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この回はメイベル視点ではありません。
次回話はメイベル視点に戻ります。
「で、メイベル嬢に何があったわけ?」
ルシアンとメイベルが去った後、部屋に残った三人は立ち去るわけでもなくそこにいた。モーリスは扉が閉まると机の上の資料を取り、黙々と片付け始めた。ラフェエルはそれをちらりと目で追った後、さっきまでとは打って変わって真面目な顔でマーヴィンに問う。
マーヴィンは苦虫を噛み潰したような顔で首を振った。
「分からない。ベルはあまりルシアンの話をしないから、いつからああなっていたのかは……」
「あれ? そうなの? メイベル嬢ってルシアンのこと好きだしてっきり休暇中も会ってるものだと思ってたけど」
「……………………確かにベルはルシアンが好きだが」
「その顔は不敬罪だぞ」
「バレなければいい」
マーヴィンはメイベルが思っているよりも真面目な人間ではない。もちろん将来はルシアンの臣下として忠誠を誓うつもりではあるが、目に入れても痛くないほどに可愛がっている妹と比べることなど出来ない。メイベルがルシアンのことを好いているから今のところは何も言わないが、もしメイベルがルシアンのことを気に入らなかったり王妃になりたくないと言ったりすれば、全力をもって潰そうと思っているのである。大丈夫、プランはいくつか考えてある。
マーヴィンはため息をつくと、ぽつりぽつりと話し始めた。
「ベルは……素直で、真っ直ぐで、……どうしようもなく、箱入り娘なんだ。確かにルシアンに恋心を寄せているが、それ以上に、恋心を自覚する前——初めて会った時から尊敬の念を抱いている。いや、尊敬なんて軽いものじゃない。積もりに積もって、もはや崇拝の域だ。ルシアンは彼女にとって、信仰対象であり、自身の人生の指針となっている。だけど本人にその自覚はないし、それが自分の世界を狭めていることに気がついていない」
マーヴィンは無意識に手を握り込んでいたことに気づき、爪跡が付いてしまった手を見つめ、話を続ける。
「彼女は今日まで、敬愛する殿下の隣に立つのに相応しい人間にならなくては、殿下に負担をかけない人間にならなくてはと生きてきた。王妃教育として受けていた勉強も魔術も礼儀作法も、子供とは思えないくらい黙々とこなして、あまりの禁欲主義に周りから一目置かれていたよ。学園に入る前には一通り終わらせたらしいから、兄としては鼻が高いというか、立つ瀬がないというか。それでもベルがそう見えないのは、彼女の気質と聡明さによるものだよ」
「お、おぉ。噂には聞いてたけど、王妃教育が終わってるっていうのは本当なのか……」
そうでなくても非凡さは滲み出ているけど、とはラフェエルは口に出さなかった。それに気づいているのかいないのか、マーヴィンは話を続ける。
「幼い頃は王や王妃からの好意と知っていたから嬉々として会っていたけれど、知っての通り、今は食事の時以外は学園内で偶々顔を合わせる時くらいしか会ってないよ。こちらから会いたいと言って、お忙しい殿下を煩わせるわけにはいかないんだってさ」
「はぁ……」
ラフェエルは、本当に自分よりも年下なのかと舌を巻いた。
過酷すぎると悪名高い王妃教育を一通り終わらせただけでなく、せっかく婚約者が想い人であるにもかかわらず相手を慮って会わないよう我慢している? 城よりもよほど会いやすいこの学園の中で? 十四歳の少女が自己判断でそれを選んだと? 禁欲主義者とは恐ろしいいきものなのだと、ラフェエルは無意識にできた自身の腕の鳥肌を撫でた。
おそらく彼女は天才なのだろう、この国の最高峰の教育をこなしてしまえるほどには。詳しい内容は伏せられているが、歴代の王妃候補の半分がついていけずに脱落すると聞くほど厳しいと聞く。貴族の中でも上位の令嬢が脱落してしまうほど厳しい教育とは……。物事には、気持ちだけでは解決できない部分があるが、王妃教育はそれを体現した一つなのだと思う。しかし彼女は終わらせたのだ。しかも自分ではない誰かのために。想像して、思わず賞賛の拍手を送りたくなった。
自分も魔力の高さから稀代の魔法使いと言われるが、今まで自分ではない誰か一人の為に魔法や魔術を極めたいと思ったことはない。そんな理由ではモチベーションが保ち続けられないからだ。ラフェエルは心を落ち着けるため、紅茶を手にした。冷たい。
手にした紅茶の水面を眺めながらふと、何か引っ掛かりを感じ首を傾げた。彼女が殿下至上主義であることはわかった、けれど……————
