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反勇者軍

 ある地下施設内。

 反勇者軍の作戦会議が秘密裏に行われていた。


 もちろん、この会議はお互いを信頼し合える少数のメンバーで行われている。


 勇者法があるのだ。こんな企てをしていることがバレれてしまえば、一生幽閉されるか死刑にされてしまうだろう。


 本当はもっと大っぴらに反勇者の戦力を集めたいリーダーのゼンジロウであったが、それができないことにもどかしさを感じていた。


 「えー、今勇者は東にいる事が確かな情報筋から判明した。しかし、有能な護衛が4名ついてる。ーーこの間と結論は同じ。今、この人数で勇者を襲うのは無理がある」


 参謀のリュウメイが口を挟む。


 「やはり仲間を増やすしかないでしょうね」


 誰も何を言わなかったが、表情を見るに仲間を増やすという意見には賛成のようだ。


 そこで最近革命軍に入ったばかりの小柄な美しい少女がおずおずと手を上げた。


 「あの仲間にするなら是非推薦したい方がいるのですが……」


 「ん、誰だ?言ってみてくれ」


とゼンジロウが聞く。


 「あの、ロイタース城に捕らえられているコウさんという方です」


 その名を出した途端、その場にいた全員が動揺した。


 「隻腕の異物」

 「勇者を殴った男」

 「禁錮400年」


 様々な言葉が飛び交う中、ゼンジロウは一旦冷静になり、新入りに聞いた。


 「悪名高いあの男を、何故うちに?」


 新入りは「ふー」と深呼吸すると、先程のオドオドした態度とは一変し、強い目をして見せた。


 「悪名とは言っても勇者に反抗したという罪です。私たちの活動にぴったりでは?」


 反乱軍のいかにも強そうな大柄な男が口を挟む。


 「しかし片腕がないんだぞ。戦力になるか?」


 「戦力は二の次です。勇者に逆らった男が脱獄したというところに意味があるのです。彼は有名です。彼を広告塔にすれば、今より仲間は集まりやすくなるでしょう」


 その発言に参謀のリュウメイが食いつく。


 「なるほど。彼を前に出すことで、私たちの活動もの隠れ蓑にもなりそうですね。しかし、どうやってあの厳重な警備の中から?」


 「実は……1つ、策があります」


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