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いつも真理はそばにある  作者: ABCD
第1章 プロローグ
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娘をもった父親の気持ち その2

正統派美人剣士 クリスティーナ

中学生魔女っ娘エルフ エリー

強いようじょ召喚士 フランソワ(with ゴーレムのゴーたん)

 4人(とゴーレム)で歩きながら市場まで向かった。もちろんフランソワはゴーレムの肩に乗っている。

 城の門を出て薔薇園を見てみたが、ピエールは見かけなかった。家族と一緒に感謝祭に出かけているのだろう。


 俺のようなプレイヤーは特別領主と呼ばれ、王国から勝手に周辺を開拓しても良い許可を得ている。詳しく言えば、許可を得ていることになっている。ゲームの設定上、常時ログインしているのではなく、不定期にログインしては自分の領地を示す旗を立てた周辺の魔物を狩る・開拓するなどを繰り返すので、NPCの領主とは区別するためそう呼ばれている。NPCはプレイヤーを理智者と呼んでいる。つまり、NPCの領主(主に貴族らしい)が普通の領主、理智者の領主が特別領主ということだ。

 プレイヤー同士はフレンド登録をしたり、クランに所属すると互いの領地をゲート(転移扉)を使い直接移動ができる。もちろん領主邸の中には入れないし、領内を示す結界内ではオブジェクトの設置や改変はできないが、パーティーメンバーの近くのダンジョンを攻略したり、街のレベル(市場での売買実績により成長する。)の高いところでより良い装備品や消耗品を作成したり取引したりする。

 このゲートを使うことが出来るのはプレイヤーに限られ、使途やNPCはゲートを使うことが出来ない。ゲートで訪れる領地のプレイヤーがパーティー内にいなければ、ゲートを使っての転移はできないのだ。もちろん、プレイヤーとパーティーを組んでいるならば使徒も使うことはできるのだが、使徒だけでパーティーを組んでのフレンドの領地近くの美味しい狩場へ遠征、ってのはできないということだ。そして、使徒は作成プレイヤーと紐付いているため、作成プレイヤーがいないパーティーは組めない仕様になっている。

 この仕様は、使徒を組み込んだパーティー編成(1パーティーで最大6人の枠)のデメリットがあることを示していて、

①使徒はパーティーメンバー枠を一つ使うこと

②プレイヤー、または使徒が戦闘などで行動不能に陥った場合、即座にパーティーから外れて自分の領地の城まで転送させられ復活すること

 が挙げられる。

 つまり、戦闘でプレイヤーが行動不能に陥った場合、即座にそのプレイヤーが作成した使徒もパーティーから離脱することになる。同時に2落ち、3落ちは残って戦闘するパーティーにとってみればキツい。

 だからなのかは分からないが、俺のように使徒システムを利用してゲームを続ける人は少なく、ほとんどがクランに所属し、多くのフレンドと合わせてログインしながら、飛び回ってダンジョン攻略や開拓、中間貿易(?)で街の発展などを互助的に進めるのである。


 話は前後するが、俺のようなソロプレイを続けるぼっちのための救済措置(?)である使徒システムのメリットとしては、使徒だけでパーティーを組み、自分の領地の近くのダンジョンなどに遠征に行かせることが出来る。意外と細かく設定ができて、どのくらいの距離までを、あるいはどのくらいの時間を遠征に当てるかとか、遠征中に薬草・鉱石などの採集アイテムの種類や傾向、さらに魔物と出会った場合の討伐か逃走かの判断、さらにダンジョンを見つけた場合の攻略の階層や頻度なども遠征では指定ができるのだ。

 俺はこれを利用して、領地の近くの大きく育ったダンジョンの最終階層ちょい手前くらいまでを徹底的に潰す遠征ルートを設定し、ダンジョンの高レアリティ宝箱のドロップ品以外は、採集アイテムも魔物ドロップも全部領地の街に帰還したときに市場に売り払う設定にしている。

 俺は領地の近くに、そんな遠征に使えるダンジョンを14個も養殖(?)していて、定期的にそれらを巡る遠征ルートを設定している。だから、俺自身がログインしていなくても、その間に遠征によって使徒のレベルはどんどん上がり、街の市場もかなり充実した品揃えにランクアップすることになる。

 後で気づいたが、だからこそ市場の人たちは薔薇の乙女をよく知っていたのだ。


☆★☆★☆


「ものすごく賑わっているな。」


 遠くから見てもすぐに分かる人混みに、感謝祭を楽しもうとしている人たちが押しかけているのだとすぐに分かった。

 近づくと王国の民がこちらに気づいて、噂をするのが分かる。


「あれは領主様じゃねーか!」

「本当だ。領主様と薔薇の乙女の方々だ!」

「俺ぁ、今日はツイてるぜ!クリスティーナ様をこんなに近くで見れたから・・死んでもいい。」

「ああぁ、エリー様・・!ペロペロしたいですわぁ!」

「フランソワ様のゴーレムの欠片の石だ!!帰ったらすぐにこの石を家宝にして飾ろう!!」


 ・・ちょっと色々聞こえてきたが、薔薇の乙女たちの人気はかなりのものだと分かった。もしかしなくても、・・俺よりは人気があるな。多分・・。

 それからさっきのガタイのいいおっちゃん、そんな簡単に死ぬな。あと眼鏡をかけたマダム、ペロペロは流石に嫌がるんじゃないか?近くで見るだけにしておいた方がいいぞ。そしてそこの青年よ、目を覚ませ。それただの石だぞ・・?


「みんな楽しそうで、こちらまで嬉しくなりますね!」

「・・何かゾワッと寒気がしたのだけれど・・。寒くなってきたのかしら?」

「すごーい!ゴーたん、あっちに行こ!」

「フランソワ、ぶつかったりしないように。迷子にならないようにな!」

「はーい。」

「主様、何かお目当てのものでもありますか?私が買ってこようと思いますが。」

「特には無いな。そこの屋台で何か軽く買って食べるか?」

「夕食をメアリーとメイドたちが用意しておりますので・・。軽くつまめるものを買ってきましょう。エリーもそれでいいかな?」

「私もそれがいいと思うわ!クリスの選ぶものなら間違いは無いと思うから、お任せするわ!」

「きゃーっ!誰かっ!!」

 

 もう父親の気持ちで娘たちとそんな会話をしているとき、市場の奥の方で悲鳴が上がった。と同時に、クリスティーナは走り出していた。

お祭り好きです!出店の屋台で食べ歩きしちゃいます!

浴衣とか着物を着て、粋な感じで練り歩くの楽しいですね!

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