結果とはいつも呆気ないものですが……?
どれくらいの時間が経っただろうか。
時計を見ていたわけではないので、詳しくは分からない。
五分かもしれないし、三十分かもしれない。
何事もなく、西城が部室にやって来た。
……いや、何事もなく、ということはない。西城の目の下にはまるでブラックホールのような隈が出来ていた。
…………何があった、西城。
「ふぁぁ、すいません、今登校しました」
ものすごく眠そうにあくびをする西城。
……今、何て言った?
「ですから、今登校しました」
「何時だと思ってんだよ!?」
「流石に授業には間に合わないので、せめて先輩のお顔を拝見しようかと」
何だか、不安になっていた俺がバカだった。
お前、後で覚えとけよ?
「……そういえば、昨日携帯に電話かけてきたのお前か?」
すると西城は電流が走ったように体を震わせて俺に詰め寄ってきた。
「そうですよ!なんで昨日電話にでてくれなかったんですか?」
そりゃ、何となく予想できたとしても知らない番号からかかってきたら誰だって電話にでないだろう。
「昨日、ものすごく怖かったんですよ?」
怖いって言うなら、もっと怖がって言いなさい。ムードがないでしょ。
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西城の説明によると、昨晩明日の学校の準備を終えた西城はだらだらと深夜アニメを見ていたらしい。
え?なに見てたって?……そうだな、確か自衛隊が活躍するやつだったと思うぞ。
あれ、マジで面白いから皆も読んでくれよ。
さて、軽~く宣伝を入れて、本題に入ろう。
事が起こったのは、深夜草木も眠る丑三つ時だったそうだ。
流石に寝ないと明日の学校に支障が出ると考えた西城は布団に潜ろうとした。
その時、来客を告げるチャイムが鳴り響いた。
いくらなんでも、こんな時間に訪ねてくる人がいるはずがない、まぁ、当たり前だよな。
家の人は最近大きな仕事を任されたとかで家には一人しかいないんだと。
怖いが確認しないといけないので、西城は、何て言うだっけ?あのドアについてる小さい穴を覗いたんだとよ。
すると、不思議なことに誰もいなかったらしい。恐る恐るドアを開けて周りを見渡しても誰もいやしない。
見間違いかな?と西城は思ったらしい。
自分の部屋に戻るとまたチャイムが鳴ったらしい。
流石にビビるよな。
俺だったら頭から毛布を被って聞こえないフリをしてるね。
まぁ、とにかく西城は勇気を出してまた覗いた。
すると、そこにはフードを被った人が立ち尽くしていたんだそうだ。
なんか、そこら辺に転がってそうなつまらん心霊体験の話みたいだな。
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「ということで、私は怖くなって寝るに寝れなかったんですよ」
眠いからか、それとも恐怖がまだ残っているのか、疲れた様子で話終えた。
「そりゃ災難だったな」
俺としては見たわけではないので、どれ程の怖さなのか知らん。
「……他人事ですね」
事実、他人事だからな。
「親友であり、可愛い後輩がこんなに怖い思いをしてるんですよ?助けてくださいよ~」
「と、言われても俺に出来ることなんかないんだが」
確かにそのフードを被ったやつは怪しい。
見間違いという可能性の方が高いが、万が一変質者ということもある。
まぁだからといって俺に出来ることはなにもないのだが。
「じゃあ今晩から寝るまでの間電話しててもいいですか?」
うわぁ、面倒くさい。
「……嫌そうな顔しないで下さいよ。電話が嫌なら泊まっ……」
「OK、喜んで電話しよう」
少し不満げな西城だったが俺は二回も異性と泊まることは出来ない。
流石に理性が持つとは思えんからな。
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さて、帰り道の出来事である。
西城は、スーパーに寄らなければいけないと言って先に帰っていった。
……あんだけ心配しといて一人で帰るとか、本当に怖いのか?流石に心配になるんだが。
すると目の前にふらふらと歩いている見覚えのある背中が見えてきた。
西城かと思ったが違った。
俺は駆け出しはしなかったが、俺の手の届く距離になると肩を叩いた。
「わっ!ビックリした~拓也か」
へっ、いつものお返しだ。どうだ?南条。
「って、お前も寝不足なのか?」
まるで、西城のような隈ができていた。
最近、睡眠不足気味の女子が多いのかな?
まぁ二人しか女子の知り合い、いないんだけどね。
…………え?尾道先生?あの人は女子と言える年齢じゃないだろ。
「ちょ、ちょっとね、調べものがあって」
「お前に限って調べものはない」
「流石にそれは酷くない?」
いや、俺は真実を告げただけだ。
「まぁ、いいや。とにかく夜更かしすんなよ」
「わざわざどうも」
にしても眠そうだな。ガッデムさんにビンタしてもらったら?
そうして、軽く世間話をして、俺はふらふらと危なっかしい南条を抜き去って行った。
にしても、調べものは南条に限ってないだろうから、いったい何してあんな隈ができるくらい夜中まで起きてたんだ?
今度会ったときに聞いてみるか。




