④
……三日目の朝……
この島に来てから3日目…。事件が起きた…。
結城愛美…、この旅で知り合った女性…。
その彼女が何者かによって殺害された…。しかも拳銃で…。
僕はある意味わかっていたのかも知れない…。この島に来た時点で…。
彼女の検死を終えた時に僕は歩と揉めた。
彼女の遺体をこのまま放置すると言った僕と、彼女の遺体を埋葬しようと言った歩と…。
僕は歩に思いっきり殴られた…。
避けようと思えば避けれたが、あえて拳を受け取った。
彼の気持ちは僕なりに理解できた。だからこそ甘んじて拳を受けた。
渡辺歩という青年は命を重んじている…。だからといって、僕が人の命を軽んじているわけではないが…。
ただ、この島の秘密を解明するためには、不本意ながら彼女の遺体を利用するしかなかったのだ。
殴られた頬の痛みより…心の方が痛かった。
ただ…僕は確信した。渡辺歩は犯人ではないと…、彼は信じるに価する…。
確証があった訳ではない…直感で確信した。
結果、この直感が間違いで、彼が犯人だとしても…僕が殺される事になっても…、後悔はない。
それは僕の責任だから…。