


エーリカさん?


「なっ!閣下、それは」

「無茶です。ならば牽制軍をやめて準備が整うまで待つべきです。」

「危険すぎますぞ閣下。」


そうだそうだ。何考えているんですかエーリカさん?

「明日の朝に5000の兵をロッソ伯爵討伐のため出陣させます。カーン男爵はバルケン城に残り各地から兵を集めてください。」

『ちょとエーリカさん?なにを言ってるんですか?』

『・・・・』

『エーリカさん?』

『嫌なんです。』

『は?』

『もう嫌なんです。誰かの影に隠れているのは。誰かにすべて任せてしまうのは。せっかく、せっかくイッヒが私に主導権を掴ませてくれたんです。今を逃したらもう二度と魔帝としてやっていけなくなりそうなんです。』


魂の叫びというかなんというか。

いままで溜まっていたうっぷんが爆発したって感じだね。

人形劇がもはや暴走劇だ。アドリブどころの話じゃねーよ。どうしよう?

『イッヒ?』

しゃーねーなー。

やればいいんでしょ?考えればいいんでしょ?

やりますよ。考えますよ。エーリカを立派な魔帝にさせますよ。

『自分に続けて言ってください。』

『はっはい!』

その場しのぎは得意中の得意だ。

『「グナイゼナウ大公とドーラ公爵は兵と武器の準備を、カイテル伯爵は兵糧の準備を。カーン男爵は500の兵で街の警備が出来るように態勢を整えるのと城の防衛の準備を。他の者は三名の指示に従って動いてください。期限は明日の朝まで。メイダース殿とモーデル殿は急ぎ領地に戻りロッソ率いる反乱軍を足止めしてください。」』

「閣下?」

「それはあまりにも」

「せめて明日一日は」

『「まずはロッソ率いる反乱軍を討伐します。その後レイモンド・ネロガイウル連合反乱軍を討伐します。」』

みんなの意見をガン無視。

『「ふふふ」』

仕上げに笑えば、はい、おしまい。


戦争に勝てるかどうかはわからないが、まあ大丈夫だろう。”策“は打ってあるし、それにほら、ロッソ伯爵だってこっちが準備もせずに討伐にくるなんて思ってないだろうしね。

相手の意表を突くのが勝負の基本。

敵を騙すにはまず味方から。

まあ、いいや。

なるようになるさ。

『「以上。これにて会議は終了です。」』


会議の終了を告げる。だけれども誰一人喋らないし、席から立とうとしない。

信じられない。そんな表情でエーリカを眺めていた。


「・・・・・」

沈黙

「・・・・・・・・・・・」

ただひたすらの沈黙

空気が重くて嫌になる。とまあ、この空気の原因は自分なんだけれどね。

っと、

おもむろにドーラ公爵が立ち上がってが右手を上げる。

つられる様にブナイゼナウ大公や他の人達も席から立ち右手を上げる。

そして


「「「ルフトバッフェ魔帝国に栄光をっ!!!!」」」


大・合・唱!!


会議室どころか城を震わせる程の大音量が響き渡った。

怖い恐い。びびるびびる。

けれど、

きっとこの瞬間にエーリカは魔帝として認められたんだと思う。

今はまだ、ボロボロの偽りだらけだけど、

みんなの声にビビっているけれど、

確実に、確かに、間違いなく、

”一歩”を踏み出すことができたんだ。






『どっ、どう返せばいいんでしょうかイッヒ?』

『えっ?いや普通に同じ言葉を言えばいいんじゃないですか。』

『ルフトバッフェ魔帝国に栄光を』

『念話じゃなくて喋ってください。』

『むっ無理ですぅ。』

『あんた本当にさっきと同一人物ですか!?』

『そっそんなー。』

『いいから喋ってください。みなさん見てますよ?』


「・・・ルフトバッフェ魔帝国に栄光をっ!」

「「「「栄光をっ!!!」」」

『ひぃぃぃぃ』

『いや、いちいちビビらないでください。』


本当にエーリカで大丈夫なのか?



この話の主人公はとにかく中途半端です。エーリカをうまく誘導したと思ったらその後のことを考えてない。気合をいれたと思ったらやることが姑息。

まあそれがイッヒという人間なんですけど。

ていうかやってることが黒幕っぽいですね。しかし黒幕にしては情けない。人間っぽいのにどこかズレてる。そう感じていただければ嬉しいです。

とりあえず次回はミケさんと銀髪にーちゃんことシュルツさんを登場させます。やっぱネコミミ成分が欲しいので。


ちなみに冒頭のセリフは主人公の親しい友人という設定です。名前は「春木 椿(仮)」女性です。繋がらない主人公の携帯に向けて喋ってます。今後、何度か冒頭に出てくるかもしれません。出ないかもしれません。


どうでもいい話ですが、名前だけよく出てくるメイドのチェルシーさん。彼女の扱いはおそらく今後も変わりません。名前だけでて姿が描写されない。そのくせ作者のお気に入りだったりします。


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