表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/100

帰国報告

タウリも蹄鉄に慣れ、ラーミァ達は、ドラゴンズゲートを後にした。


「本当にありがとうございました。」

「いえいえ。御使い様に預けられた馬に、もしもの事があってはいけませんから。」


これから、王都へ報告に行かねばならない。

街の石畳などで、タウリの蹄が割れても困るところだった。


『これで、やっと腹が落ち着く。』


バーンは腹が空いていた訳ではなく、安心出来るパートナーに預けられる事に、安堵していた。

久々にワイズの頭に顎を乗せて、御満悦だ。


ワイズも頼もしいパートナーと一緒でも、騒ぐ兵隊が居ない事に安堵していた。

強さを競う腕試しなど、趣味ではない。


平安な時間を経て、一同は無事に王都へと、王城へと辿り着く。

旧国境門や王都入り口で、先駆けを出しているので、直ぐに謁見は行われた。


「長らくの任務。御苦労であった。ラーミァ殿。お元気そうで何よりだワイズ・バーン殿。」

「陛下には御機嫌麗しく。」


任務の詳細は、報告書を提出しているので、挨拶だけが基本だったが、報告書に無い確認が、行われた。


「ラーミァ殿。ステファンから聞いたのだが、帝国の姫君だと言うのは、マコトか?」

「はい。わたくしは、養母ラーファの後を継ぐ王国ガーランドですから、下手に騒ぎたくは無かったのです。」


ラーミァは、隠していた真意を語る。


「帝国に帰るつもりは無いと?」

「本当の家族の為に、たまの里帰りはしたいと存じますが、御許し頂けるのであれば、このまま王国ガーランドを続けたいと存じます。」

「そなた程のガーランドだ。願ったり叶ったりだが。」


国王は、頷く。


「報告を大儀であった。下がって良い。」


ラーミァ達は、礼をして下がった。



ラーミァ達の退室の後に、カーテンの影から、ステファン皇太子が姿を現す。


「いかがでしょうか?父上?」

「疑っていた訳ではないが、本人からの確認も必要だからな。後は、帝国への根回しをせねばならん。」

「そうすれば?」

「彼女は、御使い様の使徒でもあるし、大切なガーランドだ。王命ではなく、本人同志の意思を重視したい。」

「では、頃合いを見て、求婚をしても良いのですね?」

「この婚儀が上手くいけば、帝国との関係も更に改善され、将来的には統合も夢ではない。くれぐれも、慎重にな?」

「御意!」


息子の望みと、国家の後継、外国との関係の三つが、一気に改善されるのだ。父として、国王として、これ程の行幸は無い。

国王は、久々に旨い酒が飲めると喜んだ。



リリアナとトッカーナを城に残し、ラーミァとワイズ達は、ラーミァの家に向かった。

流石に、リリアナ達を受け入れるには手狭だし、料理も質素だ。

ラーミァには、一休みしてから王国内での豊穣の儀式が待っている。

トッカーナが落ち込んでいたが、これは仕方がない。


彼女達にとっては、当たり前の生活が戻ってきたわけだった。




ただ、王国のビゼル家だけは、違っていた。


帰国したトッカーナが、父親だけでなく、騎士団長である祖父までも打ち負かしたとの話が広がり、更には料理や女らしい所作ショサまで身に付けだしたとかで、異変の前兆とまで言われ、騎士団がざわめきだしていた。


嬉々としていたのは、トッカーナの母親だけだった。


「殿方の心を射止めるには、やはり料理でしょうか?」


トッカーナから相談を受けた母親は、香水や衣服、女らしい所作を教え込む機会だと、奮闘していたのだ。


その話を聞いた父親は、剣技で負けた時以上に落ち込み、数日間も寝込んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