その時、がちゃりと隣の部屋の扉が開き、二人は勢いよく扉の方へと顔を向けた。そこにはマーヴィンの執事が立っており、一礼すると口を開いた。
「失礼致します、マーヴィン様、サンディング様。紅茶のおかわりをご用意致しましょうか」
「いや、大丈夫。それより早く二人にお茶を出してあげて」
「畏まりました」
失礼致します、と礼をすると、執事は執事用の部屋へと向かった。
一瞬の気の逸らしであったが二人の気持ちは少し落ち着き、無意識に前屈みになっていた体をソファに預けた。喉はカラカラで、マーヴィンは冷めきった紅茶に口を付ける。
「……ルシアンも、ある程度ベルの自分に対する気持ちをわかってはいるだろうが、多分それ以上なんだ。なにもかも、純粋にルシアンのことを慕って、全てがルシアンのためになればと思ってやっている。恋は盲目というが、ベルはなまじなんでもこなせたせいで覚めることなくここまできてしまった。王妃になるということがなければ今頃は普通の貴族の女の子になっていたはずなのに」
「お前は止め……いや、愚問だったな」
困惑顔のラフェエルに、マーヴィンは疲れたような笑みを浮かべた。それが、答えだった。
「この婚約が王室公認のものでよかったよ……もしメイベルがルシアンと結婚しないことになれば、どうなってしまうかわからない」
マーヴィンは隣の部屋にいる自分の最愛の妹を思い、ため息をついた。
今までルシアンの為だけに生きてきた妹が、そのルシアンについての記憶を失ってしまった。それは、彼女の人生の半分以上を失ったと言っても過言ではない。しかし何度か顔を合わせていたマーヴィンが気づかないほどに変わらなかったのは、幸か不幸か自身がルシアンの婚約者であるという記憶は失われずにいたからだろう。これは、彼女がルシアンへの恋心を抜きにしても完璧な淑女になれるほどに優秀だということでもある。つくづく恐ろしい妹だ。
ただ、もし婚約者であるという記憶も失われていたら彼女はどうなっていたのだろう。以前の彼女とどう変わってしまっていたのだろう。さっき自分が言ったような、服やアクセサリーや美容を楽しみ、勉強は最低限、ルシアンではない男子に好意を寄せ、その男子の言動に一喜一憂し、分相応の我儘を言う、普通の貴族の女の子になっていたのだろうか。その方が幸せだったのではないだろうか。幼い頃から幾度となく考えた“もしも”を思うと、眉間に力が入る。
————もしも第一王子の婚約者などにならなければ、彼女は今頃“幸せ”だったのかもしれない。
「俺、メイベル嬢はルシアンが好きなの知ってたけど、そこまでとは思わなかったなぁ」
ラフェエルの言葉に、マーヴィンは強引に現実に戻された。
「他の色恋してるやつらと比べるとそんなに態度に示されてないよね。メイベル嬢がルシアンに熱視線を向けてるところ見たことないし。たまに見かけるやり取りも恋する乙女っていうより臣下って感じするもん」
「ベルは教育の成果であまり自分の願望を口にしないし、態度にも出さない。でも近くで見てきたから分かるんだよ。ルシアンへの想いは本物だってね」
「……さすが妹狂のオニーサマだな」
「……だからこそ、ベルの好意が本物であることを知っていた者からすると、ここ半年は大変腹立たしいものだったよ」
「ん? あぁ、シャノン嬢かー……」
ラフェエルはその顔を思い出し、困った笑みを浮かべた。
シャノン嬢。本名シャノン・ロックウェル。ロックウェル伯爵家の娘。彼女は去年転入してきたルシアンやマーヴィンなどと同学年の、少々訳ありの令嬢である。
貴族の子息は基本的に当主とその妻の間の子供を指す。しかし中には当主が愛人や使用人、娼婦との間に子供を作ってしまうことがある。彼らに爵位等の継承権はなく、大体は認知されず父親不明として生きていくこととなる。認知されていれば援助をもらえることもあるが、それでもその家の子息として生きていくことはない。しかし稀にその家の子息に不幸があったり当主からの温情があったりすると、彼らは貴族として生きていくことができる。もちろん庶民との子供を貴族として迎えることはその家にとっては隠すべき汚点であるので、往々にして外に出す前に貴族の礼儀作法を叩き込み、隠そうとする。
シャノンはロックウェル伯爵と使用人との子で、十歳くらいの頃に伯爵家の娘として引き取られたらしい。もちろんこのことは公にはなっていないものの、彼女は明らかに他の令嬢とは違ったため、学園では周知の事実となっている。
この国の貴族令嬢は長く綺麗な髪が良いとされるが、彼女はある事件が原因で転入早々肩まで髪を切った。その後も鎖骨の下あたりまでしか伸ばそうという気がないらしく、それ以上伸びると次の週には肩までばっさりと短くなっているのだ。それは貴族令嬢ばかりのこの学園では大変目立つ髪型で、それだけでも充分特異な存在となっていた。
