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(奥まで来てよ)
このドアがない真っ直ぐな廊下
どうしてここまで長いんだろうか
「どこよ?」
ーさぁ...ー
ただただ真っ直ぐな道を歩き続ける私たち
目印になるものなんかない
ただ小汚い壁が延々とあるだけ
距離感っていうのが狂ってきそうだ。
(おーい、聞こえる?そこでいいよ)
「どんだけ歩かせるのよ...」
『ごめんごめん』
「?!」
ー?!ー
不意に背後から声がした
さっきの()の声と同じだ。
ばっと振り返るとそこにいたのは
私たちとかわらないくらいの少年。
『驚かせてごめんね、おねぇちゃん』
ー君も...なのねー
少年は、赤いうさぎの人形をもち、
赤い服を着ていて赤色の髪、赤いピアス
顔も...
『はじめまして?おねぇちゃん』
「(苦笑)ふふふ」
ーはじめましてー
『さっきの話なんだけど...』
「あぁ、仲間になってくれる?」
少年は呆れたようにため息をつくと
『消されて無いでしょ?おねぇちゃん?』
どういうこと?
消されるって何を...
「私は、ね」
どうしてこう私だけが取り残されるんだ
まったくついていけてない
ーねぇ、何が???ー
私は我慢しきれずに聞いた
『??...姉妹兄弟でしょ?』
ー?!ー
「ごめんなさいね、なんか妹ね、記憶、消されてるのかな
何も覚えてないみたいなの」
『だからtsのはなし「弟が」って言わなかったんだね』
「なーんだ聞かれてたか」
『だから僕も芝居うったでしょ♪』
...
やっぱり私は置いていかれてるみたいだ