表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アヤメちゃんの魔法日記  作者: 深光
始まる為のエンディングノート
93/107

日蝕

 なんかちょっと良い宿に泊まれたのでぐっすり眠れました。

 彩萌寝すぎじゃない? しーちゃん並みに寝てるよね。

 しーちゃんは今日は彩萌の耳を気に入ったらしく、もぐもぐしていました。

 くすぐったいし、よだれつくし……止めてほしいんだけど。


「……彩萌ちゃん、ちょっと……背、伸びた?」

「……えっ!? 耳じゃなくて、ちゃんとつむじから足の裏までの長さですか!?」

「いや、飛び跳ねてたら目測できないと思うけど」

「おあーゆれるー!」


 嬉し過ぎてついピョンピョンしてしまったようです、ふへっ。

 しーちゃんもころって落ちてしまったよ、しょうがないね。

 だけどグラーノさんはうなずいてくれたよ、飛び跳ねてても分かるんだね。すごいね。

 ついに彩萌も成長期かー、成長期かー。

 この喜びは誰に伝えればいいんだろう、とりあえず李白さんでいいや。

 今日はまだ会ってないし。

 公園とかに居れば李白さんに会えるかなって思って、今彩萌たちは公園に向かってますよ。

 なんか公園で服の襟のとこ掴まれて持ち上げられてる白い物体が居るけど、あれは李白さんじゃないよね、うん。……なんで李白さん吊り上げられてるの?

 黒い髪の長い三つ編みのお姉さんに首絞められてるけど、何かやったのあの人。

 なんて言うか、ぽかーんって感じで見てたらお姉さんこっち見た。

 あれ……メガネかけてるし、なんか目の下に模様あるし……。

 あれ……もしかして、オレンジじゃないけど……フレアマリーさん?

 ディーテさんにちょっと似てるし、フレアマリーさんかな?

 フレアマリーさんらしき人は彩萌を見てニコって笑って、李白さんを投げたんだよ、グラーノさんに向かって。ぜったいフレアマリーさんだよ、もうね……初対面の人間をグラーノさんに投げる人なんて絶対にフレアマリーさんしかいないよ。

 グラーノさん逃げ切れなくて、叫んでたよ……。

 ……李白さんは生きてる?


「よお、元気だったか? ちょっとさー、俺さー困ったことになっててー助けてくんねぇ?」

「ふ、フレアマリーさんが誰かに助けを求めるなんてめずらしい……!」

「まぁなー、自分で何とかできるんだったらそんなことしねぇけど……、祟られちまったんだよなぁ」


 祟られた……? 祟られたって邪神族さんに?

 あれ……精霊さんも祟られるの?


「テスターによ、封印された魔人の国の結界が緩んだ、ドラゴン族の子供が入り込んでるみたいだから一緒に行ってみないかって言われてだな……行ったんだけどそこに邪神族が居てよ、様子が可笑しかったから話し掛けたら祟られてよーマジねーわーテスターとガキは庇ってやったんだけどそのガキも祟られちまってよーマジねーわー最悪だわー」

「本当に話しかけただけなの?」

「あー? 戦士が話し掛けるって言ったら拳だ、それに様子が可笑しい相手には物理が一番なんだよ! 頭を殴れば正気に戻る、たぶん」


 やっぱりか、あとそれはたぶん戦士関係ないです。

 様子が可笑しくなかったら物理攻撃以外に何かしたの? 魔法攻撃?

 あとフレアマリーさんは手加減が苦手だから、頭を殴ったら死んじゃうよ。

 フレアマリーさんに頭を殴られて大丈夫なのはテスさんだけだよ。


「うん……どうして李白さんに酷いことしてたの?」

「要約すれば少し遊ばないかって言うから、遊んでやった」


 残念な美人さんだもんね、フレアマリーさん。

 フレアマリーさんに声をかけちゃったのが李白さんの運のつき……、どんまいです。

 シェリエちゃんはグラーノさんを助けてあげてた、李白さんも一応生きてるみたい。


「でも……どうして彩萌に?」

「そのドラゴン族のガキの親父がお前を見てな、それにお前なら神と繋がりがあるだろ? 俺達には今は無いから」

「……無くなっちゃったの?」

「死んだんじゃね? 俺にはよくわかんねぇけど、とりあえず何とかなるなら俺だけで良いから治してくんねぇ?」

「いや、そこはドラゴン族の子供さんも治してあげるべきですよ……」

「別にそのガキが死のうが苦しもうが俺は知らん、勝手に封鎖された地域に入るのがわりぃんだよ」


 うう、たしかに自業自得な部分もあるかもしれないけど……やっぱり見殺しにはできません。

 祟られたらどうなるか分かんないけど、苦しんだり死んじゃったりするんでしょ?

