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彼女の出てきた
研究室にはたくさんの研究員が倒れている。
私たちはそれを片隅に積むことにした
私は汚れないように気をつけながらずるずると引っ張るが
彼女はそんなことお構いなしに研究員を掴むと
ひょいひょい投げていた。
最後の一人を積み終わると
「ありがとう」
とにこっと笑った。
彼女は
「あなたmsよね?」
と私に問いかける。こくんとうなづくと
「私はpsよ」
ーよろしくー
「ねぇ、一緒に研究所から出ない?」
...出たいに決まっている、なんど思ったことか
が、それは入り口に張られた科学壁に阻まれ不可能だった。
いくらmsとはいえ200年近く飛躍的に進化してきた
科学壁を破壊することはできない。
ーできるの?そんなことー
彼女はにやっと笑みを浮かべ
「2年前のあなたみたいに一人で乗り込まなきゃ可能だと思うけど?
そのあなたは知ってると思うけれど
やっかいなのはあの科学壁よね
原動力をとめないとあの科学壁は消えないわ
パワー室へ行きましょう?
あそこならきっと科学壁をとめることができるわ」
パワー室...
私はそこに2年前研究所を抜け出そうとしたとき
彼女が言うとおり私は一人で乗り込んだ
そのころの私は力の解放がうまくできず
すぐに研究員に取り押さえられてしまった。
そのあとにpsの子が2人、パワー室を襲ったそうだが
その2人は殺されてしまった。
その後からは守りが厳重になってしまったため
近づくこともままならなくなってしまった
そんな場所。
ー近づけないわよ?ー
「あなたはあれから2年間何もしていなかったの?」
そんなことはない。
また機会があれば...と、
研究員が痛くないからと言ってくる
力を強化するための、ものすごく痛い注射にも耐えた
毎日の強化練習も休まなかった
強化のための研究にも積極的に協力した
自分でだって力のコントロールの練習もしたし
先代の技(ability)も習得した。
この蒼眼だって...
研究員は、ばかなやつばっかりだった
私がなんのためにここまでやっているのかなんて疑うことも無く...
この2年を振り返ると涙が出るほど頑張ってきた。
私は苦笑して首を横に振る。
「よかったわ♪」
私たちは科学壁をとめるべく
パワー室に向かった。