精霊さんと聖樹リイムの話
人型になった新しいカラーゴーストさんとかをとりあえず並べてみます。
ついでに、海の精霊さんっぽい青い……お姉さん? お兄さん? はしーちゃんに追い掛けられてたので助けてあげました。
それにしても見事に、色鮮やかですね。
なんていうか、オレンジの精霊さんはディーテさんにそっくりでした。めがね女子だったけど。
オレンジの精霊さんは、きっと正義と太陽の精霊のフレアマリー・バーミリオンさんですね。
「貴女はフレアマリー・バーミリオンさんです!」
あんまり名前とかを変えちゃうと未来の彩萌と山吹君が大変そうなので、オリジナルの名前とかは付けません。
未来の彩萌が生きていると信じているので、このままで良いんです。
それにこの名前とか、結構いい感じですし良いと思いますよ。
フレアマリーさんは腕を組んで、彩萌を見下ろしてます。
威圧感はんぱねぇですよ?
それでフレアマリーさんの隣は、寛恕と大地の精霊のテスタト・ミモザ・オーカーさん!
ちなみに寛恕って読むんだよってさっきディーテさんに教えて貰った。
ディーテさんはなぜかフレアマリーさんの髪の毛を三つ編みしてますよ。
それで、テスさんの隣の緑色の女の子は……、あれ? 女の子?
「えっ……緑、えっ? フェクタくんさっきまで男の子でしたよね?」
「彩萌ちゃんと同じが良いなぁって思って、それになんかぷにぷにしてていい感じだよー!」
真実と風の精霊のフェクタ・カクタスくん……だったけど、今はフェクタ・カクタスちゃんになってました。
スカートはいてるし、なんか彩萌みたいにぱっちんの髪留めつけてるしおっぱいあるし……。
可愛くてかっこいいちょうちょみたいな羽は相変わらずはえてて妖精さんみたいですよ。
それでフェクタちゃんの隣は青い――、名前的にお兄さんかな。
青いお兄さんが、絶望と海の精霊のグラーノ・シアンさん、……なんかかわいそうな称号だなー。
「お兄さんがグラーノ・シアンさんです!」
しーちゃんに追い掛けられて恐怖心が出ちゃったのかびくびくしてます。
かわいそうです、ごめんなさいグラーノさん。
ふわふわした髪の毛とか、真っ白な肌とかぱっちりした目とかけっこう可愛いですよ。
首にえらっぽいの有るけど、海だからしょうがないね。
それでグラーノさんの隣が、すごい背の低い紫色の男の子です。
前髪が長くて、顔が見えません。彼が噂のユーヴェリウス・モーブですか?
王子やイクシノア様みたいに、きらきらしたアクセサリーいっぱい着けてます。
「君がユーヴェリウス・モーブくんです!」
なんか、ユーヴェリウスくんは喜んでるみたい。
長いからユーくんと呼ぼうかな、カチューシャ着けるなら前髪上げれば良いのにって思った。
それにむーちゃんと同じように、獣耳と尻尾が生えてた。
ちなみにユーくんは、調和と星空の精霊でした。
ユーくんの隣が、むーちゃんことムールレーニャ・ミストちゃん、孤独と月の精霊らしい。
彩萌と他のカラーゴーストさんに興味が無いのか、足でパタパタとリズムを取りながらしーちゃんをじっと見てます。
なんか、むーちゃんの眼がすごい、グラーノさんを追い掛けてたしーちゃんの眼に似てる。
「えーっと……、君がムールレーニャ・ミストちゃんです」
「他のみんなは僕たちと違ってなーんにも知らないから、大変だよー! あとむっちゃんは男の子だよ!」
とりあえず、お近づきの印に同じ色の飴を上げといた。
四人ともそれには凄い喜んでくれた、これって餌付けですよね。
さて、だが聖女なんてたいそうなものになってしまったわけですが。
彩萌はどうしたら良いんだろー?
とりあえず色々と最初に起こった事をしなければ。
そうして聖女のおつとめを終えて、彩萌はどうしたら山吹君の元へと生きていけるのかを考える!
色々やって、なんか良い頃合いになったら誰かと交換してもらおうと思います。
ほら、彩萌はどうしても山吹君に会いたいから。
山吹君が一番だからね……、彩萌の世界の中心は山吹君だから。
「あ……そうだ、リイムの種を植えよう」
ちょうど良く貰ってましたしね!
