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アヤメちゃんの魔法日記  作者: 深光
始まる為のエンディングノート
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穢れた聖域の墓守

 フェフィークさんに一旦お別れして、彩萌たちは魔人の国に行くことに。

 行き方を悩んでたフレアマリーさんに「元の姿に戻って空を駆ければ良いじゃないか」ってテスさんに言われて、フレアマリーさんはあれでした。目からうろこって感じな顔してた。

「その手があっ……いや、分かってたよ俺は」ってなんかぶつぶつ言いながらフレアマリーさんは変身した。

 フレアマリーさんはあれでした、角がめちゃくちゃ大きいシカさんだった。

 トナカイみたいって言ったら、ヘラジカってテスさんが教えてくれた。

 テスさんは彩萌をフレアマリーさんに乗せて、テスさんも乗ってた。

 しーちゃんを落とさないように抱っこしたらフレアマリーさんは走り出した、マジで空飛ぶんだね!

 本当はトナカイじゃないの? ってテスさんに確認したらヘラジカだから大丈夫らしい。

 何が大丈夫なのか彩萌は聞かなかった。

 というか、なんかフレアマリーさん足とか燃えてるけど大丈夫なの?

 フレアマリーさんが大丈夫かの確認じゃなくて、彩萌たちが大丈夫なのか気になるところです。

 ヘラジカだから大丈夫ってまたテスさん言ってたけど、今回はヘラジカは関係ないと思った。


「フレアマリーさんがトナカイだったら、アウトだったの?」

「だってトナカイはソリを引いて空を駆けるだろう?」

「えっ……、別に背中に乗せてもらえば大丈夫じゃないですかね?」

「……夢がないじゃないか」


 そっか……夢の問題なんだ、ならしかたないね。

「ソリを引いてたとしても燃えねぇよ」ってフレアマリーさんがテスさんに突っ込み入れてた。

 じゃあ、フレアマリーさんが燃えるのは演出なんだね。

 おしゃれさんなんだね。

 じゃあグラーノさんがちゃんと元の姿に戻ったら、水っぽいのかな?

 というか本当の姿は人の姿じゃなくて、動物だったんだね。

 ディーテさんは何となく、人間が本当の姿だと思った。

 というか、フレアマリーさんもテスさんももしかしたらりっちゃんのこと知ってるかもしれない状態なんだけど、山吹君は大丈夫なんでしょうか。

 でももしかしたら山吹君が消滅しちゃうかもって話しだったよね。

 だ、大丈夫だよね。きっと大丈夫だよね。

 ちょっと不安になってきた。


「テスさんって、昔からリセットされる前の記憶があるの?」

「いや、変な邪神族にマリーが祟られて思い出したから、結構最近だよ。でも体ではちゃんと覚えてたらしい、私はちゃんと自分の役割を把握して行動してたよ」

「自分の役割?」

「私はずっと魔人の国に一人で居たんだが、何故私は魔人の国にこだわるのかよく分からなかった、だが魔人の国にある墓を守るのが役目だったらしい」


「偽りの穢れた神が居る中枢への道でもある」ってテスさんは言った。

 別に神様にそうしろと命じられたわけでも、手を加えられたわけでも無いらしい。

 お墓か……、ウェルサーとかのお墓だったらなんか悲しいね。


「歪みが戻ったら、またみんなで遊びたいな」

「みんなで? むーちゃんはうるさいの嫌いだから来ないかもしれないよ?」

「彩萌が鬱陶しいくらいに頼み込めば来てくれるさ」

「ちーちゃんもーちろいのと遊びたい! だってつよいからすき!」


 ちろいの、って発言に不覚にも笑ってしまった。

 そうだったんだ、しーちゃんはむーちゃんをちろいのって読んでたんだね。

 でもしーちゃん、テスさんが言ってる遊びはバトルとかじゃない普通の遊びだよ。

 そんな話をしていれば魔人の国についたみたい、魔人の国は何も無かったです。

 ちょっと木とかが生えてたけど、草とかは無くて壊れた街も遠くのほうに見えた。

 不毛の地っぽい、そういえばなんか頭の石が熱いや。


「森の中に墓はあるんだ」


 ちょっとだけ遠くに、きれいな森が見えました。

 もしかしたらテスさんに守られてるから、きれいな森のままであり続けられるのかな?

