変わらない繋がり
りっちゃんは二世さんと共に夜の間とやらに帰って行きました。
というか普通に彩萌聞き流してたけど、あそこって夜の間って言う名前だったんだね。
やっぱり彩萌の死体は有効に利用されるらしいよ。
あとフレアマリーさんのりっちゃんを見る目がやっぱりとげとげしかった、仲良くしようぜ。
テスさんはりっちゃんがつかってる魔法は、完全なる魔術って言ってた。
りっちゃんは精霊というよりは完成された魔法、らしいけどどういう意味だろう?
……エミリちゃんの使い魔のベルゼビュートさんみたいな感じなのかな。
ベルゼビュートさんが精霊入りする日はそう遠くない……ってことでおっけー?
テスさんも魔人の国に帰っちゃうみたい。
お墓を見ていないといけないらしい。
彩萌とフレアマリーさんも、ジェーフィクくんとフェフィークさんにバイバイしてミアーティスに帰るよ。
ジェーフィクくんはちょっと寂しそうだった、強いドラゴンさんだから友達が少ないらしい。
ちなみに、しーちゃんの毛は魔力を反射するやつらしいのでなかなか良いバトルだったようです。
そうだったのか、しーちゃんの毛は魔法にたいしてすごい壁になるんだね!
さすが伝説級のドラゴンですね、シーシープドラゴン強いね。
遊びに来てねって言ったら、絶対にいつか遊びに来てくれるらしい。
何回も乗せてもらうのは大変かもしれないから、しーちゃんに大きくなってもらった。
誰も気付かなかったみたいで、最初からそうしろよって突っ込まれなくって彩萌はホッとしてる。
やっぱりしーちゃんはモコモコで、暖かいです。
でもやっぱり空を移動する時に人型は動きにくいらしいので、フレアマリーさんは変身してた。
しーちゃんの飛び方めっちゃ荒々しいから、乗ってると酔う。
しがみついてるの大変です、でも助かります……しーちゃんありがとう。
ミアーティス近くの草原についても、彩萌がぐったりしてたからそのまましーちゃんに乗って移動したよ。
流石にミアーティスにそのまま入るのは、目立つからしーちゃんたちはいつもの姿に戻ったけど。
やばいよ、彩萌なんだか町行く人に二度見されてますよ。
超ひそひそされてる、視線が痛いです。
でもフレアマリーさんがじーっと見て来る人の視線をさえぎってくれたから、すごい悲しくはならなかったです。
なんでもないような感じで自然にやってるからカッコいい。
いじめっ子にはなりたくないけど、そうやって認めた人に自然に優しく出来るフレアマリーさんみたいになりたい。
いじわるはダメな所だけど、フレアマリーさんはそこが良い。
でも、やっぱりイジメは良くないですけどね!
全員と仲良くしろとは言わないけど、同じ精霊であるりっちゃんにはもうちょっと歩み寄ってあげて欲しい。まありっちゃんにも言えることだけどね、元人間で神偽っちゃって魔法が使えないからってネガティブし過ぎはダメだと思う。
しばらくはその間を取り持つのが二世さんの仕事になりそう。
そういえば、まだシェリエちゃんたちは居るんだろうか。
グラーノさんは居ると信じたいけど、シェリエちゃんはもう居ないかも……。
そんなことを考えながら広場まで歩いてたら、彩萌は後ろから誰かに抱きつかれてびっくりした。
まあそんなことするのはグラーノさんしか居ないけどね……。
「俺にすら気付かせないで彩萌に近づくなんて、お前もやるようになったな」
「うぅ……彩萌ちゃん……、なんか、小さくなったね……」
「彩萌の身長は変わってないですよ! 見た目は変わっちゃったかもしれないけど!」
「そ、外見じゃなくて……中身、だよ」
内臓ですか?
