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友達がいらない俺に告白してきたやつがいるんだが  作者: 夢木 彼方
第一章 ストーカーの出現!?
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荒木拓也の解答……?




結局、『クマ野郎のハチミツ密猟』に乗ることが出来たのは二時間後だった。


その間も西城の世間話に付き合わされていてとても疲れた。


普段人と話すことかない俺に話し相手を求められても困る。

きっとそこら辺のキャストの方々に話していた方がよっぽど有意義だと俺は思うけどな。



まぁ、そんなこんなで、俺達二人は園内のアトラクションを遊び倒した。

ビッグファイヤーマウンテンにも乗ったし、ギャラクシーマウンテンにも乗った。

連続で乗りまくったので、俺も西城も酔った。……吐かなかっただけましだろ。


今こんなことを考えて思ったんだが、もし吐いた場合どうなるんだろう。キャストの人が掃除してくれるのだろうか。……うわぁ、俺だったら嫌だな。てか、誰だって嫌でしょ?

サービス業って辛そうだな。俺、将来ニートになろっかな~。





ーーーーーーーーーーーー


「…………疲れました」


最初は、はしゃいでいた西城も、流石に疲れたのか今ではベンチに座り込んでいた。

「あれだけ動き回れば、そりゃ疲れるわ」


万歩計を持っていたとしたら、軽く一万歩は越えていただろうよ。


「でも、楽しかったです」

微笑を浮かべながら、西城は満足げな表情だった。


「さて、どうする?もう帰るか」

夕日も傾いてきて、そろそろいい時間帯になっていた。

だが、流石『ネズミの王国』帰ろうとしているやつは見当たらない。


そこら辺にある寂れた遊園地なんかだと入って十分で出てくるやつもいるっていうのに。


「もう少しだけいいですか?」

「…………俺は別に構わないが」


どうせ家に帰っても誰がいるわけでもないんだ。なら外で遊んでいた方がよっぽど暇潰しになる。





ーーーーーーーーーーーー


どうやら西城は『ネズミの王国』一番の見せ物、パレードを見たかったらしい。


しばらく西城と待っていると、人が沢山集まってきた。空もいつの間にか真っ暗になっている。


これだけ人が大勢いると、いかに自分という存在がちっぽけなものか理解できる。


まぁ、だからといって特別になろうとして行動を起こすわけでもないのだが。


「先輩、そろそろ来ますよ!」

興奮したように、だけど回りの人の迷惑にならないように、俺だけに聞こえるように耳打ちをして来やがった


誰だ、こんなテクニックを西城に教えたやつは、全くけしからん。


…………いいぞ、もっとやれ。



何て事を言えば明らかにドン引きされるのは分かっているので言わない。

そこまで俺はバカじゃないんだ。


というか、いきなりそういうことをやられると心臓に悪いので止めていただきたいのだが。

いや、別に嫌ってことじゃないんだけどね?むしろ推奨するけど。前もってなにか言ってくれないと、俺の理性が持たない。



なんて下らないことを考えていると西城の言った通り、やたらピカピカ光ったパレードの集団がやって来た。

すげぇ、電気代とエネルギーの無駄だな。

てか、あの女の人が着てる衣装際どくないか?超エロいんだけど。



…………あれってここだから出来る事だよな。もし外であんな風に飛んだり跳ねたりしていたら警察が飛んでくるだろう。


「……うわぁ、綺麗ですね先輩」



…………まぁ、西城が楽しさそうだからいいか。


そして俺も、パレードを楽しむべく、軽快な音楽とやたらピカピカ光って目が痛む集団に目を向ける事にした。





ーーーーーーーーーーーー



「すごかったですね、パレード」

確かにすごかった。

色んなやつらが飛んだり跳ねたりと、目まぐるしく動いていた。


こんなに激しく動いて着ぐるみの中は大丈夫なのかと、心配になったほどだ。

女の人のパラダイスも見えそうで見えなかった。くそっ!なんであんなにギリギリなんだよ。気になって他のやつなんかほとんど見てないからな。



……だが、確かに楽しかったしすごかった。

それだけは素直にそう思うことができた。


「……先輩、今日はありがとうございました」

「急にどうした」

いきなりお礼を言われたので戸惑ってしまった。なにかお礼を言われるようなことを俺はした覚えがないのだが。

