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アヤメちゃんの魔法日記  作者: 深光
始まる為のエンディングノート
87/107

死霊の山には蛇の群れ

 草原地帯はただっぴろい、でもシーシープドラゴンは見当たりません。

 グラーノさんにシーシープドラゴン見たいねって言ったら、不思議そうに首をかしげてなんでって聞かれた。

 だってしーちゃんの仲間なんですよって言ったら、めっちゃ驚いてた。

 ……なんで驚いたんだろう?


「しーちゃんって……シーシープドラゴン、だったの……?」

「えっ、知らなかったんですか?」

「だ、だって……しーちゃんはしーちゃん……だし、シーシープドラゴン、見たこと……ないから」


 なるほど、しーちゃんいこーるシーシープドラゴンって言う図式ってやつがなりたってなかったんだね!

 あっ……そう言えば、ディーテさんにしーちゃん初めて見せたとき(彩萌的に初めてだけど、ディーテさん的にぜったいに初めてじゃない)シーシープドラゴンってこんなにヒツジだったんだーってびっくりしてたような気がする。

 つまりディーテさんもシーシープドラゴンはしーちゃん以外見たことなかったんだね……。

 もしかして、シーシープドラゴンってレアなの?

 ……あれ? イズマさんもなんか毛が高価って言ってた気がする。


「……猫は、シーシープドラゴン飼ってるんだ。すごい……ドラゴン使いなんだ」

「シーシープドラゴンは育てれば強くなり、ヒツジみたいな人形の様な姿をしてるらしいね」

「えっ、でも水に浮かんで涼んでる姿がよく目撃されるんでしょ?」

「遠目でそれらしきものくらいかねぇ、近付いて捕獲した人間はまったく……ほぼ伝説級の生き物なんだよね」


 イズマさんにめっちゃすごい人説が浮上してきた、いや……前からあの人には万能感あったけど。

 というかイズマさんが本当に人なのか疑問だけど……、そんな物を彩萌にくれたのはどうしてかな?

 ……あっ、イズマさんってそういえば妖精さんのシースさんと契約してんじゃん。妖精さんたちってなんか人とかと交流あんまりないらしいし、妖精の力借りればなんか簡単にしーちゃんくらいなら捕まえられそう。というかしーちゃん嫌がってなかったから捕まえたのかどうかも疑問だけど。

 むしろスカウト? 金儲けの道具になってみませんかって、スカウトされて良いよって言ったのかも。

 うん、しーちゃんなら良いよって言いそう。

 ……あれ、なんか記憶掘り返してみればしーちゃんって繁殖可能なんだっけ?

 彩萌ずっとしーちゃんは子供だと思ってたけど、実は大人なのかも。


「ドラゴン種自体が珍しいから、私はワイバーンしか見たことないかも」

「わいばーん?」

「比較的目撃されやすい種族だね、空を飛んでいる緑色の飛行物体はみんなワイバーンだと思っても良いくらいだからねぇ」


 じゃあ彩萌も見たことあるかも、緑色の大きいドラゴン……。

 グラーノさんが彩萌にこそって教えてくれた、ワイバーンは最初に作られたドラゴンの系統に属してて繁殖力が群を抜いている、らしい。

 そんな感じでドラゴンについて話しながら、途中シェリエちゃんの箒に乗らせてもらったりしながら草原地帯を行きます。

 彩萌の前に見える山を越えるらしい……超でかいし、超遠いし大変そうだね。

 シェリエちゃんと李白さんが飛んで、彩萌がアザラシ化したグラーノさんだっこして走ればすぐじゃね、って話になって走ることになった。

 意外なことに彩萌が一番早かった、ケット・シーってやっぱりすごいんだね。

 山は岩山で、なんかちっこいトカゲがいて苔とか背の低い草がいっぱい生えてた。

 李白さんにどうやって超えるのか聞いたら、ゆるやかなところ通るらしい。

 あー、つまりあれだね、迂回していくってやつですね!

 シェリエちゃんは歩くのがめんどうなのか、下りるのがめんどうなのか箒に乗ったままでした。

 グラーノさんには人型に戻ってもらった。

 人がよく通るのか、なんかちょっと歩きやすいようになってるような気がします。


「……堕天使、ここら辺はスケルトンが数年の周期で復活するらしいけど……今は大丈夫なの?」

「私は堕天使じゃないよ……、まあ良いけど。この間ギルドのほうで整備してたから大丈夫なんじゃないかな」

「……魔人に精霊に堕天使と言った魔力の塊の様な生き物が通ったら、魔力活性化しそうだし……刺激与えそう」

「まあ平気、と言いたいところだったけど……これ原初の精霊(カラーゴースト)なんだよねぇ」


「わかんない」って珍しくなんか満面の笑みを浮かべて李白さんは言った。

 李白さんって、すごい適当だよね。

 対策はしないで問題は起こってから解決するタイプかな?