……あ、魂か。そうだよね、内臓が小さくなったっておかしいよね。
言う前に気づけて良かった、言ってたらフレアマリーさんに笑われてたよね……。
「……小っちゃい」
「なんか、よく分かんないけど……何回も小さいとか言うの止めてください」
「そうだよ、彩萌は小さいんだよ。潰さない様に気を付けろよ、お前はデカいんだぜ? 海なんだからよ」
「ん……、潰さない様に、がんばる」
ぐすぐす泣いてたけど、グラーノさんはすぐに離してくれた。
彩萌は時間経過よく分かってなかったけど、二日しかたってないってさ。
まだシェリエちゃんも李白さんもいるって、シェリエちゃんは李白さんに文句言いながら今はご飯食べてるらしい。
フレアマリーさんとグラーノさんと彩萌は手をつないだんだけど、なんかあれだね……彩萌、宇宙人みたい。
シェリエちゃんと李白さんに会うのは、すごいどきどきする。
でも彩萌は信じてます……、外見で判断する人たちじゃないって。
シェリエちゃんたちのいるお店に彩萌が入ったら、騒がしかったのに静かになっちゃった。
流石の彩萌もそれにはダメージが……うぅ、涙が出そうです。
グラーノさんもおろおろしてたけど、フレアマリーさんがガンガン引っぱって行ってくれたから助かりました……。
フレアマリーさんありがとう、フレアマリーさんカッコいい。
久しぶりに見た李白さんはすごい白いし、シェリエちゃんは相変わらず魔女っ娘です。
二人とも彩萌を見てすっごいびっくりした顔してた。
二日しか目をはなしてなかったのに、種族すら変わってて呪われてるもんね……。
そういえば二世さんは、邪鬼は前世に禁忌を犯したとか神の怒りを買った生き物がなるっていう迷信があるって言ってたっけ。
実際の邪鬼さんにそんなことは無くて、ただウェルサーに近い見た目をしてる生き物……らしい。
どうしよう、なんか彩萌は自信がどんどんなくなってしまいました。
大丈夫だって思いたいのに、不安です。
「……二日間で何か、色々あったみたいだね? その見た目も愛らしくって、とても驚いて言葉を失ってしまったよ。不快な気分にさせてしまったかな?」
「なんでそんな言葉しか出てこない、変態め……、猫……いや彩萌、こっちに来て一緒に何か食べよう」
「う、うん! なんか、食べる……彩萌すごいお腹空いてるから……なんか食べる!」
なんかよく分かんないけど、もっといっぱいなんか言いたいけど、なんて言えばいいか分かんないからいいや。
嬉しい、なんかすごい嬉しくなってお腹空いちゃったな。
ちょっと酔ってたけど、そんなの忘れちゃうくらいお腹空いた。
ちょっと涙出てきちゃった。
「じゃあ俺もお邪魔するわー、いやーなんか一番高いの食べたいなぁ、もちろん白いのの奢りだよな?」
「ちーちゃんもなんかほちい!」
「えっ……いや、お嬢さんに奢るのは分かるけど……ちょっと精霊に奢るのは、ちょっと」
「こんな最高な俺に奢れるなんて嬉しいと思わねーのか、お前カラスだろーが、カラスは太陽の生き物だろーが」
「……カラスでは無い、です」
フレアマリーさん流石に酷いよ、というかフレアマリーさんそれは横暴だよ。
精霊は食べる必要ないからね、食べるのは娯楽だもんね。
そりゃー李白さんだって微妙な反応しちゃうよ……。
「じゃあグラーノ、お前なんか歌でも歌ってクソ忌々しい通行人から金搾り取ってこいよ」
「青い魔法も使えばさらに搾り取れる」
「シェリエちゃん……魔法ってそんな使い方して良いの……?」
「倫理的に良くない」
二人の言葉を聞いて、グラーノさんすっごい困ってたよ。
フレアマリーさんは実はイライラしてたのかな……、なんかごめんね。
フレアマリーさんには彩萌の持ってた干し肉で我慢してもらうことにした、意外とこれ好きらしい。
しーちゃんも干し肉気にいったみたいで、がじがじしてた。
彩萌はシェリエちゃんと同じやつ頼んだよ、食べきれなさそうだったらしーちゃんに分けてあげよう。
シェリエちゃんは、彩萌の角が気になったのかすごい触ってきた。
好きなだけ触って良いよ、えへへ。
なんだか彩萌の心はとってもあったかくなりました。
――アヤメちゃんの魔法日記、一〇二頁