 森の中に入ると、見覚えがあってちょっとどきどきした。

 絵本の中に入っちゃった時に見た夢の場所とおんなじだったから、なんかどきどきしてる。

 森の中にすごい大きい木もあったけど、彩萌が知ってる木よりちょっと小さかった。

 もっと奥に湖があって、すごいきらきらしてます。

 水がきれいです、なんか……よく分かんないけど泣きそうです。

 彩萌今、すごい感動してます。

 そのずっとずっと奥にお墓はありました、ちょっと丘になってるとこです。

 歪な墓石が立ってて、その墓石になんか模様が彫ってあってそれだけのお墓です。

 蔦がからんでます、時間を感じさせます……。

 墓石、触るとひんやりしてる。


「ここに来ると嫌な気分になるな……、その分懐かしさを感じるけど」

「フェクは定期的に来るよ」


 そうなんだ、ふぇっくんは定期的に来るんだ。

 なんか彩萌はよく分かんないけど、むにょむにょーっとした気分になってる。

 泣きたいような、嬉しいような、後悔してるような……うん、もやもや。

 なんとなーく彩萌が魔女っ娘スティックをかざせば、なんかぶおんって感じの音がしてお墓の後ろに扉が現れちゃった。

 なんか、彩萌はあんまりびっくりしなかったよ。

 扉を開ければ真っ暗でした、何も無い感じ。

 一応階段があるけど、なんか壁とかないから心許無いです。

 此処に来るのは初めてなのに、久しぶりな感じがした。

 階段に足を乗せるとなんかきれいな音がする、なんで音がするのかな? 魔力でできてるのかな?

 なんかよく分かんないけど、なんかよく知らないはずなのに、昔は階段が無かった気がしてしまいます。

 彩萌は今ちょっと、よく分かんない感じです。

 混乱中ってやつかもしれません、よく分かんないけど。


「三人そろうと姦しいだっけ? 今きっと素晴らしく姦しい状態なんだろう」

「何言ってんの? お前そんなにお喋りじゃねーだろ」

「そうか……、じゃあ誰が揃うと姦しい?」

「一番姦しくなる組み合わせはディーテと彩萌と……しーちゃん、じゃ……ねーのかな」

「なるほど」

「とりあえず、彩萌が居れば誰が居ようと姦しいんじゃね?」


 流石しーちゃんだね、でもちゃんとしーちゃんも空気呼んで静かにしてる時あるんだよ。

 いまだってしーちゃん静かだよ、でも彩萌だって結構静かだよ!

 ディーテさんが話しかけてくるから、お喋りになっちゃうだけで……静かにできるもん。

 ディーテさんが……悪いんだもん、彩萌ちゃんと静かにできるもん。

 というか階段長いなーって思ってたら、真っ黒な人が見えた。

 あ……、りっちゃんじゃない? えっ、りっちゃんこんなとこ居て良いの!?

 フレアマリーさんたち居るんだよ!?


「お前かよ、世界の真理を知った気になって作り替えようなんてした馬鹿は」

「……たしかに、全部知ってる訳じゃない、自分の知り得ている情報から憶測して語ってるだけで全てが正しいなんて思ってない」

「マリー、私達だって全部知ってる訳じゃないだろう、彼が言ってることもあってると思うよ。歪みを戻さないと穢れが溜まる一方だ」

「……っは、彩萌が本当の意味で消滅しないならなんだって良いけど」

「それで、彩萌の話が本当ならお前は私達と同じになる覚悟があるんだな? 歪みを戻すってなるなら、お前は澱みの海に居られなくなる筈だ、世界の中枢に居座る気か?」

「表に出たら、同じ魂を持つ奴を潰してしまうだろ」

「潰さない様に、お前の魂を潰して新しく造形すれば良いじゃないか、たぶんすごい痛いけど」


 その手があったか……! でも痛いんだ?