 なら絶対に見殺しに出来ないですよ。


「というか神様死んじゃったの? 気にならないの? グラーノさんはそんなこと言ってなかったけど」

「所詮そんなもん、親しくない奴が居なくなっても心配なんて出来ねぇだろ、あれは俺達に関わろうとしなかったし関わろうとすれば一歩引く様な奴だったし、何より穢れ過ぎてて近づくのが怖いからな。一回拒絶されたらこっちだって関わりたくねぇわ」


「俺は兄貴やテスターと違ってお人好しじゃないんだよ」ってフレアマリーさんはきっぱりと宣言した。

 じゃあなんで一緒に魔人の国に行ったの? って聞いたら、ドラゴンって強いじゃんって返ってきた。

 相手は子供なのに、戦う気満々だったなんてフレアマリーさんらしいけど怖いです。

 神様のことは……ちょっとかわいそうだけど、でもそんなものなのかもしれない……。

 でもやっぱり誰も悲しまないのは悲しいことだと思う、彩萌は神様が居なくなっちゃったかもしれないのは悲しいと思う。

 神様のことを性格悪いって、誰かが言ってた気がするけどそれでも心配です……。

 ――……うん、祟りって穢れなのかな?

 彩萌はよく分からなかったから、とりあえず魔女っ娘スティックを押し当ててみた。


「胸に当てるとか、彩萌もなかなか変態だな。お前のそういうところ嫌いじゃねーぜ」

「えーだってーなんかー、頭に当てたかったけどフレアマリーさんデカいんだもん」

「お前が小さいの間違いだろ、俺よりテスターのほうがでけぇしな……おっぱいもだけど」

「ねー、テスさんおっぱい大きいよねーぼんきゅっぼんだよねー」

「そこの猫と精霊は何の話をしてるんだ……」


 シェリエちゃんに呆れられちゃった、ごめんなさい。

 魔女っ娘スティックがホッカホカになっちゃったけど、フレアマリーさんは治んなかった。

 でもちょっとオレンジっぽさを取り戻したんですよ! 効果あったのかな?

 ちょっとだるくなくなったって言ってたから、効果あったんだと思う。


「グラーノは起きねぇか、不甲斐無い野郎だな……そこのチビ、コレは俺が貰ったって言っといてくんねぇ?」

「……普通に連れてったって言う」

「そうか……可愛いな、今度俺と一緒にドラゴン狩りに行こうぜ」

「絶対にいや」


 たまーにフレアマリーさんって中身本当に女の人なのかなって、思う時があります。

 精霊さんは性別がないらしいから、どっちでも良いのかもしれないけど。

 というかまだ小さい女の子をドラゴン狩りに誘うってどうなの、どういうことなの。

 ドラゴン狩り行こうぜって言って喜ぶのはむーちゃんとかファナさんみたいな人だけだよ……。

 これからドラゴンさんの命を救うのに、ドラゴンさんの命を刈り取る話をするとか空気をちょっとは読むべきなのではないでしょうか!

「ちーちゃんもどらごんかりにいきたい!」ってしーちゃんが言ってて、フレアマリーさんおっけーしてた。マジで? しーちゃんドラゴン狩りに行っちゃうの?

 危ないことはしないでね……。


「どらごんはまりょくいっぱいだからおいちいよね!」

「そうだな、焼きトカゲ美味いよな! ルニャは黒焼きが好きらしいけど、あそこまで焼いてたら喰いもんじゃねぇと俺は思うんだよ、ちょっと炙ったくらいが美味いよな!」

「ちーちゃんもちょっとあぶったの! くろいのにがいからやだ!」


 ちゃんと食べるんだ、ちょっと意外。

 というかドラゴンさんはトカゲじゃない気がしますけど。

 というかあんな大きなトカゲ怖いんですけど、小さいから可愛いんですよ。

 というかフレアマリーさんこれからどこ行くの?

 本当にドラゴンさんのとこに行くのかな?

 なんだかちょっと心配です……。

 というか黒くなるまで焼くのって皮だけじゃないの?

 黒焼きって苦くなるまで焼いてるの……?





 ――アヤメちゃんの魔法日記、九十一頁

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