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13、絶体絶命にて。



その姿は、まるで疾風のようであった。


怪我をしたパーティーメンバーを背に隠し、巨大なその影に剣を向けていた。

最早、打つ手はない。

逃げる事も出来ない。

絶体絶命のこの状況。


そこに現れたのは、少年の様な影。


その影は、目の端で捉えたと思えば、次の瞬間には無くなってしまっていた。


死を覚悟した状況であるにもかかわらず、思わず目で追ってしまう。


影が完全にいなくなったことを脳で理解した瞬間に降って来たのは、目の前の魔物の血の雨。


生暖かいそれが、意識を魔物へと戻させる。


しかし、そこに存在するのは、大きな肉塊だけであった。


横たわるそれを見て、男性は膝から崩れ落ち、影の消えた方に手を合わせた。


「ああ…森の精よ…


私を、私達を助けて頂いたこの恩は、


この恩だけは、決して忘れはしません!」


そう言って、男性は腰につけていた短剣を地面に置いた。


そしてパーティーメンバーを担いで、森の出口へと歩いて行く。


彼が外に出て行った後には、短剣をバックに仕舞う少年の姿があった。



ーーーーーー


私の今のパーティーは、2番目のパーティーだ。


1番最初のパーティーは…





15年以上前に田舎から出て来た私達は、まあ強かった。


昔からの仲で、互いの事は理解していたし、授かったスキルの相性も良かった。


当時は、それはそれは調子に乗っていたものだ。

ただ、若かった私たちは、自分たちが調子に乗っているなんてことは、ちっとも理解してはいなかった。


あの日もそうだった。


私達は、いつも通りに、自分たちのランクの少しだけ高いランクのクエストを受注した。

それで上手くやれていたし、実力もついていた。


周りには、止めてくれるような大人の冒険者もいたけれど、私達は全く取り合わなかった。


その頃には、自分達がその辺りでは一番強かったから。


そうやって向かったクエストで、




………私達の仲間の一人は命を落とした。




たった一匹の魔物に、パーティーは壊滅させられた。


私は、私達は、命からがら逃げ出したのだ。




彼を犠牲に。


それをきっかけに、私たちのパーティーは解散した。


パーティーメンバーの中には、冒険者という職業を退いて、安全な職に就くようなものもいたし、そのまま冒険者を続ける者もいた。


私は後者だった。


私はパーティーを組まずに、一人で下級クエストをこなしていた。

パーティーへの誘いを断り続けていれば、自然と誘いも無くなる。


いつからか、私は嘲笑を受けるようになっていた。


「腰抜け」だとか、「落ちた」だとか、そんな風に囁かれる。


そんな生活を送って、いくつかの月日が流れた。







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