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アヤメちゃんの魔法日記  作者: 深光
幻想スケッチ
36/107

精霊さんを知る話

 この人たちは、覚えるのが早いみたいでもうペラペラ喋るようになってます。

 それにかくじ自由にいろんなことをしたり、していなかったり。

 すごいよ、みんなすごいけど……彩萌は生身の人間なので出来ないことがあるんです。

 たとえば空を飛ぶとか、空を飛ぶとか、空を飛ぶとか。

 フレアマリーさんにたかいたかいされちゃったよ、それはそれは怖いたかいたかいでした。

 彩萌が泣いて嫌がってたからさすがに頭がほのぼのしている人たちが止めてくれたけど。むーちゃんとフレアマリーさんはすごい、残念がってたけど。


「なんて言うか、彩萌は情操教育っていうのをした方が良いと思ったんです……」

「情操教育? ディーさんそれ何か知ってる? 僕は知らない!」

「えっとねー、お兄さんも分かんないですよー」


 真実と風の精霊とか言われてるふぇっくん(呼び名は本人の希望です)と愛情と本の精霊のディーテさんはさすがというか、こういう話への喰い付きが良いです。

 ユースくん(ユーヴェリウスくんのことです)とグラーノさんとテスさんも彩萌の話を聞いてくれてます。

 むーちゃんとフレアマリーさんは、しーちゃんで遊んでます。

 投げられてるけど、本人が喜んでるから良いの……かな?

 助けを求めてきたら助けてあげよう……、今は喜んでるし……。

 情操教育、彩萌も詳しく知らないけどそれの説明しようとしたらユースくんが手を上げたんです。

 なんかまるっこい耳が可愛いですね、尻尾もふあふあもふもふで大きいし。


「えっと、ユースくんどうぞ」

「んっとー……、感なんだけどぉ良い?」

「そうやって自分を出していくのってすごい大事だと思います、だから良いと思いますよ!」

「えへへ……、あのねぇボク的にねぇなんかーきれいな感じだと思ったー」


 なんかすごい大ざっぱですね。

 方向性は、たぶん間違ってないと思うけど……。

 これはなんて返したらいいんだろう、先生だったらどうするかな?

 うーん……分かんないから適当でいいや。


「なんかー彩萌的に惜しいと思ったー」

「えへへ……、惜しいのかぁ残念だねぇ」

「じゃあお兄さんも解答権が欲しいですー、彩萌ちゃんお兄さんもー」


「わ……私も欲しい」とディーテさんに続いてグラーノさんが手を上げてました。

 なんか、クイズ大会になってない? ……まあ良いですけど。

 テスさんもなんか難しい顔で悩んでるし、ふぇっくんはくすくすしてる。

 たぶんふぇっくんは彩萌の頭の中を読んでるんだろうね……。

 でもフェアじゃないから答えようとしないっていうのは、良いことだと思います!


「じゃあ、ディーテさんだと本当の事を答えそうだからグラーノさんから」

「あ、えっ……うん! あ、あの……えっと……えっとぉ」


 グラーノさんはたぶん……、あがり症ってやつだと思う。

 答えようとするんだけど、上手く言えなくて泣きそうになってます。

「やっぱり、いい……」と小さく呟いて、解答権を捨ててしまいました……。


「グラーノさんは頑張ったよ……! 解答しようとした心意気って大事だと思いますよ!」

「お兄さんもチャレンジ精神は大事だと思いますよ!」

「グラーノ、よく頑張ったな」


 テスさんとディーテさんも便乗してグラーノさんをなぐさめます。

 グラーノさんは顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。

 みんなで褒めるのは……、あがり症にはきつそうなんですけど大丈夫ですか?


「きゃははっ! グラーノ・シアンどんまーい! ちょーどんまーい!」

「次は行ける、次は彩萌をぶちのめす勢いで答えればさらによし!」


 むーちゃんと、フレアマリーさんも何か言ってますけど……これは完全にからかってる系です。

「二人とも酷いよぉ」とユースくんがおろおろしながら呟いてました。

 グラーノさんは泣いてしまいました。


「ぐ、グラーノさん気にしない方が良いですよ、あれは耳元でうるさい蚊みたいな感じのアレですから……」

「うっぐ……、蚊みたいな感じのアレってなに……?」


 というかグラーノさんに泣かれると彩萌が困る、もう雨雲が出て来てますし。

 他のみんなは濡れないと言うか、濡れても平気なのかもしれないけど彩萌は辛いですよ。


「彩萌ちゃんがグラーノ・シアンばっかり贔屓してるー! センセーは対等な立場に立たないといけなくなーい?」

「むーちゃん、彩萌は先生じゃないんですよ! ただの彩萌ですから、贔屓もすればかばいもするんですよ!」

「……なんかー、ズルい気がしたー。ずるいずるいずるいー」


 ぷいっと顔を背けてむーちゃんはとたたたたーと走ってどっかに行ってしまいます。

 反抗期なんですかね? よく分かんないや……、彩萌まだ反抗期になってないから。

 フレアマリーさんは、むーちゃんを追い掛けないでグラーノさんに近付きます。


「そんなに気にしてんじゃねぇよ、泣くんじゃねぇ雨が降るだろ」


 ばしばしグラーノさんの背中叩いてますけど、それかなり痛そうですよ。

 グラーノさんは、一応こくこくうなずいてましたけど。


「むっちゃんはあれなんだよ、イケないことをして気を引こうとするお子様なんだよ!」

「それで彩萌ちゃん、お兄さんに解答権くれないの?」


 彩萌、情操教育はあきらめる。

 彩萌には無理だぁ、自由すぎるもん。彩萌は先生じゃないもん。

 ちなみにディーテさんは、正解した。

 彩萌よりも詳しく答えて、彩萌がちょっと困ったレベルでした。

 ただ一つだけ彩萌は分かりました、聖女とかたいそうなものになったけどカラーゴーストさんたちは好意的に接してくれるだけで敬ってくれなければ大事にもしてくれないし、むしろ彩萌のことを玩具だと思っているふしがあると言うことです。

 仲良くなろうとしてくれてるのは嬉しいですけど、大変です……。

 彩萌は将来絶対に先生にはならない、絶対にです。





 ――アヤメちゃんの魔法日記、三十六頁

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