体躯は同年代よりも小さく脆く、恐らく成長期に十分な栄養を得られなかったからだと思われる。しかし顔立ちは幼さを感じさせつつ目を引く可愛らしさがあり、クリーム色の髪や真っ白な肌、ぱっちりとしたガーネットの瞳に桃色の頬、形のいい小さな唇は周りの庇護欲を駆り立てる。
本当に貴族教育を受けたのかというほど表情や感情がころころと変わり、男女や地位関係なく話しかけ、礼儀作法はてんで出来ない。しかし勉強は嫌いではないようで成績がよく、何よりも魔力が高かった。流石に稀代の天才と言われるラフェエル・サンディングとは比べられないが、将来魔術師となれるだろうほどには優秀であった。恐らく伯爵はそれを知り引き取ったのではと噂されている。魔術師は資格試験に通れば誰にでもなれるため、例え多少貴族らしいことが出来なくても魔術師にさえなってしまえば問題がないと考えたのだろう。魔術学校を選ばなかったのは、時期が合わなかったのか、ロックウェルが魔爵位を持っていなかったからなのか。
「ロックウェル嬢が入学当初、ルシアンに面倒を見てもらっていたことは理解できるよ。貴族社会に突然入れられて、何も分からないまま粗相をすれば一気に叩き出されることになっただろうからね。実際何度か足元を掬われかけていたし。だけど半年くらい前からルシアンとロックウェル嬢が恋仲なのではという噂が流れ始め、とうとうベルがロックウェル嬢に注意をしたとも聞いている。当然の結果だと思ったけど、本来のベルならそんなことはしない。言うとしても誰かを通すはずなんだ」
「まぁメイベル嬢が直接注意したとなると、学園中から睨まれるだろうしな。ただでさえルシアンに対して気安い物言いをすると目立ってるっていうのに」
「ベルはあのアホ令嬢と違って自分の立ち位置を理解している。なのにそんな噂が立っているということは恐らく噂は事実なんだ。つまり、あのアホ令嬢がベルの目の前でそんなことをしでかしたか、わざわざベルが指摘しないといけないと思うほど学園中に広まっているということだよ」
「アホって……いやでもこの件に関してはルシアンはちょっと考えが足りてないとは思う。いくら“誰にでも平等”だからってシャノン嬢とこれ以上関わったら自分の立場が悪くなるって分かってるだろうに。あちこちで火消しさせられる側にもなってくれー」
あいつあんなに考えなしだったっけ、と首をかしげるラフェエルの言葉にマーヴィンは険しい顔になる。
「……もしかして、ルシアンは本当にロックウェル嬢が…………」
「おいおい、それこそまずいだろ。周知の婚約者を放置して、よりにもよって庶子の令嬢にうつつを抜かすなんて、下手すれば王太子じゃいられなくなるぞ」
「それもあるけど、何より僕の天使を悲しませるなんて許さない。地獄に落ちればいい」
「妹狂、本音が出てるぞ」
「アーチボルト、サンディング、それ以上の殿下に対する不敬はいくらお前でも許されないぞ」
資料を整理していたモーリスが、怒気を孕んだ声で割り込んだ。それに対し、ラフェエルがソファの背もたれに腕を掛け振り返る。
「じゃあお前はどう思ってるんだよモーリス。さすがに今の状況がまずいってことはわかるだろ?」
「ロックウェル嬢に対して殿下が懇意にされていらっしゃるのは、学園側から彼女の事情を説明され、粗相があった際にフォローしてほしいと言われたからだろう。ロックウェル家は貴族の中でも他国とのコネクションが強く、王家も無下にできない。加えて殿下はお優しい方だからな、周りと馴染めないロックウェル嬢を放ってはおけないのだろう。だがそこに下心などあるわけがない。全く、誰が流したか知らないが不敬極まりないな」
「あー、うん。メイベル嬢もだけど、お前も大概ルシアン信者だったな」
「……それにロックウェル嬢が殿下を頼っているのは、アーチボルト嬢が彼女の敵に回ったことでやや孤立しているからと聞く。元を辿ればアーチボルト嬢の安易な行動も原因の一つだろう」
「はぁ? いやいや、いくらなんでもそれはひどい言いがかりだな。メイベル嬢が注意したのは噂が広まった後だし、注意もなるべく人目を避けて行ったって聞いた。好きなやつがぽっと出の令嬢と仲良くしてるのに大きな揉め事起こしてないとか、ルシアンよりよっぽど大人だなぁと思うけど?」
「殿下に対して不敬だぞ、サンディング。そもそもどうしてお前はアーチボルト嬢を庇おうとする? 彼女の兄がここにいるからか?」
