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※流血表現があります

「.......!シェーラ!シェーラ!!」


これは誰の声だ?


「しっかりして!どうしたの.......これ、血.......?誰か!誰か!!」


石造りの暗い廊下に布が裂ける音が響く。

出血箇所を必死で抑え、止血しようとする。


これは、誰の手だ?


「だめ、止まらない。アルバートはどこへ行ったの?誰か来て!シェーラが、ミシェーラが大変なの!」


手の甲に涙が落ちる。

止まらない。血が止まらない。


これは、誰の涙だ?


「.......メイ、リー」


血と涙で汚れた手に、血の気のない手が重なる。


「しぇー、ら、喋らないでください!」

「私はどうせ、助からな、ごふっ」


口から血が勢いよく溢れ出す。


「シェーラ、シェーラ。」

「こんな私に、優しくしてくれてありがとう。あなたは最高の親友よ」

「メイリア様、どうかされ.......きゃあああああ!」

「お願い、誰か先生を!」

「わ、分かりましたわ」


私の声に駆けつけた生徒に助けを求め、止血を続ける

しかしその努力も虚しく、床の石がみるみるうちに血で赤く染まっていく。

石。赤。


「シェーラ、絶対助かります。絶対助けますから」


しかし、ミシェーラはふるふると頭を振る。

涙は止まることなく私の目から溢れてくる。


「先生、こっちです!」


慌ただしい足音がいくつもこちらへ向かってくるのが聞こえる。

その時、ミシェーラの血で赤く染った手が私の頬に伸ばされる。


「最後に一緒にいるのがあなたでよかったわ。メイリア·トルストイ、ありが.......と」


そう言ってミシェーラの手は床に落ちた。

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