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アヤメちゃんの魔法日記  作者: 深光
始まる為のエンディングノート
59/107

花吹雪に紛れて

 そっくりな二人の口喧嘩は、現実世界とは違い天使さんが負けそう。

 幻想世界(ふぁんたじー)ではお姉ちゃんが強かった、まあただのそっくりさんだけど。

 お姉ちゃんにそっくりな、ブロッサムさんは笑いすぎて疲れたのかため息を吐いてた。

 ブロッサムさんは髪の毛が長くてさらさら、なんかお姉ちゃんと違って見た目に気を使ってる感じがする。

 化粧してるみたいで、口元がうるうるだね。きれいです。


「まあ、天使とかと違って悪魔は部族も国も持たないから私達と比べるのがそもそもの間違いなんだけどね」

「アリとキリギリスを比べても意味ないでーす」

「ハチとアリなら比べても意味あると思いまーす? でもアリとキリギリスは生態が違いまーす!」

「妖精しゃん達やテンスィと違って文化も無ければなーんにもにゃい自由な魔物ですぞぉ!」

「そんな奴らと比べて劣等感抱くとかぁ、……マジカワイソ過ぎて笑いが止まりませんなぁ! 天使の不幸でおやつが美味い!」


 妖精四人は良い顔してるね……、悪魔に似た性質を持っているんですかね?

 というかそろそろ喧嘩止めようよ。

 天使さんは重要な用事があったんじゃないの?


「ですが出来ることは彼等も私達も変わらないですからね、貴方達は封鎖されたコミュニティーで完結させていますが私達は違うのですよ。人や様々な魔物と繋がり、文化を昇華させているのですから益々の努力と精進が必要です。何も持たないで生まれてくる彼等よりも劣っていると言う事はもっと恥じるべき事でしょう」

「うわっ、他人に色々強要してくる真面目ちゃんかよ、というか自慢かよ」

「面倒臭いタイプでーす……!」

「最悪でーす! 他人を見下してまーす!」


 うん、まあ頑張るのは良いことだとは思いますけど……、妖精さんたちのありかたまでとやかく言う必要は無いんじゃないですかね?

 まあ彩萌が何か言ったら面倒臭そうだから、何も言わないでおきます。

 すごい悪魔が注目されやすいのは、みんな自由に個人でやってるからですかね?

 天使とか、妖精とかになると国とか種族とかで見られがちなのかな?

 そんなことを思ってぼーっと見てれば、飽きたのかシースさんが飛んできて彩萌の頭の上に下りた。

 なんか毛で遊ばれてる気がするけど、気にしないでおこう。

 この椅子ふあふあだね、この椅子に座ってブロッサムさんは誰かに会うのかな?


「その様な事はどうでも良いのです、この森に穢れを持ち込んだ魔物が居るのは本当のことなのですか」

「本当に決まってんだろ、そもそもそんな嘘を吐いてまでお前達と関わりたくない。むしろバイバイしたい、なんで同盟組んでんだろう?」

「フェクタ様の考えなど、分かる筈がありません」

「まったくもってその通りだな、妖精でもあのお方の考えが読めないのにお前達に分かってたまるか」


 あれ、なんだかんだ言って仲が良いのかな?

 口喧嘩は終わったみたい、それにしても穢れた魔物かぁ……。本当に、居るのかな?

 石反応してない、うーん……どうしたんだろう。

 不調なのかな。石を触ってみてもよく分からないです。


「それにしてもなんでお前だけなんだよ、他の連中はどうした」

「妖精の国に好き好んで行く天使なんて居ません、私が責任を持って馳せ参じたのです」

「騎士団長さんも大変だな」


 どうやらその魔物さんを倒しに行くことになったようです。

 天使さんは一人しか居ないから、戦闘も出来るブロッサムさんも一緒に行くんですって。

 他の妖精さんはぜんぜん戦えないらしい、なんでブロッサムさんは戦えるのかな?

 ブロッサムさん、不思議ですね。


「あやっちー、暇だからおやつでも食べにいこーじぇ」


 シースさんがそう言って彩萌を引っぱります。

 うーん、でも彩萌は何かに引っかかっているんですよ、なんかモヤモヤ。

 シースさんに髪の毛を引っぱられて彩萌はブロッサムさんの横を通ります。

 あいさつしてなかったから軽くあいさつしといた、ブロッサムさんは笑ってくれた。

 ひろーい場所から出て、お城の中をけっこう歩くんですよ。

 どこ行くんだろう? そう思っていれば、裏庭に出たのです。

 おやつ食べるんじゃないの?


「あやっち、これが本物のぶろっしゃまだじぇ?」

「……うん? 本物のぶろっしゃまって?」

「にゃあんかー、他のみんな気がついてにゃいんだけどーあれたぶんニセモノだべー」


 シースさんの言う、本物のブロッサムさんは小さな桜の木でした。

 というか本物ってなに? ニセモノってどういうこと?

 彩萌が混乱していればシースさんは、うーんと唸りながら言った。


「ほら、妖精しゃんずっとずっちんのとこ居たじゃん? 今日帰省したじゃん?」

「うん、そうなんだね」

「それにほら、この国で一番の緑色は妖精しゃんじゃん」

「……そうなんだ、彩萌は知らなかったけど」


 そのおかげで分かる、って言いたいんだろうか。

 その小さな桜の木に近づけば、額の石がちょっぴり熱くなった。

 ……これ、ちょっとだけ穢れてるのかな?

 これが本物のブロッサムさんなら、あのニセモノはなんなんだろう。

 額の石を小さい若葉にくっつけてみる、ちょっとだけ甘い匂いがする。


「――……あっ、なんか……小さい」


 なんか石が熱かったんだけど、熱くなくなったなぁって思ったら桜の木の根元からなんかはい出てきた。

 シースさんと同じくらいの大きさの、ピンク色の髪の毛でピンクのお着物きてるミニブロッサムさんだった。

 それにしてもゾンビ映画みたいな出かただったよ……。


「……だれだおまえー、名を名乗れー」

「えっと、彩萌と言います」

「そうか彩萌か、私は生まれたばかりだぞ、腹が減った。桜餅が食べたいんだけど」


 生まれたばっかりで餅って良いの?

 彩萌はミニブロッサムさんを手の上にのせて、シースさんの案内で桜餅があるところにむかいます。

 ミニブロッサムさんは肉球を気に入ったらしく、叩いてた。

 というか……ニセモノどうにかしなくて良いの?

 ニセモノの目的ってなんだろう?

 というか、なんで桜の木の根元からはい出てきたの?


「植物系の妖精はだいたいみんなあんな感じで生まれる、私は二五六九代目のブロッサムだぞ」


 ……そうなんだ。

 シースさんは何系の妖精なのかな?

 あと桜餅美味いね。ニセモノどうにかしたほうが良いと思う。

 というかニセモノって何者なんだろうね。

 変身できる人なのかなぁ?





 ――アヤメちゃんの魔法日記、五十七頁

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