「庇う? 俺が言ったこと聞いてなかったのか? むしろお前こそなんでそこまでメイベル嬢を目の敵にしてるんだよ? 真面目で礼儀正しく知識も豊富、人望も厚いし容姿もルシアンと釣り合いが取れてる。誰が見ても殿下にとって相応しい婚約者だろ」
「真に殿下に相応しい相手がいるわけがないだろう」
「モーリス、さすがにそれ以上ベルを侮辱するのはやめてくれるかな?」
ゆらりと、マーヴィンの背後から彼の瞳の色と同じ翡翠の光が現れ揺れる。魔力が漏れている証拠である。
魔力が高い者——魔法使いは感情を揺さぶられることによって魔力を無意識的に放出してしまうことがある。それは魔力の高い者であるほど制御が難しく、最悪魔力が暴走して周りに被害が及ぶ。しかし魔法使いはほとんどが貴族なため、感情の制御を幼い頃から身につけさせられるのでほとんど魔力の暴走は見られない。
もちろんマーヴィンも公爵家の息子である。いくら妹のこととはいえこんなことでは感情が揺れて魔力が漏れることはない。これは一種の警告のようなものである。これ以上言えばただではおかないという。
「おいおい、こんなところで喧嘩はやめろよ?」
「私は喧嘩をする気は無い」
「偏見でベルを貶しておいてよく言うよね」
「偏見でなければ貶したつもりもない。事実を言ったまでだ」
瞬間、何かがモーリスに向かって飛び、モーリスに当たる直前でパリンと砕けた。きらきらとガラスの破片のようなものが舞い、ゆらりと消える。モーリスは魔法も魔術も使えない。マーヴィンが魔法でモーリスを攻撃し、それをラフェエルが弾いたのである。
「あのな、お前らいい加減にしろよ? 本人たちが隣にいるのに流血沙汰起こしたいわけ?」
「僕は悪いことをしたつもりはないよ。ただその偏見にまみれた頭に少しでも刺激を与えてあげれば改善するかなと思っただけさ」
「…………」
「的確に眉間を狙っておきながらよく言うな?」
「気のせいじゃない? 僕はそこまで魔法は得意じゃないからね」
「普通の人じゃ見えないくらいのスピードで魔法を使ってる時点で不得意とは言えないな」
「稀代の天才に褒められるなんて光栄だなぁ。でもサンディング家は使用人含めて僕以上の魔法を使える魔術師多そうだよね。そうだ、将来僕に仕えてくれそうな優秀な人いない?」
「うん? 話を逸らすな?」
「何のこと?」
この天然の皮を被った狐野郎が……! そう目で睨むと、マーヴィンはにこりと微笑みつつ首を傾げた。彼はふんわりとした雰囲気を持っているが、それが演技だとここ数年の付き合いで知っている。全く食えないやつだ。ラフェエルはため息をついた。
すると隣の部屋の扉が開き、ルシアンとメイベルが戻ってきた。普段と変わらないルシアンに対し、メイベルは少し顔色が悪く、彼女にしては珍しく俯いていた。
「魔術の気配がしましたが、何かあったのですか?」
「あー、うん、大丈夫。そっちは? 話終わったの?」
「ベル? どうしたの?」
兄の言葉に対しメイベルはハッとした様子で顔を上げ、普段の淑女の笑みを浮かべた。
「いえ、殿下がお話しくださった内容を覚え切れるかどうか不安になってしまっただけです。お聞きした話を元に以前の私を努めますが、もし私の発言でおかしな点がございましたら何卒ご指摘下さい」
「うん、フォローは任せて。あと、ベルのこの件を知っているのはここにいる四人と、ユルリッシュ殿下、アリス嬢だけにしたいと思う。同じ学年に一人は協力者が必要だろうからね。二人には僕から話をつけておくよ」
「何から何までありがとうございます、お兄様」
「最愛の妹の為なら当然だよ」
「……そう、ですか」
あれ、とマーヴィンは首をかしげる。普段であれば「私ではなくアリス様に愛を向けてくださいませ」という返しがくるはずだ。それをこんな風に打ち切るとは、ルシアンと何かあったのだろうか。
マーヴィンの心配を余所に、メイベルはルシアンより一歩引いた位置で口を開いた。
「殿下からこちらで休憩するようご厚意賜りました。皆様にはご迷惑をお掛けしますが、少しの間お邪魔致します。と言っても体調が悪いというわけではありませんので、一先ず次の授業はお休みして、その次の授業から出ようと思っていますの」
「それなら教室までは僕が送るよ。授業が終わったら迎えにくるからここで待っていて」
「そんな、心配ありませんわお兄様。本当なら次の授業も出られますもの」
「そんなこと言わないで。兄としては、今の君からなるべく目を離したくないんだ」
「……分かりました、教室まで、お願いしますわ」
「もちろんだよ、僕のお姫様」
すみません、メイベルが一部マリベルと表記されているところがあるかもしれません。マーヴィンに引っ張られた……。