 というか李白さんのこの間ってちゃんとこの間なの?

 寿命長いからこの間がこの間じゃない可能性もあるような……、二、三年前だったらイヤだなぁ。

 というか本当に、骨がちらほら落ちてますね……。

 魔物の巣に飛び込んだら、魔物避けしてても意味なさそうです。

 岩陰とかけっこうあるし、そこから魔物が飛び出てきたら嫌だなぁ……なんて考えてたらぐいって引っぱられる感覚がしたんですけど。


「ねーえ、荷物全部置いてってくれなーい?」


 なんかひんやりしたものが……、あわわ……ナイフを突きつけられてます!

 あれか、スケルトンの心配よりも盗賊の心配しろってやつでしたか!

 李白さぁん、導くのが得意じゃなかったの!


「ジェズミィ テスクァナック ナックァファガトゥグランリィア」


 えっ、シェリエちゃんそれ何語? とか考えてたら悲鳴が聞こえて、彩萌の鼓膜が壊れそうでした。

 痛いとか、何すんだお前とか聞こえてきたけど彩萌の耳が痛い。

 気づいたらグラーノさんに回収されてた、シェリエちゃんもしかして魔法使ったのか……。


「生け捕りにしてミアーティスのギルドに引き渡せばそれなりに出るよねぇ、まさかそんな武装して集団で行動してる野盗の癖に賞金掛かってませんなんて見かけ倒しな事しないでね」

「宿代が浮く訳だから、むしろありがとうって感じ?」


 シェリエちゃんと李白さんはすごいポジティブ思考……なのかな?

 というか李白さんはどこから剣を出したの? 魔法的な何かなの?

 生け捕りだから、あんまり酷いことはしないって信じたい。

 というか彩萌たちはどうすれば良いんだろう。

 困ってたら、なぜか彩萌たちのほうには誰も来ません。

 グラーノさんを見上げれば、にこにこしてた。


「あんまり、騒がなかったら……誰も気付かない、から……大丈夫だよ」


 どうやらグラーノさんが力を使ってくれたようです。

 彩萌を襲った人は、下半身が蛇のお兄さんのようなお姉さんのようなどっちか分かんない人だったみたい。というかみんな蛇っぽい、尻尾が蛇だったり被り物が蛇だったりしてるもん。

 剣で殴られたら痛そう……鉄だし、というかシェリエちゃんの魔法も痛そうだけど。

 石とか、氷とか……たぶん痛いよ。

 とりあえず血とか見るのが怖かったので、グラーノさんに引っ付いといた。

 うん……殴る音とか聞こえてヤダな、うん……。

 そういえばシェリエちゃん魔法使うときなんて言ったんだろう?

 ジェズミーテスクアナックナックアファガトーグランリーア?

 ……ダメだ、彩萌にはまったく分からん。

 終わったよ、ってシェリエちゃんに声をかけられて顔を上げれば倒れる人が……十人くらい?

 連れていけないよね……、どうするんだろう。


「もうすぐ日も暮れるし……何処か良さそうなところで休息しようか、私は先に飛んでギルドの方に行って誰か連れてくるからさ」

「良いよ、こいつらどうせ目を覚まさないし……」


 目を覚まさないって何かしたのかな……、魔法ってすごいね。

 魔法がすごいというより、シェリエちゃんが天才なのかもしれないけど……。

 この先をちょっと行けば山小屋があるらしい、李白さんが飛んで行ったあと山小屋をちゃんと確認してから盗賊さんを運び出した。

 シェリエちゃんの魔法とグラーノさんが頑張ってた。

 山小屋に盗賊さんを押しこめて封印して、彩萌たちはけっきょく野宿らしい。

 スケルトンは大丈夫なの? って聞いたら、彩萌の先導ランタン君スーパーの魔物避けが発動してる間は復活はしないでしょとのことです。

 なんだか……珍しい体験をしてしまったような気がします。うん。





 ――アヤメちゃんの魔法日記、八十五頁

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