ホラー映画が怖くないわけとは
実体験ありありー。
なぜだろう、とわたしは考えてみた。
今は二歳下の妹とホラー映画を鑑賞している。
私の自宅で昼の12時ジャストから昼食のチャーハンを二人で黙々と食べながら鑑賞している。
妹は時々携帯を見ては机に伏せ、の繰り返しであるが。
「ねぇ妹、なぜだろう」
という唐突の質問に妹はホラー映画が移っているPC画面から顔をこちらに一瞬向けて、
「突然何?」と返してきた。
わたしは気になって仕方がなかった
「昼間に二人で見るホラー映画のこの怖くなさと言ったらないよね、なぜだろう」
妹はここぞとばかりにチャーハンをスプーンで大きく口に3口ほどかきこみ、のどをこくと鳴らし
「そりゃ昼だからじゃない」と一言。
・・不思議だ。この映画は特に怪奇現象や呪いといった類のものは夜に起こるばかりではなく昼にも起こっている。
もし私や妹の中で{昼の明るい時間に怪奇現象や霊呪いの類は起こりえない}という安心感がある、というのであればこの映画に対しては{昼だから}という理由で怖がらないのは不自然である。
「妹、昼間にこういう霊的体験があるかもしれないって思ったらふつう怖くなるよね?」
妹の目は今度はちら、とわたしのほうを見るだけになった。
そして口が紡ぐ言葉はさっきよりも冷ややかになっていた。
「お姉ちゃん、それってさわたしとお姉ちゃん二人ともそういう怖い体験がリアルにあるとは思ってないからじゃない」
・・・
「いやいやいや、妹。わたし小さいころ、ほらアレだよこっくりさんやって実際に10円玉動いたし。
それにトイレのドアを3回ノックして教室に帰ってきたら花子さんっぽい女の子が教室の入り口にいた気がするし。もぐ、、ごく。わたしはあると思ってるよ⁈」
・・・うん。
わたしは実際あり得ないといわれている超能力といわれるものが自分の脳にも秘められているのではとも思うし、人の念というものが現実世界に影響を与えるとも思う。
霊魂というものはあるのではないだろうか。
わたしはなんとなくフワッとした自分なりの体験を並べて妹に焦りながら説明もしてみる。
途中のどが渇いたので何度かオレンジジュースをコップに注いでは飲んでそしてチャーハンも一口食べる。
あ、チャーハンちょい乾いてきてるわ・・
「ねぇお姉ちゃん。お昼に見るからとか霊の存在を信じる信じない、とかの問題じゃなくて。
わたしもだけどホラー映画を怖いって思えないのって、全部お姉ちゃんのせいだと思うんだよね。」
妹は言いながらPC画面を指さして視線も私の顔から画面に移す。
なにを言っているのかこの妹は、と思いながらわたしも画面に目をやってみる。
映画の最後、登場人物がほぼ死に絶え不気味に残る呪いだけが解決しないままテロップが流れるシーンになっている。
「ああ。うん。」
わたしのせいだわ。
うん。ホラー映画って実際の撮影現場は笑いと紙一重らしいよね。