①
俺、小林順平は、悪夢にうなされていた。
俺の元から人が一人、また一人と去っていって…最後は俺だけになる。
いつもの夢………。
俺は目が冷めた。
「また、あの夢か…この世界に来てから毎日だ…」
俺は今、不思議な島にいる。
少しPCを扱い、好きなものを選択したら、島の南の位置にある、空っぽの倉庫にそれが現れる…しかも無料で…。
少々サービスが良すぎている気もするが、他の皆は納得して使っているし、まぁいいんだろう。
俺の通うコンピューターの専門学校で、今回の旅のチケットが抽選で当たった。
正直参加するか、どうかは迷ったが…、俺は気分転換にちょうど良いかもと思い、参加する事にした。
俺には友人がいなかった。この内気な性格や、俺の醸し出ている妙な雰囲気のため、近寄ってくる人間もいない…。
実際…学校内に俺の居場所はなかった。
だが、俺はこの旅に参加した事によって変われそうな気がした。
友達もできた。
俺と年も近い、月島葵という青年だ。
葵も、僕とは違うが、何処か他とは違う雰囲気を醸し出ている。
葵は僕とは違い、大学内でもかなりの有名人で、あの有名実業家の九条司も知っていたくらいだ。
しかし、葵はそんな事を偉ぶった様子もなくて、俺にも気を使ってくれている。
葵に限らずこの旅に参加してる人達は皆親切だ。
俺はやっと居場所を見つけた気がした。
ずっとこの島にいたいと、思うほどに…。