これは神様がなんかしたよ、絶対なんか細工したよ。
彩萌がランドセルから、大きめな種を取り出すとフェクタくんとディーテさんとテスさんとユーくんは興味深そうに見てた。
フレアマリーさんとむーちゃんはしーちゃんを追い掛けてた。
そしてしーちゃんがグラーノさんを追い掛けてた、なんて言うか弱肉強食?
あの……フレアマリーさんとむーちゃんがなんか、凶器持ってますけど誰も止めないんですか?
グラーノさんがしーちゃんに食べられそうだけど、誰も助けないんですか?
フレアマリーさんとむーちゃんは絶対にグラーノさんを助けるためじゃ無いと思う、あの眼は捕食者の眼ってやつですよ!
……見なかった事にしよう。しーちゃんはたぶん大丈夫だと思うし。
とりあえず、掘って埋める。これだけ!
「……水上げたいな」
「あやめー! あやめー! ちーちゃんつよくなったー!」
グラーノさんはしーちゃんにちょっと食べられちゃったみたいです、グラーノさん泣いてるよ。
でもグラーノさんが泣いたおかげか、雨が降ってきたんですよ!
なんか、グラーノさんかわいそうな精霊さんです……。
というか彩萌濡れちゃうじゃん、いやっ本とランドセルがやばい!
彩萌は急いでマントでランドセルとお菓子たちを包みます、これ防水加工してあるって言ってたし。
魔法書もランドセルに入れときました、あーでも彩萌は濡れちゃう。
まあーいっか? なんか寒くないし。
でもグラーノさんがかわいそうなんでなぐさめておきます、なでなでしてあげます。
そうしたらグラーノさんがマジ泣きしちゃって土砂降りになったんですけど。
ちょっと雨が痛い……。
すぐ雨止んだけど、結果的に言えばグラーノさんに懐かれてしまった。
乾かしてくれたから、へばりついてくるのは許してあげよう。なんかひんやりしてていい感じだし。
ちょっと強くなったらしいしーちゃんは、フレアマリーさんとムーちゃんと遊んでた(戦ってた)。
そしてディーテさんとフェクタちゃんはテスさんとユーくんに言語講座してるし……自由だね。
「グラーノさんも……言葉おぼえたほうが良いよ」
なごりおしそうな目をされたが、彩萌はグラーノさんを送り出す。
なんか……お母さんになった気分だ。
リイムの種を植えたところを見ると、もう既に芽が出てた。
幻想って不思議……。
でも早く大きくなってほしいなぁ、じゃないとお菓子だけで生活しなきゃいけなくなっちゃうよ。
早く草とか生えて来い、リイム早く成長して! と彩萌は祈るのでした。
なんか祈っていると、彩萌は世界と一体になったような気がして清々しい気分になった。
これも聖女になった所為かな……。
どうせなら魔法使えるように――っ!?
「あっ、彩萌ちゃんが飛んだー」
「すごい飛んだねー、それにしてもすごいね、木ってこんな成長速いんだね。お兄さん吃驚した」
「きっと、あやめちゃんが、いのったから……かみさまがちからをかしてくれたのだ」
ほのぼのしてるフェクタちゃんとディーテさんとテスさんの声が聞こえた。
思考が一瞬飛んじゃったけど、どうやら彩萌は急成長した木に引っ掛かって飛ばされたらしい。
誰かの腕の中にいます、彩萌の心臓バクバクしてます。
彩萌死に掛けたんじゃないですかね。
顔を上げれば眼鏡女子なフレアマリーさんがいました。
フレアマリーさんはすごい良い笑顔を見せてくれました。
「さっきのもう一回やってみ」
「ぼくもみたい! すごーい無様でおもしろかったよ!」
……彩萌を殺す気か。
ムールレーニャ・ミストとフレアマリー・バーミリオンは彩萌に恨みでもあるのか!?
けっきょく彩萌を心配してくれたのがグラーノさんとユーくんだけってどういうこと!?
……生まれたばっかりだから、色々と何かが足りないの?
神様、彩萌はどうしたら良いんですか……?
幼稚園の先生とかって、こんな感じなのかな……。
――アヤメちゃんの魔法日記、三十五頁