むしろ俺がお礼を言ったほうがいいくらいだろ。


「迷惑だったんじゃないかなって思ってたんです。話していてもあまり楽しそうじゃなかったですし、無理矢理連れてきましたし」


暗がりで表情はよく見えない、ただ、いくら対人スキルが皆無と言っていいほど足らない俺でも、この時の西城は哀しそうな表情をしていることは予想ができた。




俺はこいつの事をどう思っていたのだろう。

第一印象は確かに美少女だと思った、それは否定しない。

次に会ったときは変なやつだと思った。

結果はだだのストーカーまがいのやつだったが。


では、こいつと出会ってからこれまで俺はどう思ってこいつと接してきたのだろうか。

迷惑だと思っていたのか、それとも面倒だと思っていたのか。


…………いや、それは違う。


確かに迷惑だと思ったこともあるし、面倒だと思ったこともある。たが、よりも楽しかった。

なんだかんだ言いながら、俺はこいつと一緒にいて楽しんでいたんだ。






…………結論は出た。ならば答えを提示しなくてはいけない。





「……いや、今までも楽しかったよ」

「…………え?」

ポカンとした顔で西城は顔を上げた。

「いいか?一度しか言わないから耳の穴かっぽじってよ~く聞け」

俺は早まる鼓動を押さえるために、一度深呼吸をした。


「俺は今までお前といて楽しかった。だからお前さえよければ」

緊張して俺は言葉に詰まってしまった。だが、俺は男だ。ここでカッコ悪いところなんて見せられない。

西城も俺が何を言いたいのか分かったようで暗がりでもわかるくらいに顔を真っ赤にして、キョロキョロと視線を泳がせていた。

…………尚更緊張してきた……。


………………よし!









「俺と…………親友になってくれないか?」



「………………は?」



時が止まったかと思った。


いや別にね?俺は友達はいらないって言ったけど、親友は友達とは違うからね?

………………たぶん。

だから、いいと俺は思う。

いいんだよ、結局考えることなんか人それぞれなんだから。

人の数だけ様々な考え方がある。だったらこれは俺の考えだ!

……だから、これで良し!


西城はしばらく呆然として、何かを諦めたような顔をして、何かを考えるように頭に手を当てて顔を上げた。


「……そうですよね、先輩ですもんね」

いったい何に納得したというのか、是非とも教えてくれ。

「てっきり告白されると思いましたよ?」

「告白?なんで友達がいない俺にいきなり彼女が出来るんだよ?」

すると頭痛でもするのか西城は頭を抱えていた。


西城の方から「……やっぱり、ヘタレですね。もっと私から」とか小声でぶつぶつ言ってるけど俺にはなにも聞こえてないからな。


……因みに俺はヘタレじゃない。



「…………まぁ、いいです。わかりました、先輩の親友第一号になってあげます」



そうして笑った西城の顔は、やはりどんなものよりも、どんな美人の笑顔よりも輝いていて…………可愛かったと言っておこう。


なんか俺、西城の笑顔に弱いな……。




ーーーーーーーーーーーー


こうして、俺には友達をすっ飛ばして親友ができた。男同士の熱い友情……ということではないが俺はこれがいいので全くもって文句はない。


果たして、俺に親友ができたことでこの先いったいどうなるんだろうか、なにか変わるかもしれないし、なにも変わらずにこのままの生活が続くかもしれない。



だが、先の事をあーだこーだと悩んでいても時間の無駄だ。どんなことになろうと、きっと未来の俺が、なんだかんだ言いながら何とかしてくれるだろう。


誰も(きっと西城以外は……まぁ、俺が勝手に信じているだけだが)俺の事を信じてなどいないんだ。だったら自分くらいは自分の事を信じてやらないとな。


まぁ、きっとどうにかなるだろう。

なるようになれだ。





さて、まだまだお話は続く予定ですが、ひとまずの区切りとして第一章は完結ということにさせていただきます。


この第一章は初めて書き始めた小説ということもあり、なにも考えず、行き当たりばったりの無計画で書かれていたので、結構疲れました。


なので第二章では、あらかじめ何話か書き溜めてから更新できればと考えています。


なので、少し更新が遅れるかと思いますがど

うぞよろしくお願いします!

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