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友達がいらない俺に告白してきたやつがいるんだが  作者: 夢木 彼方
第一章 ストーカーの出現!?
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憂鬱と一時の救済





あの女がうるさく何度もお昼一緒に食べましょう、とか言ってきたせいで危うく遅刻しそうになった。

うちの学校ではチャイムの前に教室に入らなくてはいけなく、チャイムと同時に入ると遅刻扱いになってしまうのである。


……なんとも生徒に厳しい学校か。そこまで我々、ゆとりに厳しくするか。安○よ。



なんて首相のせいにしても校則が変わるわけもなく、俺はなんとか遅刻せずにすんで今はホッとしている。

てか、うちの校則は首相には全く関係ないけどな。


なんて下らない思考をしているには訳がある。

朝のあの騒ぎが、クラスのLineやらSNSなどで広まっているみたいだ。

今でもこちらをチラチラ見ながらこそこそとなにか話している。



……本当にこういうのは嫌いだ。なんで正々堂々と本人に話しかけてこない?こそこそと見ているだけで胸糞悪い。



おっと、いかんいかん。平常心平常心。

常に俺は無の心を持たなければ。でなけりゃぼっちなんかやってられない。

常に興味を持たず、作らず、持ち込ませず、と何だがどっかで聞いたことあるようなフレーズだが俺は気にしない。

……というか持たず、作らずはわかるが持ち込ませずってなんだよ。我ながら意味がわからん。

だが、まぁいい。常に周りに対して無関心でいれば厄介事に巻き込まれることもない。



「あのさ、拓也」

朝のHRが終わった後に、俺に珍しく話しかけてきたのは元幼なじみの南条遥(なんじょうはるか)

ショートカットの髪型が何故かとてつもなく似合う少女だ。なんで元なのかは……まぁ、別にいいだろ?


色々昔あって幼なじみとは呼びたくない関係になっただけだ。

そんなやつが俺に話しかけてくるなんてとても珍しい。

年末ジャンボに当選するくらいの確率だぞ。

……いや、年末ジャンボは言い過ぎか。


「なんだよ」

一応、形式上はなんだよと聞いたが質問内容は、もうわかっている。

「今朝のあの女の子って昨日拓也に告白してきた子?」

ほらきた。

だって今まで話してたこいつのグループの女子どもがこっちを見てるからな。


それを見て、今朝のイライラがまた沸き上がってくる。

「そうだけど。お前には関係ないだろ」

イライラしていたのでつい素っ気ない返しをしてしまう。

「ふーん、やっぱり。朝一緒に来たって事はOKしたの?」

「してねぇよ。もういいか?次の授業の準備しないといけないから」

「そうなんだ。良かった」

何がだよ。なんで良かったんだよ。


そんなことを平気で言うからあんなことが起きたんだろ。


あの事を思い出すとまた胸の辺りがズキッと傷みだす。

「とにかく、どっか行ってくれないか?」

「そんなに素っ気なくてもいいじゃん、高校生になってから拓也幼なじみなのに、一緒に登校とかしてくれなくなったし」

「ガキじゃないんだし、学校ぐらい一人で行けるだろ」

「でも寂しいし」

「いいからあっち行け、お前のグループが待ってるぞ」

「分かった。じゃあ今日は一緒に帰ろうね」

ふざけんな。誰がお前と帰るんだよ。笑わせんな。



……あぁ、朝から無駄に疲れた。

これも全部あいつのせいだ。




××××××

何事もなく、授業を終え昼休みになった。

いつもだったら一人でイヤホンをしながら飯を食っているが、今回は状況が違う。

俺は昼休みに担任の尾道から呼び出されていた。

尾道は大人の女性という感じなのだが何故か独身のままだ。

他のやつの話を盗み聞きしてみたら、どうやら結婚というものをしたくないらしい。

ずいぶんと珍しいタイプの女性だなというのが俺の感想だ。


特に尾道から呼び出される理由も分からなかったがあいつと会わなくてすむと思うと、安いもんだ。




「失礼します。2ーBの荒木拓也です」

そう言うと、奥の仕切りから手が出てきてこちらに手招きしてる。




…………ちょっと確認するけどこれってコメディだよね……?





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