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「なっ...!!」
ーどうしてここに科学壁が?!ー
「わ...私だって知りたいわよ...」
驚愕した
今から上ろうと思っていた階段に科学壁が張られている
ーこれじゃ、どうしようもないじゃない!!ー
呆然と立ち尽くしていると
「...本当なのかはわからないけど、
この研究所に〝ts〟が居るって話」
〝ts〟。
彼女や私のようなのようなps、
msと同じで人為的に創ることは可能だ。
psの成功率が一般的に0.00027%、
msの成功率が0.000017なのだが
tsの成功率はどれよりも群を抜いて低く
わずか0.0000003%とされている。
「〝居る〟のか〝居た〟のかはわかんないけど」
上へと上る階段を閉ざされた今
私たちはこの存在にすがるしかなかった。
目指すは
ーsr...か
「...〝居る〟ほうだといいね...」
ここで何もせずに研究員達を待ち構えたって
発展途上の私たちの力はは研究員達のもつ科学の力には劣る、
抑えられるのも時間の問題だろう。
srは地下にある。
しかしこの研究所には地下室はあっても地下へ通じる階段が無い。
tsには必要が無いからだ。
あったとしても科学壁は間違いなく張られているだろう。
ー地下へ通じる階段が無いのは...ー
「知ってるわ。ふふふ...ちょっと乱暴だけど、
私のようなpsにしかやれない方法もあるでしょう?
msはどうだかはしらないけど」
ー床を破壊する...の?ー
「正解♪」
さぁ、穴を開けるわよぉー!!と彼女は拳を大きく振り上げた
すると〝ability〟の赤く光り輝いた文字が拳に巻きついたように現れ
彼女はそれを思いっきり床に
「(にやっ)」
叩き込んだ。
ドゴッ!!!ォォォォォーーー...
研究所中に響き渡る破壊音と振動。
彼女が叩き込んだ拳から直径2mくらいだろうか
大きくへこんでいる。
「さすが研究所ね、馬鹿でかいだけじゃないのね
良い建設してるわ♪
あなたも手伝えるなら手伝ってよ
さすがに私一人じゃ時間がかかっちゃうかもしれないわ」
私は大きくうなずくと
両腕でで強くうさぎの人形を抱きかかえた。
うさぎの目が赤く光る
私全体を〝ability〟の青白く光り輝く文字が高速回転する。
私の蒼眼に-Target capture-の文字がうつる
私は声を発した『Destroys』
私を包んでいる光が広がる
キィィィィィィィィーーーーン...
耳を劈くような音とともに光が消える。
「...??」
5
私は彼女の腕を掴み
4
急いで離れる。
3
10mは離れないと危ないかもしれない。
2
「ねぇ、何?!」
1
もうそろそろいいだろうか
私たちが居たところを指差す。
「え?」
ドゴオオオオオオオオーーーーーン