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序幕


「こたつを買おうか迷っている。」


魔界王の居城、魔界城の王の間にて、玉座に腰かけた絶世の美貌の男は言った。

緊急招集を受け魔界の各地から集められた四天王たちは、その聞き慣れない単語に首を傾げる。

はて、こたつ。そんな魔物はいたか。いやまてよ、買う?いや、飼う、か?こたつという魔物は魔界城で飼い慣らすのには危険なのか?


「アルジャ。」


魔界王の言葉に、思考を巡らしていたその女は顔を上げた。


「人間界に行き、こたつの視察をして来い。あれが真にこの魔界城に必要なものか、お前に見極めてきてほしい。」

「御意。」


女は膝をつく。



こたつ。

魔界城に必要かもしれないその魔物は、魔界王自らが頭を悩ませる危険な魔物─────…。魔界城の防衛にこれ以上ない貢献をするかもしれないが、それだけ飼い慣らすのに労する、という事か。


おもしろい。

人間界には、まだそのような生物がいたのか─────…。


女────アルジャはその血のように真っ赤な唇を歪めた。






【蛇女の人間界視察】






▼アルジャ・ハーネス

四天王が一人、蛇女。魔界一の美女。魔界王のお気に入り。男前レディ。サキュバスも仰天のグラマラス体型。全ての蛇を操る事が出来る、闇属性の魔人。



▼魔界王

軍隊の編成に最近は忙しい、美貌の男。一応魔界の王。本名はイージキア・ロックガリア・ドルサルーベン・カジアス・ホールドナッサビデ。こたつの購入に悩む。



▼シューリネ

悪魔の少女。魔界王に忠実でアルジャの子分。銀髪碧眼。天真爛漫、ちょっとうるさい。



▼イルダ

魔界王の忠実な部下。毒舌慇懃無礼な男。

ヴァンパイア。




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