 それを聞いてりっちゃんが黙りこんだ、すごい嫌そうな顔してる。


「夜空の枠は空いてる、お前と中途半端に漂って穢れと交じってしまったウェルサーの力を混ぜ合わせれば新しい精霊に成れるだろうさ」

「ちょっと待て、テスターお前なに言ってんだよ! そうしたら彩萌はどうなるんだよ!」

「コイツの枠に入れれば良いじゃないか、彩萌を本物の人にしてあげよう。中途半端になってるから、魔力に弱い体なんだよ」

「えっ……彩萌は人じゃなかったの?」


 あ、レプリカとかなんとかだから人じゃないのか。

 そもそも今ケット・シーだし、人じゃなかったね。

 そういう話では無さそうだけど、どういうことなのさ。


「神様を輪廻に返して、神に改革してもらう為には歪みを直さないといけないんだ、その為にはウェルサーを復活させなければならない」

「……なるほど、彩萌をウェルサーにしたくないと大地の精霊は言うのか、こいつがウェルサーだったのか」

「彩萌をウェルサーにすると、ディーテを元に戻さなくてはいけなくなる、お前を人間に戻さなければいけない、リセットされる前の状態に戻さないといけないんだ。そうなるとやはり山吹を消滅させるか現実世界に帰さないといけなくなる」

「現実世界にあんな魔力持った奴が存在してたら現実世界が歪むな……、となると消滅しか道は無い訳か」

「世界に漂うウェルサーの力をかき集めてお前に入れたって、ウェルサーの枠には収まらない……ディーテと二人分でようやくウェルサーと同じになれる」


 なんか難しい話されてる、ちょっとわけわかんない。

 というか彩萌あきてきちゃった、理解力半減……。

 なんか良い感じになったら教えてよ、しーちゃんと遊んでるからさ。

 あんまり広くないから、気をつけないと落ちちゃうかも。

 まあいざとなったらしーちゃん巨大化させればいいんだけどね。

 なんか新しい精霊になるとか言ってるけど、精霊のみんなには相談しなくて良いの?


「ウェルサーにはもう悲しい思いをしてほしくない、だから……革新と夜空の精霊なんて良いんじゃないか」

「カッコいいじゃねーか……、でも正義と太陽の精霊のほうがカッコいいから調子乗るんじゃねぇぞ!」

「それでディーテに(えにし)と知識の精霊という名前に変えてもらおう」

「太陽が一番偉いってことを忘れんじゃねーぞ下っ端!」

「……マジかよ」


 どうやら話がまとまったみたい、まとまったって言うより押しつけたって感じもあるけど。

 というかフレアマリーさんが一番偉かったんだ、そうなんだ。

 彩萌もちょっと痛い思いをするかもしれないってテスさん言ってた。

 なんかよく分かんないけど、ちょっとなら良いよ!

 ちょっとじゃなかったら彩萌怒るからね、マジで怒るからね。

 なんか、彩萌がウェルサーだったんだね、でも彩萌には彩萌の記憶しかないから今は彩萌だからウェルサーじゃないよね?

 つまりえーっと、私は永遠に私です?

 なんかようやくまた階段を下りる作業に戻るみたい、あーあ……なんでこんなに階段長いんだろ。

 疲れたし帰りたくなってきちゃった、神様を輪廻に戻さなきゃいけないのは分かってるけどね。

 なんかだれてたらフレアマリーさんが気づいて、おんぶしてくれた。

 ありがとう……もう彩萌クタクタだよ。

 階段長いなぁ……。





 ――アヤメちゃんの魔法日記、九十八頁

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